2022年11月8日火曜日

さんぽニスト、旧東海道をゆく。其の十

前日からのつづき)

(o´(エ)` o).oO(朝食なしパックだったらもっと早くスタートできてたか...)

などと思ったか思わなかったか、それはさておき前日ゴールの静岡駅前・府中宿からリスタートです。薄曇りのさんぽ日和です。

駿府城下の繁華街を大きく何度か曲がり(街道の曲がり方がさすが城下町らしい)、府中宿を後にします。

江戸時代から続くと言われる安倍川餅の老舗を通過すると、そこはもちろん「安倍川」。高所恐怖症的にはどきどきする大きな安倍川橋を渡りますが、意外と高さもなく歩道の幅もあって、流れる川にも水量もあまりなかったのでそこまでの怖さはありませんでした。心の底からラッキーって思いましたよ(^^;

しばらくまっすぐ進み、大きく右に曲がると丸子宿に入っていきます。
ここに来るまで当然のように「まるこ」だと思い込んでたんですが、「まりこ」だと知って軽く驚きました。ところどころに“鞠子”の表記もあったので、鞠=丸い、みたいなことなのかなぁなどと想像してます。いつものようにちゃんと調べてない(笑)。

その丸子宿(この文章を書いているIMEでも「まりこ」で「丸子」に変換できます)はなんでも奥州平定の際の功績によりこの場所が頼朝から与えられたのが始まり、だそうです。ああ義経・・。
大きな宿場ではないですけど、「ウチは鍛冶屋でした」みたいな表札が各家々に出されていて、なんとなく当時の様子がしのばれます。
ところで「まりこ美容室」って、地名だと思うけど人名の可能性も若干あるわね(^^;


さて旧道を丸子川に沿うように上流に進んでいきます。そして国道1号線のバイパスに合流すると、目の前に見えてくるのは、、です。あれ越えるん?という圧迫感が(笑)。

バイパスはトンネルに入りますが、人間は峠に入っていきます。
そこが間宿でもある宇津ノ谷。ここ、良いです!
山に向かう斜面ある集落。古い街並みを残しながらもきちんと人々の「生活」が感じられて、すごく良い!(←語彙力)
峠に掘られた「明治のトンネル」という観光資源もあるので意外と多くの観光客が来てましたね。


宇津ノ谷でのエピソード
集落から出て「明治のトンネル」方向の道路と旧東海道の山道が分岐する直前の、急な上り坂。アタマを坂の下のほうに向けて駐車してる白いHONDA FITのとこから年配の女性(おばあさん)がこちらに向かって歩いてきました。僕に向かって、半ば泣きそうな声で「車をあそこまで下げてくれませんか?」と。あそこ、というのは少し広いスペースがあって、傾斜はほとんどない場所です。確かに今停まってるところはそこそこの傾斜、ここに駐車するのはフツーはやりません。僕に向かって突き出された手を見ると車のキーです。
断る理由は特にないし、むしろ下げたほうがこちらも安心なので「いいですよ」と言いながらキーを受け取りました。「バック、できなくなっちゃいました?」と聞いてみると、「違うの。運転してたのはおとうさん。明治のトンネル見に行くっていって、ぜんぜん戻ってこなくて。私は車の中で怖くて怖くて・・・」。なるほどそれなら納得です。あの傾斜で前下がりの車内にいたらそりゃ怖い。「少し離れててくださいね」と言いつつ、エンジンかけてバックさせました。ほんの10メートルぐらいね。
「おとうさん、早く戻ってくるといいですね」と言うと、「ありがとうございますありがとうございますありがとうございます」とまた涙声。いやマジでおとうさん、早よ戻ってあげて。
それにしてもそこそこ人出がある中、なんで僕だったんだろう。いわゆる「道、聞かれがち顔」だとは思うんですが、なんか不思議・・・・あっ。今日免許証持ってきてなかったんだった。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい(涙声)。[ここまで]

さて旧道で峠越えです。
道というか「溝」ですね(笑)。でもそんなに大変だとは思いませんでした、上りは(^^;
問題は下り。まずとにかく急。階段状に整備されてるとこもなく、ただまっすぐに下っていく。落ち葉が積もっててなんとも心許ない。途中からはこぶし大の石がゴロゴロしてて歩きにくいことこの上なく。途中追いついた先行の方はトレッキングポールを活用されてましたが、本気で「それいいっすね」って思いました(^^;
おまけに上りに比べて「長い」。次第に足首にも疲れが・・・ついに!石を踏んでそれがゴロっと!!・・・完全に後ろに転んだと思いましたが、思った以上に急斜面、手がすぐに地面について尻もちは免れました(どういう状態やねん)。まあ落ち葉まみれになりましたけどね、何事もなく良かった良かった。山下りは慎重かつ集中していきましょう(自戒)。

ようやく峠が終わって久しぶりの舗装路(^^;
再びバイパス沿いを進み、旧道に入って今度は岡部川に沿うように下流へ、そして岡部宿


立派な旅籠が今は博物館として営業してましたが、むしろ好きだったのはそこを通り過ぎたあとの細長い宿場町の風情。別に古い家ばかりが建ち並んでるというわけではないんだけど、歴史と生活が混在となってるかのような、そんな感じで、気がつけば道の写真ばかり撮影してました(^^;

広い通りに戻ると、「岡部宿の松並木」が保全されています。めちゃくちゃ本数が多いというわけではないのですが、やはり東海道には似合うなぁ、なんて思ったり。
ちなみにここから先、ところどころに数本ずつ、街道沿いに松が残されてます。いい道しるべになるというのは今も昔も変わらないのでしょうね。

あ、街灯のデザインがサッカーボール!と思ったら藤枝宿

清水(江尻宿)ではエスパルスのポスターとかたくさんあったようには思わなかったんだけど、藤枝はとにかくそこらじゅうにサッカーのポスターがベタベタと。しっかりと藤枝MYFCが推されてます。そしてメインのポスターにはどーんと地元の星・長谷部誠様。もはや観光資源(笑)。
せっかくなので藤枝東高校のグラウンドにも寄り道しました。藤色のジャージでアップする高校生がちらりと見えました(ミーハー)。
「サッカー最中」はあまりに想像がつくので特に食べたいとは思わなかったけど(すいません)。


藤枝宿を出るときに渡る小さな橋、ふと左前方を見るとまるでそこに太平洋が広がっているかのような広い広い景色。「うわー」。実際に海はもっともっと遠くのはずで、上手に言葉にできないのがもどかしいのですが・・・なんであんなふうに見えたんだろ。

ところで、ロングさんぽを2日続けるというのは初の経験だったのですが、ここに至っても大きな疲労は感じてません。歩き続けること自体は問題なさそうなのですが、気になってきたのが帰りの電車の時間。
藤枝宿は藤枝駅からは少し距離があるので、少なくとも線路に近づくまでは先に進みたい――計算上は余裕あるはずなんだけど、少しばかり気が急いてきてしまいます。

[藤枝市街のエピソード
藤枝の市街地を後にしようという信号のある交差点で、「ごんっ」という鈍くも激しくでっかい音が。
小型車と軽自動車の衝突事故。瞬間そのものは目撃してないのでどちらがどうというところまではわからない(ぼんやり見てたような気もするけどやはり人間の記憶なんてあいまい)のですが、おそらくどちらか(あるいは両方)が信号無視。横から突っ込んだ形になったほうの小型車が停止できずに相当な速度で民家の生垣に突っ込む瞬間は目にしました。
幸いどちらの車のドライバーさんも大きな怪我なく自力で歩いてましたが(エアバッグはどちらも作動してましたね。安全装備大事)・・・おじいさんとおばあさん・・・気を付けてほしいですね、いろいろ。やはりドラレコ装着しようかな。[ここまで]

左から東海道線の線路が近づいてきました。安倍川を渡るときに左に見えた以来で、ちょっと安心(帰りの心配中)。
六合駅のところで今一度時計を確認して、線路と並行しながら先に進みます。


そして島田宿に到着です。まだ時間的には少しばかり余裕がありますが、最終的に慌てるのもイヤなので宿場を散策するのは次回にしましょうかね。というわけで駅のほうに向かって今日はここまで。

ところで島田市って“地球上でもっとも緑茶を愛する街 SHIMADA GREEN Ci-TEA(ああ、シティか。最初読めなかったわ)って名乗ってて、島田市緑茶化計画なるものを進めてるそうで、駅構内で大々的に展開してました(なんか微笑ましい)。
駅前でも「緑茶縁日」ってイベントやってましたね。緑と縁、フォントによってはそっくり(笑)。


それにしても、もうずいぶん静岡県を歩いてきましたが、まだ終わりません。横に長いぞ静岡県!
そして次回はいよいよ越すに越されぬ大井川(怖いよぉ)。

今回の行程:府中宿~丸子宿~岡部宿~藤枝宿~島田宿。日曜日ということもあるのかな、営業してる店も少なく、ランチは藤枝宿に入るところのコンビニで前日同様の補給食。そのぶん帰りの静岡駅構内で静岡おでん再び(静岡茶割とみかんサワーも)。
ここまでの行程:[1] 日本橋~川崎宿 [2]~保土ヶ谷宿 [3]~藤沢宿 [4]~二宮 [5]~箱根湯本 [6]~箱根宿 [7]~沼津宿 [8]~蒲原宿 [9] ~府中宿 [10]~島田宿



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