2022年6月30日木曜日

さんぽニスト、旧東海道をゆく。其の八

高所恐怖症持ちとして、最初に書いておきたい。

富士川橋長い富士川橋高い富士川橋風強い。
富士川怖いっ!!

いやマジで。かぶってた帽子を左手に握りしめ、首にかけてたタオルを右手に握りしめて、素晴らしい景色だとは思うけども途中で写真を撮ることもせず(できず)、ただ前を見て、向こう岸へ向こう岸へ。そもそも歩行者用の橋が独立してて、幅1.5メートルぐらいしかなくて、欄干に隙間がガッツリ空いてて・・・怖い要素満載ですから。心臓バクバク。はー、無事に渡れてよかった・・・。

渡りきった向こう岸から。

さて。というわけで、前回ゴールの沼津から、まずは遠州灘に沿うようにどーんと一本道。
朝から雲ひとつない快晴、背中から日射しが照り付けてくる――なのだけど、進行方向右、山側のほう「だけ」なぜか厚い雲に覆われてて・・・やな予感。

原宿のエリアに入るところでちょっとその一本道を外れて海岸へ。


千本松原の堤防に立つ。綺麗!だけど風つええ!!
海面には白波が立ってるし、人間も吹き飛ばされそうよ。綺麗だからとスマホで動画撮ってみても風の音がうるさすぎるし、パノラマ撮影しても腕ごとブレブレだし(笑)。まあスマホの限界ってことでご理解くださいませ。

東海道から千本松原のほうに向かいながら、ふと思い出したことが。今からン十年前、書籍の編集の仕事をしてたころ、よくこのあたりに出張校正に来てたなーと。そしたら千本街道に出たところがまさにその出張先の工場だった!!びっくりーーー!!
いやー懐かしい。この工場の片隅で徹夜したり、仮眠室で寝たり、食堂で刺身定食食べたり、印画紙抱えて三島駅からタクシーで来たなとかいろいろ思い出した。図書印刷沼津工場様、当時は大変お世話になりました。なので、警備の方に「おはようございます」とご挨拶しておきました(^^;

富士市に入り、間宿の柏原をすぎ、JR吉原駅に近づいてくると「元吉原」という地名が出てくる。後で知ったんだけど、次の吉原宿は何度か移転しているそうで、このJRの駅の付近が「元の宿場」だったんだそう。
そしてこのあたりから大きく右へ曲がり、今の吉原宿(最寄り駅は岳南電車の吉原本町)のほうに進んでいく。
ここまでの海岸近くの道ではそこここに「津波」「海抜」「避難」という看板やサインが目立つ。危機意識、大切ね。

そしてやって来ました名勝「左富士」。今回のさんぽで一番楽しみにしてたポイントなんだけど、「やな予感」が的中。


ホントに何も見えん。あっち側だけ雲雲雲。くっそー、いつかリベンジに来てやるからな、待ってろ富士山。当方「嵐を呼ぶ男」の異名を持っております。そういうとこやぞ。

そして吉原宿のエリアに入るんだけど、そのあたりに「平家越え」という橋がある。富士川の戦いで水鳥の飛び立つ音に驚いた平家が後退した、という逸話の場所(「鎌倉殿の13人」でも描かれましたな)なんだそうだけども・・・ホントにココなのかしらん? 少し疑ってますぜ。というぐらい小川なんだもん。


いかりや長介さんゆかりの吉原を過ぎ、富士市の中心地を後にしてさらに西へ。
それにしても、宿場と宿場の間でも民家が途切れるようなことはない。田園風景もほとんどない。さすが東海道、というところか。まあ扇状地だということも関係あるかな(と地図を見て気づく)

で冒頭に書いた富士川を渡る。
この後も大井川とか天竜川とか静岡怖い(T^T)

そして突如急激な上り坂!けっこうキツい。
と言っても山間部に入るという感じではなくて、高台の住宅地って感じだったなぁ(間宿岩渕付近)。

東海道新幹線をくぐり、東名高速を越えると静岡市清水区。そして一気に下り坂。その先には海が見える。あそこが蒲原宿!

蒲原宿は古い建物もしっかり残されてて、かなりフォトジェニック(笑)。
あと水力発電の管がなかなかの迫力。


さてとここで時計を確認。
晩御飯までには帰るって言ってきちゃったからな。今日はここまでにしよう。


片道3時間以上もかかるところでのさんぽ、本当は泊りがけで2日歩きたかったんだけど、突然思い立って「明日行こう」だと宿が取れなかった。でも前々から予定してて天気悪かったりするとイヤだしなぁ。困った困った。

今回の行程:沼津宿~原宿~吉原宿~蒲原宿。お昼ごはんは富士宮焼きそばか吉原の「つけナポリタン」をねらってたんだけど都合のいい店がなく。つけナポ、提供にお時間かかりますとか貼り紙されてたしね。というわけでケンタでチキンフィレサンド。新蒲原駅は売店すらない駅だったのでおみやげはなし。次回はなんとか桜えびを。
ここまでの行程:[1] 日本橋~川崎宿 [2]~保土ヶ谷宿 [3]~藤沢宿 [4]~二宮 [5]~箱根湯本 [6]~箱根宿 [7]~沼津宿 [8]~蒲原宿


2022年6月29日水曜日

アタッチメントは口腔内の夢を見るか。

『ときどき見る夢がある。

なんか、口の中に違和感を感じ、次の瞬間、歯が抜ける。
1本だけでなくって、次々に。
その数、およそ50本(笑)。
気がつけば、口の中から大量の歯があふれ出る・・・。
それを必死になって両手で押さえる・・・。』
2010年7月1日のブログ「口内不良」より引用

ここしばらくこの夢は見てなかったんですが、ゆうべ、これの新作がリリースされました。

抜けるのではなく「歯が割れる」
バラバラに砕けた歯らしきモノが口中にあふれる。それだけじゃない。金属や樹脂のパーツらしきモノも次々に。もしや、こ、これは入れ歯!!

リアルで入れ歯が入っている左上の奥歯のところから、次々に湧き出すように歯や金具が!
最後にはなんだかよくわからない巨大な金属プレートまで口から出てきた!!(笑)

慌てて(?)がばっと起き出して、口の中に指を突っ込んで、「うん、ちゃんと寝る前に洗面所で外したよな」と確認して、再びおやすみなさい(^^;


以前のパターンの夢が差し歯が取れる不安が元になってるのだとするならば、今回の新作は入れ歯に対する不安なのかな。すっかり慣れ親しんだつもりでいるのだけれど、考えてみれば部分入れ歯を作ってからまだ半年も経ってないんだよな。

やっぱり気になってたのかもな~。

あ、先生の言いつけを守ってちゃんと寝るときは毎晩外してますよ。たとえどんなに酔っぱらっていようとも。


2022年6月28日火曜日

これもひとつのイヤミスの形か。

どういう経緯で「読んでみたい本リスト」に入れたかは覚えてないんだけど(もちろんどういう話かも知らなかった)、そのリストに入っていた浜口倫太郎「私をコ口さないで」を読む。例によってあまり自分のブログに残したくない漢字は別の字に置き換えてます。

元IT企業の社長で現在はその立場を追われて無職の主人公・宗近。

『彼女は、ITがなんの略称かも知らないだろう。イカかタコとでも思っているのだろうか? でもイカやタコが億万長者ならば、彼女は気にせず付き合うのだろう。』

傷心のまま戻った故郷で旧友であり地元で獣医として活躍する俊平と再会する。
そして彼らの周囲でペットに関係する「いやな」事件が次々に起こり、やがてそれは最悪の事態へと転がっていく、というような感じの話。


最近テレビでペット関係、特に保護猫とか保護犬なんかが出てくる番組をよく見てる。多頭崩壊とかね。だからこういうストーリーは余計に胸が痛い。
そういう話だと知ってたらこの本は手に取らなかったかも、とさえ。

『「六十匹! そんなに産むんですか?」』

物語が進むにつれ、いわゆる“衝撃の展開”がどんどん巻き起こってくるのだけど、それがあまり僕にとって衝撃ではなくて、エキセントリックではあるけどどこかで「うん、そうだろうね」みたいな気分になってしまった。

ま、簡単に言うと先の展開が読めてしまったわけさ。
そしてタイトルの「意味」も。

おもしろくなかったと言うつもりはないし、サイコサスペンス的な要素も悪くないと思ったけど、動物、ペットに対して胸が痛くなる設定も含めてあまり楽しめなかったような気もする。何より「動機」というやつがね・・・。

なんとも読後感の難しい一冊でした。

『遅い。まだか。心の叫びが実際の声となる速度が、宗近にはもどかしかった。』



2022年6月27日月曜日

10番の左足からの歓喜。

前節の快勝があって中3日。その勢いをつなげるためか同じメンバーで臨んだミッドウィークの天皇杯。その「天皇杯ショック」から、同じく中3日でチームがどこまで回復できているのか。1週間前からの継続性はどうなのか。そのあたりが注目のアウェイゲーム。


開始20秒。相手DFからプレゼントされたビッグチャンスを、ユンカーがゴールポストに当ててしまう。ゴールはならなかったけど、ストライカーがちゃんと最前線に戻ってきたことを喜んだ・・・のも束の間、このプレー(?)で痛めてしまったユンカーは早々に交代。また「ゴール前のクオリティ」が試される構成になってしまった。
圧倒的な武器であることは間違いないのだけど、ユンカーのこの稼働率の低さはつらいなぁ。

一方神戸もある程度ボールを握りながら攻めて来るので、結果的に大久保・松尾の両SHにとってはスペースもあったし可能性の感じるシーンはいくつか作れたかなと(可能性が「結果」になってないのが今シーズンの最大の問題なのだけど)。
あちこちに顔出すイニエスタはやっかいだったけど、最終的には汰木の仕掛け以外に手段を持たない神戸の攻撃は、そんなに怖くなかった。うん、それ知ってる、みたいな感じで。

迎えた後半。酒井復帰でより流れを確かなものに。そして70分、勝負をかけたモーベルグ投入。
大畑→もうやんの交代って、明本がいるからこそ。ありがたや。今日はRSH→CF→LSH→LSB→CF→LWBだったかしら。もはや「謎」。


「もーやーーーーん!!」(ぎゃー)
なんでそんなに落ちるの!?どうやってそんな縦回転かけてんの!?

快勝とは言い難いけど、こういう「悪くない」展開で、これまで勝点を取り切れなかったのが今シーズン。それが10番の左足一閃、終了間際のゴールで3ポイントを取り切れたこと。今季初の連勝。

喜ぶ以外ないじゃないですか!

・・・ただもし勝ててなかったら、僕の矛先は主審にも向いてた気がするぞ。足裏キックを事実上のお咎めなしにしたやつとか、カウンター途中で笛鳴らしたやつとか、酒井激おこシーンとか。


2022年6月24日金曜日

アマプラでスパイ一家に出会う。

井上尚弥の3団体統一戦を見るため「だけ」に、アマプラを契約しました。といっても初回無料体験なんすけど(^^;
ちなみに前回村田諒太のタイトルマッチのときは、息子1号のアカウントの無料期間を利用しました(^^;

無料期間が終わる前には解約することになると思うのですが、“もったいない”ので何か見ようかなと・・・そしたら出会ってしまいました。

SPY×FAMILY

非常に人気のあるマンガとは聞いていました。この春から地上波でアニメ放送があることも知ってました。そしてたまたまテレビから流れてきたときはもう第6話とかで、話がよくわかりませんでした(^^;

で、1話から見てるんですよ・・・・おもしろいっ!!
設定からストーリーから絵柄から、とにもかくにも楽しいったらないです。

ただ残りの無料期間に現在の地上波放送のところまで追いつくかどうか。かなり頑張んないとならん。HDDには映画も溜まってるしなぁ。時間が欲しい。


ちなみにアマプラですけど、この秋の「仮面ライダーBLACK SUN」の配信のときにはまた契約することになるんだろうなぁ。いよいよ有料だなぁ(笑)。


2022年6月23日木曜日

【ら~めん】青麦@大森海岸

超人気店「Homemade Ramen 麦苗」。袋麺は食べたりもしたけど(ちょい期待外れ)、リアル店舗で食べるのは相当にハードルが高い。朝イチに整理券もらいに行くぐらいならほかに行きたいお店もあるし。
なんてことを考えてたら近隣に姉妹店があることを知る。姉妹店なら混雑はどうだろう、と「Homemade Ramen 青麦」に行ってみました。

休日のランチタイム、なんと幸運にもカウンター1席空いてました!


券売機でポチっとしたのはお目当ての「らあめん清濁」(900円也)。
なんでも『動物、魚介、野菜等を長時間煮込みます』とのことで、こってりとあっさりの間=こっさり、らしい。

食券を渡して洒落たバーのような店内をきょろきょろしながら待ってるとやってきました「清濁」。おお!いい感じ!!写真はインスタに上げました→コチラ

いただきまーす。まずはスープから。
おっ。旨味がドンとやってくる。塩分とかの濃さではなく、圧倒的に旨味の濃さ
だからこってり。しかも後味は軽い。だからあっさり。つまり「こっさり」。なるほど~。

ん、この甘味はなんだろう。野菜なのかな?
ベジポタみたいなわずかなとろみも感じる。
実にバランス絶妙のこっさりスープ!おいしい!

続いて少し太めのストレートな麺を。
うわ!すごいなこの「ツルもち」感!しかもしっかり味を感じる。ツルツルなのにスープもよく絡む。

ガツガツズルズル行きたい気持ちを押さえて、少ない本数を持ち上げて、唇でツルツルもちもちを味わう。続いてゆっくりともぐもぐもぐ。こりゃ最高!

じっくり食べてたら、なんとタイミングよく麺とスープがほぼ同時になくなるというめったにない体験。いや~ごちそうさまでした。
スープをぐいぐい飲んだこと。麺を少しずつすすったこと。で麺がスープをしっかりと持ち上げてくれること、などが要因かと。

あ、そうそう。具材ひとつひとつも丁寧にかついいバランスでした(^^;

「美味しかったですー」

帰り際、そりゃ言っちゃうよね。うん。今度は「清澄(せいちょう)」だな。

・・・ちょっと文章が支離滅裂なんですが興奮の度合いとご理解ください。ぺこり。

京浜急行大森海岸駅改札を出て、そのまままっすぐ線路下を南下。300メートルほど先の八幡通りを右折、200メートル強の右側、信号の向こう側角。幼稚園の先。
JR大森駅からだと東口のアーケードミルパをずーっとまっすぐ。


2022年6月22日水曜日

桜のつぼみ。

何がいやって、あの熱狂のラグビーワールドカップ、ついこの間だという気がするのに、もう次の大会が来年だとか。光陰いやぁねぇ。
そうか、矢のごとく流れて行った時間はすべてコロナ禍・・・。


というわけでいよいよ我らがジャパンの強化、そして代表選考が本格化してくるタイミングでのテストマッチ4連戦。
世界との距離を測り乗り越えていきたいという意味では、7月のフランス代表2連戦がメインイベントなんでしょうけど、底上げという意味ではNDS(National Development Squad)で挑んだウルグアイとの1戦目は重要な意味を持っていたんじゃないかと思います。

結果は5トライで34-15
素晴らしい出来とはちょっと言い切れないかな。「うん、このぐらいはやってくれないとね」という感じかな。

一方でNDSでもここまでやれるというのは、層が厚くなったねぇという感慨もある。着実に強化は進んでいるのです。

NDSとはいえ、ファンデンヴァルトやラファエレ、田村あたりのキャリアのある選手はやはり別格でした。計算できるというか。田村のキックがちと不安定だった。

その中で、やはり期待のWTB根塚!リーグワンの新人王ね。
だって福岡の後継ってのは大きな課題だと思うし(シロート的にはそう思う)。
トライはもとより守備面の貢献が高かった。これは期待できそうですよ。

今の時点では結果より内容。そして選手個々の成長。そう思います。2023年に満開になるために。

次の「代表本体」が登場する第2戦も楽しみです。
あれ?国立のフランス戦チケット余ってるみたいだな。


2022年6月21日火曜日

判定ザ・マッチ。

ビッグマッチだとは思ってたけど、PPVに金払うほどじゃないな、と結果だけチェックしてた天心VS武尊の「THE MATCH」。翌日にはもう無料配信があるってことで見てみました。横目で月9の最終回も見つつ(^^;

武尊って「上手い」タイプではまったくないとは思うけど、ここまで技術レベルに差があるとは。というか武尊体調悪かったんじゃないのと心配するぐらい、天心の圧倒的勝利だった。
天心の「当て勘」ってのかな、やっぱりすごかった。

のだけども。

2Rで武尊10-9のジャッジがあったことに驚く。前に出ればそれでOKなの?と。
この超絶微妙な1ポイントが2R・3Rと続けば、1Rのダウンはなかったことになってしまう。

マストシステムじゃないから差がつきにくいのは確かだろうけど、まさか逆とはね。

判定って怖いねぇ。
難しいのはわかるけど、視聴者の持つ印象とあまりに乖離した「プロ」の判定は競技そのものの魅力を下げかねないからね。


ちなみにマイジャッジは天心30-26です。


2022年6月20日月曜日

私の好きな映画です。

確かに「もう1回見に来ちゃうかもなぁ」って書きましたよ。
でもほんとに来ちゃうとは。

「シン・ウルトラマン」

同じ作品を劇場で2回鑑賞するというのは、長い人生の中で初のこと。
世の中には3度4度と繰り返す方もいらっしゃるそうですが、すごいことだなぁと思います。本当に。

ストーリーも知ってるし、仕掛けられたサプライズにも驚くことはないけれど、2回目ならではの発見とか、少しずつ知らされている「ネタ」を確認したりとかと、思ってた以上に楽しかったよ。
人生最高の名作とは言い切れないけども、本当に大好きな1本です。

来場特典でメフィラスの名刺もらいました(笑)

ちょっと引用。
『君を支えるスペシウムエネルギーはプランクブレーンからの非コンパクト体の負荷と同時に、他生命体との融合情報を維持する状態では急激に消耗する。
ネゲントロピーを利用した私と違って、活動制限時間はかなり短いはずだ。
それまでに私を倒せるか? ウルトラマン!』


2022年6月19日日曜日

待ちこがれた勝利。

「お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません。」なんて声が聞こえてくるとかこないとか。本当に待ちこがれてたよ(笑)。

○浦和 3-0 名古屋

内容が悪かったわけではないと思ってはいたし、この中断期間で最後の精度と共通認識を上げてきたというコメントも読んだけども、それでもここまでの結果が結果だっただけに、試合始まるまでは不安だった。いきなり大ピンチもあったし。

それだけにずっと惜しいシーンすら生まれなかったセットプレーで先制できたことは、チームにとって大きかったな。もちろん僕にとっても。


ひとつの先制点は落ち着きをもたらし、そして自分たちの積み上げてきたものの自信につながり、結果が出ていなかったことへの焦りを消し去り、より積極的にゲームに臨むことができたんじゃないだろうか。
大久保と宮本の若い2人にそれを色濃く見た気がします。

そしてその自信が結実したのが3点目のシーン。
たとえば大久保のドリブル。たとえば伊藤の前線への関与。たとえば関根のシュート。
どれもこれまでだと焦ってあわてて、そしてためいき・・・そんなシーンが容易に想像できちゃう。勝ててないとこういう悪いことばっかり考えちゃう。心の重し、とでも言うのかな。
そんな積もり積もった澱を吹き飛ばす最高のゴールだった。
もちろん何もしない相手DFのことも割り引かなきゃならないだろうけどね。


シーズン後半の反攻への希望の光となったゲームになった――とシーズン最後に言うためのきっかけになれば本当にうれしい。

ってか、勝った翌日って心穏やかなんだねぇ。忘れてたよ(^^;


2022年6月17日金曜日

ヘルメット直したで。

ブーツ買うたで。」に続く、来シーズンのスキー復帰に向けた準備の第2弾や。

愛用のヘルメット、色も形もお気に入りなので、新しく買うなんて選択肢はもともとなかったんですけどね、実は2つあるゴーグルストッパーがの片方が破損してるんですわ。すげえ困ってるわけでもないけれど、やっぱりちょっと使いにくかったりもしてて。

ということでSWANSのカスタマーセンターにメールしたんですね。

まあ対応早い早い。すぐに返信があって『パーツの販売はできないけど、本体ごと送ってくれれば交換するよ。でももう同じパーツがないんで、元とは違うストッパーになるけどいい?』・・・みたいな。

プラスチックパーツだから劣化も考えれば当然2個とも交換やな。
ってことでメールの翌日には宅急便を手配して、翌々日にカスタマーセンターに届いて、中1日。もう戻ってきましたよ。対応早い早い。
しかもシステムから事務的に送られるメールじゃなくて、ちゃんとやり取りに対して返信の形で「発送しました」のメールくれるていねいさ。

直ったで~!

前よりも頑丈そうなストッパーで何より。ゴーグルストッパー、1つ550円(税込)。2つで1,100円。手数料なし。送料込み。
ビバ山本光学!!ビバ国内メーカー!!これからもついていきます!(笑)

お守り(野沢温泉湯澤神社のスキー安全御守)も貼ってあるし、大切に使っていきます。

・・・でな。スキー板欲しなってきたで。いやマジで。でもな、お小遣い足らんがな。


2022年6月16日木曜日

楽園の真下。

荻原浩「楽園の真下」を読了。

体調17センチのカマキリが見つかったというニュースが流れ、ライターの藤間は取材のため志手島へ渡る。定期便が1週間に1往復しかない絶海の孤島では、ここ数年不審死が相次いでおり、藤間はその調査もしようと考えていたのだが――。


頭の中に映像が浮かぶという意味では実に映画的なのかもしれない。
世をはかなんでいる貧乏ライターと若き女性研究者という組み合わせもどっかで見たような取り合わせだし。
荻原作品では「誘拐ラプソディー」でも映画的だと僕は感想を書いている。スタイルというか特徴なんだろうな。

生物がでっかくなっちゃったってのは、映画とかだとおおかたB級モノで、ケラケラ笑いながら見られるんだけど、小説だと脳内でいろいろ補完しちゃってダメね。グロいわ。
昼飯食いながらの読書とかできんよ。やってるけど。

だってそこらのB級映画では描ききれないであろうディテール。心理。
おまけに脳内ならばVFX自由自在(笑)。

そんなわけでけっこう「気持ちわりぃ」なんだけど、それでも吸い寄せられてしまう魅力がある。まるで明かりに群がる虫だな(^^;

途中「擬音、すごいな」と気づく。
カタカナで『ギ』と書かれていても、その音は読者の中であらゆる音に変換される。

『ギ ギ』『ゴゴ ゴ』

なんだよその空白!!怖いよぉ!!
これぞ映画を超える小説の真骨頂だ、なんて思ったな。

・・
・・・

ラストまで読み切って、ようやく「楽園の真下」の意味がわかります。
確かに今私たちが生きているこの場所は、ヒトにとっての楽園なのかもしれない。でもその真下では・・・。ぞわぞわ。

エンディングの余韻というか引きというのか、そこも実に映画的。でも決してB級ではない、エンターテインメントなスリラーでした。

・・・グロいけどね(^^;


2022年6月15日水曜日

2002年6月14日。


あれから20年か。
日本中が熱狂の日々だった「2002 FIFA World Cup Korea/Japan」。そのグループリーグ第3戦、対チュニジア。くしくも20年後の同じ日に、同じ大阪で同じ相手との対戦になった。

20年前って僕はまだこの「外部記憶」という名のブログを書いてなかったから、少し自力で思い出してみようかな。

あれは13日の夜だったと思う。大会のチケット販売を一手に握っていたバイロム社で働いていた先輩から電話があって、「明日の日本戦のチケット1枚あるけど、行く?」と。

「行きます。」

そんなん即決即答に決まってる。
翌朝一番に東京国際フォーラムにあったチケッティングセンターでチケットを受け取り(もちろん有料よ)、そのまま新幹線に乗った。
新幹線の車内から職場にメールをして「休みます」と伝えた記憶がある。ど平日だったんだもん。もう新幹線だししょうがないよね(てへ)。友人にも自慢げにメールを送ったはずだ。
当時の携帯からキャリアメールは送れたのだと記憶している。

長居スタジアムに着いて、チケット見ながら自席を探すと「ここは日本か?」――。
そう、最後に余ってた1枚はチュニジア(の、おそらくお偉いさん)向けに用意されていたメインスタンドの席。周囲はほぼ日本語通じない状況だし、スーツ着てる人ばかりだし、何よりも完全アウェイ(笑)。

試合はモリシとヒデのゴールで快勝。決勝トーナメント進出を決めた。
まわりの皆さん、ひとりで盛り上がっちゃってごめんなさいね。おほほ。

TUN 0-2 JPN

試合後はどうやって帰ったんだろう。
同じ試合をガールフレンドと見に来てるはずの別の先輩に合流できないかメールしたのは覚えてるんだけど、確か返信なかったんだよな(そりゃそうか)だから特に何もなくまっすぐ帰ったんだろうな。だから思い出は以上(^^;

(2022/06/18追記)
友人からご指摘いただきまして、試合後のことを思いだしたり。その友人(6.14がお誕生日でした)もこの試合を現場で見てて、合流→居酒屋→チュニジアサポと絡み、という流れだったことを思い出しました。忘れててホントごめんなさいm(_ _)m

*  *  *

この大会は全部で5試合、現地で観戦できた。ホント幸運だったよね。

[1]6月4日 GroupH #1 JPN 2-2 BEL
午後半休取って埼玉スタジアムでの日本代表初戦。これ、大会スポンサーのジレット様のキャンペーンで当選したんだよね。なんという幸運。ちなみに座席周囲のサポーターはみな男性だった。だってヒゲ剃り(笑)。以来僕はヒゲ剃りはずっとジレット様を愛用。

[2]6月5日 GroupE #2 GER 1-1 IRE
この試合だけは事前の申し込みで普通にチケット取れてた。2日続けて休んで大丈夫だったんだろうか俺。息子1号はどなたに預かっていただいてたんだろう(覚えてない)。
カシマの国までは当時の愛車ミラージュエボゴン偽)で行った。とにかくアイルランドの折れない心に感動してしまったのです。完全に心奪われました。ロビー・キーン!ダミアン・ダフ!

[3]6月11日 GroupE #3 KSA 0-3 IRE
当時の弱々しいネット環境で、チケットサイトが「ミカンになった」「メロンになった」と大騒ぎしてたのを思い出す(場合によっては韓国まで見に行くことまで考えてた)。そしてなんとか追加で取れたのがこのゲーム。先日の試合でファンになったアイルランドにまた会える喜び。同僚と新横浜に行って、そしてアイルランドサポーターの大酒飲みっぷりを初めて目の当たりにしたのがこの試合。後にRWCでもアイルランド戦を見る。これもまた縁。
新横浜の露店でバッタもんのアイルランドユニ買った。3000円ぐらいだったと思う。

[5]6月24日 SemiFinal BRA 1-0 TUR
チュニジア戦のチケットを手配していただいた先輩を、埼玉スタジアムにご案内する、という名目でご相伴に預かりまして。イルハン王子も出てたよ(笑)。
結果的に決勝戦を戦うドイツとブラジルの両方の試合を見たんだねぇ・・・すごい。


この2002年大会から僕の日本代表熱は少しずつ下降していくことになる。1998フランス大会や2000シドニー五輪のころはそこそこのモンだったのにね(^^;

でも今もちゃんと追ってますよ。2022年6月14日のキリンカップのチュニジア戦もちゃんと見てますしね。


現代表については気が向いたらブログに書きます。気が向いたら。


2022年6月14日火曜日

オールドボーイズ in 町中華。

前日のつづき)

・・・それにしても。

「日常」とか「元の」とか言うけども、やっぱり2年半って時間は戻ってこないわけです。残念ながら。

そして人は確実に齢を重ねます。

結果として今回の集まりがすっかり「還暦の会」になってたことは事実として認めなきゃいけません(^^;

なので・・・・Tシャツ作ったぜ!!(唐突)


今年の夏は積極的にアピールしていくぜ!(何を?)
ちなみにマイ誕生日はまだ先ですけど。

もちろん「赤」も作ったよ。基本的には同じデザインだけど、ちょっとだけ赤のほうが凝ってるかな。
何しろ赤は60歳のファーストユニフォームですから(^^;

そっちのご紹介はまた後日(なぜ引っ張る?)

・・
・・・

あ、このデザインのTシャツ欲しい人います?作るよ?
(o´(エ)` o).oO(・・・「いらん」の大合唱が聴こえる)


テーマは“Old Boys in RED.”、数字はJリーグ統一フォントっぽいのを書き起こしました。
ホントはレッズのユニにオリジナルナンバー&ネームで作りたかったの。


2022年6月13日月曜日

町中華で飲ろうぜ。

飲ろうぜ、じゃなくて“飲ってきた”です(^^;

いつものメンバーが、いつもように、空白の2年半を経てようやく集まれました。
これでまたひとつ、失いかけていた大切なものを手の中に取り戻せたような、そんな気分です。
もちろん「まだ」という判断をした人もいたし、それは十分に理解するし当然のこととも思います。

でも自分の中で思い続けている「もういいかな」という気持ちを、さらに一歩前に進めてくれた時間でした。
誰に言うでもないけれど、“ありがとう”と思います。


中華で飲むと、品数をなかなか頼めないのですが、仲間が集まればそこはもう。
定番メニューからお店のスペシャルまで飲食ともに堪能しました。
二次会やるなんてものいつ以来?

そしてまだまだ明るいうちに散会。完璧じゃないですか。
昼間なのにこんなにネタが下に寄ってていいんか、という話はまあ別にして(大笑)。

ついでにJ1リーグのない日を選んでくれてありがとう(たぶん偶然)。

・・・それにしても。


2022年6月10日金曜日

だが断る。

またどこかから削除しろなんて言われちゃうと困っちゃうからふわ~って書く。書けるかな??

*  *  *

そもそもの立ち位置の違う相手、見てるものの違う相手からコンセンサスを得るなんてのは至難の業。だって立ち位置違うんだよ。土俵が違うんだもん。

合意どころか、体育館裏――というと言い過ぎか。思いのほか相手は少なかったからな――に呼び出された挙句にその相手をこちらの意見に同意させなきゃならない。仕事でもやりたくないわ(^^;
ホント、気が重かった。

でも今回は守らなきゃならないものがあるから。

想定問答を頭の中で準備し、あくまで「理」をもって、努めて冷静に――。

だってこちとらそうそう気が長いほうじゃないのよ。むしろ理の通じない人にはキレ散らかす可能性だってある。そうなると交渉はアウト。だから努めて冷静に。

結果、理詰めという対応は正解だった。時間はかかったけど論破することができたと思うから。少しばかり泣き落としや切り札もちらつかせながら。
そしてその喜ばしい結果を報告できるなんて、ホントよかったなあとしみじみ思う。


ただ唯一、最終的に安堵感からか少し気を抜いてしまったかな。余計なことまで言ってしまったような気がするが・・・まあ覚えてない。

まあ昔からショッカーはワルモノと相場が決まってるのでね。これで十分だ。


2022年6月9日木曜日

ブーツ買うたで。

タイトル、なんで関西弁で書いたんかようわかりまへんが、とにかくでんな、スキーブーツ、買いましたで。

前回購入したブーツはいわゆるレース用で、そのときのブログで僕は『左右は敏感で好み』『シェルはこれまでより固い』と書いてます。

・・・若かったねぇ(遠い目)。

その間、3年に1回は滑らないシーズンを過ごし(2020-21、21-22は2シーズン続けて滑らなかった)、アルペンレースへの出場は辞めてしまい、そしていざゲレンデに出ると「自分はヘタクソ」と認めるに至った。

だからカッコつけて最上位モデルを買う必要はない。身の丈身の丈
さらに少ないお小遣いから新調するわけだからニューモデルである必要はない。現実現実

というわけで市中在庫を求めて神田の街へ。

何せ13年ぶりの新調。前のブーツ、劣化で割れなくてよかった・・・。
トレンドもわかってなかったし最新機能も説明してもらわないと知らなかった。
いろいろ説明を受けて、「これいいなぁ」となんとなく思ったいつものメーカーのもの――基本的に同じブランドを使い続けたいというこだわりがあるの――が、実はよろしくない(ソールがGRIP WALKだった)ことが判明し、いろいろ考えてン十年ぶりにメーカーを変えることにした。

僕のもうひとつのこだわりは「日本製がいい」ということ。だって日本人ですもん。


というわけで、REXXAM R-EVO 110M(2021-2022モデル)にしました。
フレックスは130から110に、ラストも狭いものから余裕のあるものに(店で履いた感じだと「AUTO FIT」機能が予想以上に良さそうで、ルーズな感じはない)。これが今の選択です。身の丈身の丈(笑)
これでビンディングを除いて手持ちのすべての用具が日本メーカーのものになりました!TEAM JAPANです(笑)。
OGASAKA/REXXAM/SWANS/DESCENTE/CW-X

なんや、ワクワクしてきたでー。

そしてこれはすなわち、2022-23シーズンは雪山に戻るぜ!という宣言でもあります。何せ2シーズン空いちゃったからね、なにがしか自分の中で「きっかけ動作」をしないとこのままフェードアウトしてしまってもおかしくないからさ。

来シーズン、みんなよろしくねー。

・・
・・・

さて、次の準備はパーツが破損してるヘルメットの修理であります(新しいのは買わないよ)
スタッドレスタイヤ用のホイールは、気に入ったの見つけちゃった。あとは手配の問題だけ。

あかん、板もウェアも欲しなってきてもうたわ。


2022年6月8日水曜日

モンスター、第二章。~粉砕~

僕が第一章の最後と呼んだWBSS決勝で戦った“閃光”が、再び強大な力を得て立ちふさがる。彼の持つ緑のベルトはチャンピオンの証ではなく、この場に立つためのパスポート。
“怪物”の第二章にふさわしい一戦――。


ゴングの2時間も前からアマプラの配信を流して、ひとりで勝手に緊張して。

そして実際、ドネアの状態は良さそうだった。フットワークは軽く速く、カウンターは威力がありそうで、「圧倒する」と宣言していた井上でも苦労するんじゃないか、そんな1Rだった・・・・のは2分半。

唐突な右ストレートがテンプルを射抜く。立ち上がっても何が起こったのか理解できてない様子のドネア。あと10秒残ってたら1Rで終わってたかもと。
リプレイで見ると、左ジャブのフェイントに対して防御しながら右のカウンターを合わせようと動き出したドネアより、後から動き出したのに先にしかも正確に打ち抜いてる。なんておろそしい子。


2Rは基本どおりに。ジャブ、ワンツー。ワンツーに追加のスリーの左フック。
昔、井上がドネアを教科書にしてたという話もあるけれど、これぞ教科書だと思った。もう試合が終わることに驚きはなかった。
閃光が輝く時間も与えず。


WBSS決勝のあと、僕は『「井上尚弥」をリアルタイムで体験できる喜びったらない。』と書いた。今改めてそれを実感している。
4団体統一か、次の階級か。そしてPFP1位か。モンスターの第二章はどこにつながっていくのかわからない。けど、まだまだお楽しみはこれから。あーサイコーだー!!

ひと晩経っても興奮が収まらん(^^;


しばらく映画を楽しんだら、アマプラの解約、忘れずにやらないとな(^^;



2022年6月7日火曜日

劇的改善。

いや、“劇的”ってのはあくまで自分的感想ですけどね。

健康診断で指摘を受けた件についての通院2回目。
1回目の話は→コチラ

血液検査して、結果待って、ドクターとその数値を確認する。
劇的かどうかは別としても、すべての数値が改善。というかノーマル数値になってるのもあるじゃないのよ(喜)。逆に言うとまだノーマルには遠い数値も残ってます。

これは約20日間の僕の努力、ではなく薬の賜物。ちゃんと効果が出てドクターも安心したみたい。

『ただ油断しちゃだめですよ。止めたら戻りますから』

診察という名の説教は忘れない(^^;

次回は4週間後(改善傾向なので間が開けられた)。


新しいメディカルモールの薬局は超混雑。手際の問題もあるんだろうけど、モールに小児科が入ってるのが大きいのかもな。1患者に対して来店数が2以上になるからね。


2022年6月6日月曜日

レディ・ジョーカー。

なんとなくガッツリとした小説が読みたくなったときにふと目に留まったのが、高村薫「レディ・ジョーカー」でした。
上中下巻で各約500ページ。内容も含めて確かにガッツリでした。

舞台は1990年代前半、東京。
誘拐事件に端を発した、品川に本社を構える「日の出ビール」に対する企業 恐喝 テロ。事件の矢面に立つ経営陣、その周囲にうごめく影。犯人を追う警察、そしてマスコミ。それぞれの思惑。
そして犯人グループの意図、動機、さらには過去の因縁――。


登場人物はものすごく多い。多いのだけれども個々にその心情をていねいに、これでもかと重々しくずっしりと描く。なのでそう混乱することはないし、だからこそ物語の中に吸い込まれるようにして佇む読者としての自分もいるだけれど。
何せ冒頭の200ページ(!)は、ほぼ犯人グループの人物紹介だけですからね。

さらに90年代という時代の空気だけじゃなく、僕には物語の現場となる「場所のリアル」もある。これは幸運だったかもしれないな。
蒲田、大森山王、八潮、大井、平和島。第一京浜、産業道路。大森警察署、ファミリーレストラン・・・。よーく知ってますとも(^^;
事件(物語)に直接関係すること以外は実在の場所や組織。慶應義塾大学とかな。それもまたフィクションの中のリアリティ。

本筋ではないのですが、日の出ビール社長のモノローグで印象に残った言葉をちょっと引用。『節約、小型化、簡素、個人主義などのキーワードでくくられるだろう市民の心理は、物質的豊かさを諦めて精神的充実へ向かい、社会に〈潔癖〉さを求めてくる』
うわ!〈潔癖〉を求めるってまさにこれ今じゃん!と驚きました。ちなみに本書刊行は1997年。予言。

さて中盤まで読み進めると、物語の中から犯人グループの影が消える。事件が起こったのだから警察・マスコミ目線ならばあたりまえ、という気もするのだけれど、人物像を細かに刷り込まれてただけに、かえって心配?不安?な気持ちになる。
特にシンパシーなんて覚えたつもりはないんだけどね。

そして。

下巻に入って再びその姿が見えてくる、それはすなわち事件の結末が近いということ。
細かくは書かないけど、何かが崩れていく、露見し始めてしまう。
いや、犯罪だからな、表現としては「明るみに出てくる」なんだだろうけど。
いやだから犯人グループにシンパシーなんて感じてないってば(^^;

全編に漂ってたのはカネの匂い。身代金も万馬券も。バブル後の重い時代。思い出したくないつらさ。つらいわ~。

と、同時にカネだけではなく感じる「生」の存在。命の話。ぞわぞわぞわ。
ひとつひとつのシーンがざわざわぞわぞわするし、「そういう着地」になりそうなイヤな感じも徐々に大きくなってきて。

しっかりと読んできた本の残りが少なくなってしまった事実とないまぜになって、なんだから心の落ち着かない最終盤なのでした。

それだけ物語に入り込めてたということでしょう。すなわち、クライマックスまでとても楽しませてもらいました。

*  *  *

『「新聞は何を脱線してるのかと言いたい!」』

うん、一課長のおっしゃるとおり。

『・・いろいろなものを失っていくのは仕方ないにしても、失ったあとを埋め合わせるものがないのが老いだ。』

お、おう・・・。


2022年6月3日金曜日

さんぽニストチャレンジ。~山手線一周の巻~

自らを「さんぽニスト」と名乗ってるのは、やってるコトはあくまで散歩であってウォーキングみたいなことじゃないよ、という気持ちがあるからです。
だからどこを歩いた・どこに行った、何を見たか・感じたかといった体験こそが大切で、歩数(一応スマホにアプリは入ってますが)や距離や時間や、さらには健康云々なんてあまり気にしてはいないのが正直なところです。

それでも街道さんぽなどをしていると実際にどこまで行けるのかを知っておくこと――今後たとえば東海道を先に進むようなことがあるとゴールの設定は意外と重要になる気がしています。

そこで今回、いったいどのぐらい歩けるのか、「さんぽニストチャレンジ」と銘打って(ネーミングほど大層な話じゃないけど)、山手線一周を歩いてみようと思い立ちました。
たとえ「今日はここまで=限界」をどこで感じたにせよ帰宅に問題が出ることはないし、休憩・補給に困ることもない。自分を試すのは絶好のルートじゃないかと。


線路の外側を歩いたほうがより「一周した」感じになるかなとは思いますが、場所によっては線路から遠く離れてしまうところもあったりするので、あまり外と内にはこだわらずにできるだけ線路に近いところを歩きましょう。
チャレンジとは言いつつも、いつものようにキョロキョロしながら周囲を楽しむことは忘れないように。もちろん交通ルールは守って。

以下その思い出をかいつまんで。


自宅からアクセスのいい五反田駅前からスタート。

「外回り」を選んだのは特に理由はないけど、渋谷・新宿は朝のうちに通過してしまいたい気持ちがなんとなくありましてね(^^;
でも早朝の渋谷は、たくさんの人がまだ「前の夜」でしたよ。その姿を特に眉をひそめることもなく意外と微笑ましい気持ちで見ることができました。だって戻ってきた「日常」の姿ですもの。
酔っ払いとスニーカー店の前に並ぶ若者が同居する渋谷・原宿の街。

新宿駅を過ぎ、職安通りを渡ると突然外国語の看板だらけに。そうかここが新大久保――。
この街はちゃんと来たことないんだよね。全力営業中の飲み屋から聞こえてくるのは韓国語かな。ちょっと早足になりますー(^^;

高田馬場のホームから流れてくる発車メロディーは「鉄腕アトム」。それから約1時間は頭の中をぐるぐるするはめに(笑)。「♪あとぉぉむ~~」

Google先生の指示通りに歩いていると、池袋駅前のビル(ルミネ)の中へ。まあ普通に通路になってるから当然なのかもしれないけど、ただ通過する身としてはちょっと不思議な感じ。
ちなみに今回の一周で駅構内に入ったのは、池袋、秋葉原、新橋、浜松町、田町の5駅。特に浜松町は貿易センタービルの工事に伴って最短ルートを行こうとしたら結局途中で途切れてて、いったん3階モノレール改札まで上がって、それからJRの南改札にひとつ下りて、貿易センタービル南館に入って、外階段で地上に出るという複雑ルートを歩きました(地図には緑のラインを雑に引いてます)

池袋駅の先で山手線はぐいっと右に回り込むんですが、道路も「池袋大橋」で埼京線や東武線を越えながら曲がります。歩行者専用の歩道橋を進むんですけど、あまりにも大きな橋なので、その歩道橋がとにかく複雑怪奇な構造になってて・・・下りるとこ間違えました(涙)。

でその先の堀之内橋という信号のところでちょうど山手線が真下を直線的に大塚駅のほうに向かうところがあるんですが、驚いたのはその線路のまっすぐ先に東京スカイツリーがどーんと見えたこと。あまりに大きく見えたもんだから「いや、そんなに近くないから」と脳内でわざわざ訂正したほど(^^;
こんな場所あるんだね~。


大塚でさくらトラムこと都電荒川線を堪能(?)して、巣鴨、駒込と個人的にはあまり土地勘のない住宅街を進む。桜並木から差し込む木漏れ日が気持ちいい。

駒込を過ぎ、山手線に唯一残る第二中里踏切を渡る。この踏切は廃止になる話もあるようで、ちゃんと自分の足で渡ることができて、なんかうれしかったかも。
JRの車両基地を構える田端で鉄分補給(笑)。
考えてみたら、この一周でいろいろな電車や路線をくぐったり越えたり見かけたり、鉄道好きとしても楽しかったな。
順番に湘南新宿ライン、小田急線、西武新宿線、西武池袋線、東武東上線、埼京線、さくらトラム、東北・上越・北陸新幹線、上野東京ライン、日暮里・舎人ライナー、京成本線、常磐線、総武線、東海道線、東海道新幹線、ゆりかもめ、東京モノレール、京急本線、横須賀線、りんかい線、東急池上線。何か忘れてないかな?

西日暮里、日暮里と進むとまた住宅街からビル街に・・・・と思ったら鶯谷ですわ。
駅前からずーっと路地を何度曲がってもラ●ホばかり。そういう場所だという認識はあったけど、まさかここまで密集かつ多いとは。隙間隙間に民家があることも含めて驚きでもありました。

上野を過ぎればもうよく知ってる街。そこここで「全開昼飲み」開催中。ふらふらと入店しそうになる。いかんいかん(笑)。
ランチの候補で何軒かの有名らーめん屋さんをのぞいてみるも、いずれも大行列で断念。

新橋から先はできるだけ知らないルートを歩く。東海道市中引き回しさんぽでも歩いてるので。
汐留の新しい街。芝浜。知ってるようで知らなかった道。これぞ醍醐味醍醐味(^^;

さて件の高輪ゲートウェイ。国道15号線側からしかアクセスできないので、いったん山手線内側に入る。
駅はあるけど周囲は全力工事中。将来いったんどんな街ができるんだろう・・・・とか思ってたんですけど、なぜだかここで急に疲れが・・・。
もう帰ろうかという思いがよぎらなかったと言えば嘘になりますけど、一周まで残りわずか3駅。信号待ちのたびに足のストレッチしながら先に進みます。だって今日は「チャレンジ」ですから。

でもなぁ。品川から大崎って遠いんだよ。品川から直線で五反田に行けば近いのに(^^;
ぜひ地図でご確認ください。山手線、南に尖ってんのよ。

そんなこんなで戻ってきました五反田。
正直足はめいっぱいかなと思ってたけど、到着してみたらまだエネルギー残量あります、みたいな感じだったかな。最高の気象条件に感謝だったかもしれませんな。

一応全30駅で写真を撮ってツイートしました。そのスレッドは→コチラ

というわけてチャレンジのリザルトです。

歩いた時間:9時間半(ランチ休憩含む)
歩いた距離:42キロ(Google先生の試算)
歩数:5万6000歩(自己最多)

こうして数字を見ると、自分でバカじゃないん?って思うけど、一方でこれの倍以上を歩かなきゃならない「エクストリームウォーク100」は無理なんだな、と残念に思ったり。

でもまあひとつ自信にはなったかな。何の自信?と問われると困るが。


それにしても、どの街に行ってもAPAホテルあるんだなーとつくづく。