2021年11月19日金曜日

さんぽニスト、旧東海道をゆく。其の七

上りよりも下りのほうが体への負担は大きいという話はよく耳にするけど、ここまで差があるとは。さんぽ翌日も翌々日もその次の日も筋肉痛がひどくて・・・股関節まわりもだけど、特にケツの両サイド。ロングさんぽでこんな筋肉痛が出たなんて記憶にない。あー痛てえ。

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というわけで、箱根越え、行ってまいりましたっ。
勢いあるうちに(?)行っちゃえ俺、ってな感じです。

2週間ぶりの箱根は少し季節が進んだだろうか。芦ノ湖方面に向かうバスの中から見えた温度表示が「5℃」ってなってて少しビビる。が実際にはそんなに肌寒さは感じなかったな。1時間弱出発時刻が遅いのと、湯本よりも朝日がしっかり当たってるからかもしれない。


しかしというかやはりというか、スタート直後の箱根峠への旧街道上り坂に入った途端に空気の冷たさが変わる。だって林の中だもの。デイパックの奥に放り込んである手袋を出すかどうか少し迷うも、「どうせこの上りで暑くなるに違いない」と思ってちょっと袖口を“萌え袖”にして進む。

そして一瞬にして息が上がって体温も上がった(笑)。
予想はしてたけど、箱根峠への上り石畳はなかなか強烈な斜度。さらに挟石坂と名づけられたところは坂ではなく階段、というかもう段差!こりゃ参った!!
先行して歩いてたおじさん、一段ずつ休憩してた。気持ちはわかる。追い越せないので僕も一段ずつ休憩(笑)。「こりゃキツイですねー」なんて話しながら。

そんなこんなで息を弾ませながら箱根峠の頂上に。
振り返って、芦ノ湖が予想以上に低いところに見える。これを直線的に上ってきたのか。なんかびっくりだ。

そしていよいよ静岡県突入!!初めての関東圏脱出!ちょっと興奮しますな(笑)。

[箱根峠でのエピソード]
峠のパーキングの裏でおじいさんが猫(飼い猫?)を遊ばせてた。にゃんこだーと思いながら近づくと突然、「旧街道歩いてるの?」と話しかけられた。ええ、歩いてます。「あのね、この先通行止め」。え?
「こっち(旧街道のほうを指して)行こうとしてるの」はい。「鎌倉古道のほうとか、おととしの台風19号で石畳流されちゃって、ずっと通行止めなんだよ」「歩いてく人いるんだけどさ、戻ってくるよ」そうなんですね。ありがとうございます。
「この国道をね、1キロばかり下るんだ。歩道が右側しかないから右側ね。1キロばかり下ったら接待茶屋の赤いバス停があるからその先を右に旧街道入れるから」。なるほど、そうします。
「そこからずっと行くとね、両側に民家があるところがあって、そこで横断歩道渡るんだ。新しく線引いたからきれいな線だよ。その先で左に入って、で山中城のほうに出て・・・・」。(o´(エ)` o).oO(そこもう通行止めのトコ関係ないよね)わかりました、とりあえず1キロ下ってみます。ありがとうございました~。
下ってって同じ道を上って戻って、なんてやらずにすんだからすごく助かっちゃった。舗装された国道歩きやすいし(笑)、相模湾が見えたりもして。バス停は日焼けしてるのか黄色だったけどね。ありがとう、話好きのおじいさん。
にしてももしかしたらあの勢いのまま話し続けてたら三島までたどり着いちゃうんじゃないかな。[エピソードここまで]

静岡県側の旧街道(箱根西坂、というらしい)は、神奈川県側(箱根東坂)と雰囲気が違う。地形的に南側が開けてるからなのかな、木漏れ日が届いてきて明るい、というのが一番。山の中をたったひとりで歩いてるので、この明るさというのはメンタル的にもすごくいいな。

石畳だけでなく案内表示なんかもきちんと整備されててことのほか歩きやすい。説明が難しいんだけど、石畳もうまいこと滑り止めとして機能しているような感じでね。
だからと言って気を抜いて歩けるかというと決してそうではなくて(笑)、だいぶ慣れてきたとはいえやっぱり足元しっかり見てないとなんないし、落ち葉がごそっと滑ることもあるんでね。ていねいにていねいに下っていくのです。

おじいさんの話に出てきた国道の横断歩道を渡って(ちょうどこのあたりで函南町から三島市に入る)しばらく行くと、日本100名城にも数えられる山中城址に出る。本当は土塁とか珍しいものが遺されてるらしいんだけど、本丸の周辺だけちょろっと散策、そして隣接する駒形諏訪神社にお参りして先を急ぐ。いや、急いではいない(^^;

つづら折りになってる国道をショートカットするように、少し急勾配になった下り坂を進むと(途中林の中でガサゴソ音がしたんですけど。怖かったんですけどぉ)、急に右前方に視界が開ける。お、富士山。そしてその手前に巨大なつり橋――「三島スカイウォーク」の入口に出た。入口からはつり橋の全体像は見えないが、きっと高いんだろう。高所恐怖症である僕には一切関係のない話だ。通過通過

スカイウォークの先すぐに笹原一里塚があるんだけど、そのあたりで民家も建ち並ぶようになって、「ずいぶんと下りてきました」が実感された。
ところが下り坂はまだまだ続いていて、直後の「こわめし坂」がもんのすごかった。道が途切れてるのかと思うほど急激に落ち込んでて、後ろにのけぞるような姿勢を取らないと落っこちちゃうかのようで。これ、逆方向から歩いてきた人はタイヘンだわ。「こわめし(強飯)」とは何ぞや、という話は三島市のホームページへ→リンク

さて、「東海道」をどんどんと下りながら、僕の視線はときどき右方向へ。遠くまで見えるところでは必ず富士山がどーんと見えるので。
とにかくどこから見ても絵になるわ、富士山てば。おそるべし三島――地元の人は毎日のことだから「別に」なんて感じなんだろうか。

旧街道蜘蛛の巣越しに見遣る富士

日射しが強くなってきた。着ていたフーディを脱いだ。この暖かさはさすが東海地方(雑な感想)。
それにしても下り坂、ぜんぜん終わんないな。ときどき三島の市街地らしき街並みが眼下に見えたりするんだけどまだずいぶん下だしな・・・と思ってたら現れた小学校の名前が「坂小学校」。ド直球(^^;

さらにずんずんと下って、塚原新田地区のあたりでラストの旧街道石畳(歩いてるときはラストだとは思ってなかったけど)
さらにさらにどんどんずんずんと下って、短い区間だけど国道と合流。この国道の歩道が「当時をしのんで」わざわざ石畳にしてあるんですけどね、ごつごつしすぎてて超歩きにくいったらありゃしない(苦笑)。

JRの踏切を越え、大場川にかかる新町橋を渡ってついに三島宿のエリアに入る。下りきりましたよ!
ずっと下りを歩いてきたから「平地は足が出にくいな」なんて思ってたら、実は緩い上り坂だったというオチ(爆)。でも確かにこのとき股関節まわりにだけちょっと疲れを感じたかな。


何はなくともまずは三嶋大社へお参り。無事ここまで下れました。ありがとうございます。

三島はもう都会なのであまり往時の宿場町の風情が多いわけではないんだけど、ところどころすごく雰囲気のある古い建物が残ってたりして、町歩きをしても楽しそうだな。どうやらうなぎが名物のようで、匂いに腹が鳴ります。町一番の有名店らしき店には50人ほどの待ち人が!
三島広小路駅で“いずっぱこ”の踏切を渡ったところで時計を見る。「うん、まだ先に進めるな」。時間も体も問題なし。

次の沼津宿までの道では、右から左へ流れる小さな川というか用水路というか、とにかくたくさん渡っていく。富士山の湧き水なのかな。どれも水量が豊かできれいな水(に見える)。

そして大きな川、黄瀬川を渡るともう沼津宿は近い。。

東海道は黄瀬川が流れ込む狩野川に沿うように進んでいく。大きなビルが建ち並ぶ。そしてすごくあっけなく沼津宿に入った。三島からはあっという間だった
沼津はめっちゃ大都会だし、宿場町の名残はほとんど感じないけどね。

城下町のお約束、お城の跡を回り込むように曲がったところ(川廓と名づけられてます)で今日はここまでにしよう。駅も近いことだし、お昼も食べそびれてるし。


余談ですけど、三島から沼津の間で信号のない横断歩道を渡ろうとしたとき、すぐに車が止まってくれて、こちらは待たずに道を渡れたのね。思い起こせばこの日だけでも同じようなことが3回もあった。箱根峠のおじいちゃん含め、静岡の人の印象、爆上がり中です。ま、サッカーに関しては譲れませんけどね。王国浦和(^^;

それにしても、ここまで来ちゃうと日帰りはなかなか面倒になってきたな(今回起点の箱根町港まで自宅から3時間!)。鉄道会社が違うから帰りは自宅最寄駅でICカードでそのまま改札出られなかったし。次に東海道に来るときは泊りがけがよさそうだな。


今回の行程:箱根宿~箱根峠~三島宿~沼津宿。三島まではコンビニのコの字もなかったので、持ってたエナジーゼリーでしのいで、ゴールの沼津でお・す・し。沼津っていったら寿司でしょ。駿河湾の「近海ものセット」(金目鯛でしょ、太刀魚でしょ、桜えびに生しらすに・・・)に加えて深海魚のアブラボウズの握り。お酒は沼津の地酒、白隠正宗。おみやげは安倍川もちとお茶のロールケーキ(沼津ほぼ関係なし)。
ここまでの行程:[1] 日本橋~川崎宿 [2]~保土ヶ谷宿 [3]~藤沢宿 [4]~二宮 [5]~箱根湯本 [6]~箱根宿[7]~沼津宿


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