2024年4月29日月曜日

翳りゆくひと。[027]


[027]

マサさんの入院からおよそ10日、退院後の受け入れ先が見つかったとの連絡がよしおか病院のヤマモト看護師から入る。主としてリハビリのための施設である介護老人保健施設、いわゆる老健の「さくら老健」というところだそうだ。
担当者のオオヌキさんと連絡を取ってほしいとのことで、わたしはさっそく電話をかけた。

『こちらに入所していただく日程はまだ調整中なのですが、まずは費用を含めた施設の資料を郵送させていただきます。事前に準備いただきたいもののリストも同封します』
「わかりました。内容確認させていただきます」
『入所の日はお付き添いいただけますか』
「はい。調整してうかがうようにします」

よしおか病院での入院は1~2週間ということだったから、入所まであまり時間はないんだな。

老健が決まったことはいぬかいのサダカタさんにも伝えた。「さくら」でのリハビリの後、仮に自宅に戻れない場合はいぬかいのグループホームはどうか、という提案をいただけた。
最終的には「さくら」との調整にもなるが、順番待ちということもあるので、仮の申し込みを代行しておいてくれるというので、お言葉に甘えることに。

この時点でわたしが考えていたのは、先に見つかったSN証券の口座にあるマサさんの「資産」のことだ。老健に入るということは、これまでのデイサービスとは比較にならない費用がかかることになる。もちろんマサさんの年金で賄えるだろうが、あっちゃんの生活もある。
おそらくは老後のための蓄えのつもりで投資してたものだろうから、それをマサさんのために使うのは至極自然な流れだ。

現金化、進めよう。

といっても手続きがまるでわからない。マサさんと同じようなケースは当然多くあるだろうから、何らか方法はあるだろう。
まずは証券会社のホームページをチェックだ。お、問い合わせ用のチャットツールがある。これでやってみよう。

「口座番号xxxx、名義人xxxxの口座の内容を現金化したいと考えています」
『チャットに個人情報は記入しないでください』

チャットの画面に書いたものはもう消せないし。

「本人が入院しているため、家族が代理で手続きをしたいのですが」
『ご本人以外の手続きはできません』

正論でバッサリと斬られてしまった。チャットボットになんか質問するもんじゃないな。
ならば口座がある支店に電話をかけてみよう。担当者、という方が電話口に出てくれた。

「というわけで、認知症もあるので、家族が手続きできないものでしょうか」
『基本的にはご本人、あるいは法定代理人以外はできません』
「それですと自分の老後のために貯めたものが、自分のために使えないということになりますよね。同じようなケースは多いとは思いますが、なんとか方法はないものでしょうか」

半ばクレーマーのようなことを言っている自覚もあるが、泣き落としだろうとなんだろうと、何らかの策を見出したい。
いろいろ言ってみるもので、検討してくれる、との回答を得た。

翌日、上司と名乗るタカハシさんという方から連絡が入った。

『ご本人の承諾があれば手続きは進められますので、明日入院先の病院まで出向いて意思確認をしてきたいと思います』
「認知症もあるので、うまくコミュニケーション取れないかもしれません」
『それでも伺ってきます』
「よろしくお願いします」

ちょうどその翌日、さくら老健からの書類が届き、入所日の調整の依頼のために、よしおか病院のヤマモト看護師に電話連絡をすることになっていた。

「今日午後の面会時間に、SN証券のタカハシさんという方が父の面会にきます。こういう事情なので、どうぞよしなにご対応いただければありがたいです」

自分で言いながら「よしな」って何だよと思う。でも事情がわかっている方がいてくれれば可能性は高くなる。
そして現金が用意できれば、マサさんとあっちゃんの将来の選択肢も増えるはずだ。わたしは祈るような思いで結果が出るのを待っていた。

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GWは勝ち点3を積み上げて。

ルヴァンでは5得点したものの、リーグでは無得点で連敗中。そういう状況で、まず得点ができたこと、そして勝利できたことに何より安堵した。

2024 Meiji Yasuda J1 League #10
○浦和 2-1 名古屋

ポイントはやはり安居の起用かな。
わりと簡単にポジションを崩してしまう斜め前の中島を下支えしつつ、グスタフソンが前に出ていくスペースも作りつつ、プレッシングの起点にもなり――「下支え」なのに非常に「目立つ」活躍だったと思う。おまけに先制点も!走り続けることのできる安居の良さが出たゴールだったように思う。

安居がいるから追い越していけるグスタフソン――グスタフソンがペナ内に入ると確実に決定機になる。あの落ち着きは恐ろしいほど。
安居が横にいるからポケットを狙える敦樹――久しぶりに推進力のある敦樹を見た気がするよ。
岩尾とはまたひと味違う気の利き方だったと思います。MOM。

一方少し心配なのは前田かな。厳しいマークもあるし、疲れ(特に頭の疲れかな)が見えるような気がしてて。途中交代で入った松尾を「先に使う」という選択肢もありそうな。GW連戦ですしね。

いずれにしても勝ち点3、何より。上位も伸びてないので、まだわずか5ポイント差。この幸運を生かさない手はない。

レディースも10連勝。すてきな週末(♡)

中島のボールキープ、ヘンタイにも程があるわ。笑った笑った。


それにしても。
荒いチーム×荒木主審という“荒荒”を相手にして、怪我なく試合を終えられてよかったよ。さらには報復でレッドみたいな心配すらあったわけで。1失点だって大誤審が起点ですからね(怒)。
758のセントラル2枚は前半のうちに退場しててもおかしくない内容だし、それでいて何もしてないみたいな態度はむしろ893かと。厳しいと危険を区別できない、しかもやってないと主張する厚顔っぷり。


2024年4月27日土曜日

翳りゆくひと。[026]


[026]

マサさんの病状、あっちゃんの現状。
いろいろ考えていると、否が応でも「自分の終わり方」についても考えることが増える。

わたし自身が。わたし自身は。

早死にしたいとはもちろん思わない。明日、もっと楽しいことがあるかもしれないから。
では、どこまで生き続けたいのか。

自分のゴールラインは自分で設定できるのか。

わたしの中で何も答えの出ない、出るはずのない堂々巡りの日々が続いている。

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2024年4月23日火曜日

ブログ更新お休みします。

数日間、新規の投稿が止まる可能性があります。
もしも、もしも楽しみにしてた方がいらっしゃったらごめんなさい。



2024年4月22日月曜日

油断大敵。

生活習慣な通院、18回目、およそ通院2年ぐらい経過しましたね。
すっかり書くのを忘れてたんですが、17回目は16回目よりも「微改善」という結果でした。
そうすると、ヨシヨシという気持ちが芽生えてきて・・・。

ドクター「少し高くなってます(バン!)」

改善してたぶんをあっさりと取り戻してしまいました(涙)。
というわけで今回はいろいろと厳しめに問診されました。

ドクター「間食は?(ドン!)」「体重は?(ドン!)」「あ、お酒は??(ドドン!)」

一応正直に答えるわけですが、そうすると食生活(特に酒ね)には厳しく指導とが入ってしまうマイ生活習慣なわけです。体重は問題なし。

ドクター「週に2日は控えてください(ドドドン!)」

できるかなぁ。

ぼく「が、がんばります・・・」

次回は6週間後です。しかも広範囲の血液検査やるってよ(ドキドキ)。



2024年4月21日日曜日

なんやねんなこの試合は。

相手チームがガンバだから、とかいうことは全然なくて。
負けるはずのない試合展開で、ころっと負けるのはちょっと萎えますわ。さすがに。

ウチも攻撃は「たいがい」だったけど、相手はまるで「形」を成してなかった。

でも、結果は。

●浦和 0-1 G大阪

選手の配置とか選手交代のタイミングとか、思うことは山ほどあるし、悪いことばかりではないけれど、でも、今の思いは。

バーカ。



2024年4月20日土曜日

若者はお上手。

U23アジアカップ第2戦、大畑先発!!
ナイスアシス・・・・あ、取り消された。
今度こそ!ナイスアシスト!!


サイドをオーバーラップしてマイナス気味のクロスにIHが合わせる見事なゴール・・・それ浦和で見たいやつ(涙)。

UAE 0-2 JPN○

とまあ大畑が一定の活躍を見せたので(もっとできるよ)、個人的には十二分。
ただ結果としては「あと1点」欲しかったかな。終盤惜しいシーンも多発してたので。
1点足りなかったことで韓国と得失点まで全部並んでしまった。次の韓国戦、もしドローだとPKまでやるレギュレーションとか。負けてQFがカタールとかイヤすぎるでしょ。

とはいえ、あれだけ荒いUAEを普通にいなして勝ち切った(しかもほぼターンオーバーして)のは本当にお見事。


それにしてもこのチーム、みんな上手。
とにかくキックの質が高いし、変なミスがすごく少ない。サイドのローテーションとか、スペースに顔出すとか、違うレーンに立つとか、現代サッカーの基本はちゃんと身についてる感じ。さらにサイドの使い方みたいなチームの戦術もしっかり頭に入ってて。
彼らが経験積んだら、そりゃヨーロッパ行っちゃうわ(今でも海外組多いけどさ)。


2024年4月19日金曜日

翳りゆくひと。[025]


[025]

院長は言葉を続けた。

「病院としては、必要な治療はもちろん行いますが、もしものケース、たとえばお父さんは心臓に持病があるから不整脈とか、あるいは肺炎とか誤嚥とか、それによる心停止、そうした事態になった場合にどうするか、ご家族として同意書を書いておいてください」

頭では「そうだろう」と思っているけれど、いざ『積極的治療を希望しない』にチェックを入れるときには少し手が震えた。
ただ、マサさん本人は理解できないだろうし、それでいい。マサさんはまもなく90歳。もしもそうなれば大往生だ。

「ご本人とはもう会われました?」
「いえ、昨日は到着が遅かったのでまだ」
「そうですか、手配させますので会っていってください」

入院病棟の待合エリアで待っていると、マサさんが横になったままベッドごと移動してきた。

その表情を見て、わたしは言葉を失ってしまった。
つい2ヶ月前はあんなに穏やかだったマサさんの顔から、「力」がまるで抜けてしまってるようだった。入院してるのだから当然なのかもしれないけれど、生気があまり感じられない。
それでも何か声をかけなければ。

「どうですか、具合は」

自分の口から出た言葉が、敬語になっていることに自分で驚いた。
わたしにはマサさんと会話をしているという実感がなかったのかもしれない。
マサさんも何か言葉を発しているようだが、これも脳梗塞の影響なのか、何を言っているのかまったく聞き取れない。本当に会話にならなかったのだ。

マサさんはベッドの上でモソモソと動いているが、見るとやはり左手がまったく動いていない。自分の身体が自由にならないことへの苛立ちみたいなものも感じる。
言葉にならない言葉を発し続けている。わたしは「そうだね」と相槌にもならない返事を繰り返していた。

「早く元気になってくださいね」

5分も経っただろうか。たくさん話そうとしたマサさんの息が上がってしまったような気もした。
もう十分だ。
写真を1枚だけ撮らせてもらって、看護師さんに面会を終えることを告げた。

病院を出たところで、いぬかいのサダカタさんに電話をし、ひととおりの状況を報告させてもらった。今後も何かあればよろしくお願いします、と。

マンションに戻って、あっちゃんにも聞いてきたことを簡単に説明した。

「脳梗塞でね、しばらくはよしおか病院に入院することになるから」
「面会に行くなら、電話予約が必要だって言ってたよ」

医療機関ではまだコロナ対応の影響は残っている。面会の人数・時間にまだまだ制限がかかっているのだった。

「それでね、院長先生がね、もし治療が終わっても麻痺は残るから、この家に帰ってくるのは無理だって」
「そうなの?」
「最終的には施設に入ることになると思うよ」
「このマンションの1階に空いてるところがあるから、そことここを交換してもらって1階に住めば・・・」

分譲マンションの部屋交換なんてそう都合のいい話、できるわけがない。
昔住んでた社宅アパートならいざ知らず。

「1階だってアプローチのところに階段あるでしょ。それがもう上れないから」
「そうよねぇ」

しばらくひとり暮らしになること、そしてマサさんはもう戻ってこれないこと。
何度も何度も説明を繰り返したが、はたしてあっちゃんの記憶に定着してくれるだろうか。

帰路、ながいきセンターのセイコさんにも電話で一連の事情を説明した。
身の回りに医療が存在しているマサさんよりも、心配なのはあっちゃんのほう。わたしとセイコさんは、その点で一致した。一致してしまった。

一方で、院長の言葉を思い出したりもしていた。

『連絡、つくようにしておいてくださいね』

024<[翳りゆくひと]>026


2024年4月18日木曜日

新基準低反発。

昨年の秋大会以来の「遠縁の後輩」の応援に。
結果は期待どおりのコールド勝ち、エースの復活も含めて大変喜ばしい内容でした。
相手チームに多めにエラーが出てしまって、ちょっとかわいそうだった。タイムリーエラーに絡みまくったあの選手は寝れないだろぅなぁ・・・。

この試合、個人的にすごく気になったのが、春の甲子園でも話題になった「新基準の低反発金属バット」。

音の高いモデルが人気、という話は聞いてました。多分にメンタルへの影響だと思いますが、その音の甲高さには本当に驚きました。参考記事→Number Web
試合前のペッパー中に軽くボールに当てるだけで「キーーーーン!」と、まるでホームランが飛び出したような音が球場に響く。


試合中はメーカー/モデルによる音の違いが表面化して、やたらに鈍い音のバットもあるし、芯に当たるかどうかでも響きに違いがある、というのがよくわかった。
ファウルなのに「キーン」だったり、きれいなセンター返しなのに「ゴンっ」だったり。

そしていざ打ち返された打球、「飛んでねぇ!」です。
完全にフェンスオーバーな感じの打球がフェンス手前で失速するシーンを何度見たか。
あるいは外野の後ろ!と思うような打球が野手の「前」にポトリと落ちたり。
外野手の守備位置、去年の秋よりも10メートルぐらい前になってる気がする。

半分は「音」との感覚のズレもあるんだろうし、その「音」もメーカーのよってぜんぜん違うわけで、これは慣れるのに時間がかかるよ。
選手はもう慣れたんだろうか。


2024年4月17日水曜日

やせ我慢のリスク。

『おしゃれはやせ我慢』だとは思うんです。ファッションは季節の先取りです!

でもね、特に冬から春になるときとか、我慢にも程があるというか、リスクがあるというか。

季節を先取りしたファッションは、簡単に言うと寒いっす。

・・・なんてことを書いてたらね、気温は乱高下しつつ一気に夏日になったり。
いったいどうなってんのよ>地球


模様替えするタイミングがわかりません(涙)。
(追記)間違えた「衣替え」だわ(恥ずかし)


虎の子を守って。

どの競技も、特に団体競技の出場権は狭き門だな、と思う。その意味でもオリンピックは特別だ。

男子サッカーの最終予選を兼ねたU23アジアカップ。上位3チーム(正確には3.5枠)にパリ切符が与えられるわけだけど、まずはCHN、UAE、KORと同組(!)になったグループリーグを抜けなきゃ話にならないわけで。QFとかよりもこのグループステージのほうが厳しくないか?と思ったり。


その第1戦。浦和的には「大畑が先発じゃないからやり直し!」とは思ったものの、始まってみると中国の右サイドにデカイ選手がいたので、「そういうスカウティングだったのならしかたないか」と思い直す。
右に関根、左にヒラカワだと実質浦和じゃないかと思ったり思わなかったり(^^;

そしてそのスカウティングが総じて非常にうまくいった試合ではなかったかと思う。

ひとつは得点シーン。右のポケットを取る→ペナ角方向へ戻す→中国のラインが上がる+ボールウォッチャーになる→その裏にファーから飛び込む、という実にスムーズな、かつ相手のウイークを突いた形でのゴールだった。きちんと合わせる松木はさすが。山田のクロスも上質。
直前にも松木が胸トラップからシュートに行こうとしたほぼ同じ形があったし、左サイドでもその形は狙ってた。

守備面でも、サイズでも不利だったにも関わらず、空中戦で特別やられるような形にもならなかったし、冷静な対応ができていたのは事前の準備の成果だったんじゃないかなと思う。

前半早い時間から10人になっちゃうのはさすがに予想してなかっただろう(西尾は反省しなさいね。これがアジアよ)
それでも、前半こそただ跳ね返すだけになってしまってたけど、後半にはそれを攻撃までつなげることもできるようになってて、「虎の子の1点を守り抜く」ためには最高の展開だった。

選手の能力はもちろん、そういう修正も含めて、チーム全体の勝利だったと思うよ。

○JPN 1-0 CHN

さあ次も勝ってとっととトーナメント進出を決めてしまえ。
次は中2日だからなっ大畑使え大畑使え大畑使え>大岩監督


2024年4月16日火曜日

時は流れて。


モンちゃんのポストで気がつきました。早いもので今日で本震から8年だそうです。

まだまだ復興道半ばという部分も多いのでしょうが、明るい話題も耳にすることも増えてきました。ぜひとも引き続き前へ、という思いです。

くまモンとは強い「縁」があるのですが(^^;

このブログのプロフィール欄にも書いてあるように、筆者の本籍地は熊本です。なので他の地域よりも思い入れは大きかったのですが、最近は「縁」そのものが切れかかっていて、その思い入れも徐々に小さく、というか他の地域と変わらなくなりつつあるような気がしています。
そもそも「故郷」というわけではないし。

それは時間の流れ、というやつだと思います。それはまあしょうがない。

でも、ときどき無性に辛子蓮根が食べたくなるのはDNAに刻まれた何かなのだと思います。
(って12年前も書いてた→コチラ


2024年4月15日月曜日

翳りゆくひと。[024]


[024]

保険証書類がぎゅうぎゅうに詰め込まれている引き出し、ざっと見たところ、満期になっちゃってるものなど、明らかにすでに契約が終了しているものも含まれていそうだった。
「整理してしまい込む」マサさんの面目躍如と言うか、何と言うか。

今日これを引きずり出して、すべてをチェックするのは現実的じゃないな。
わたしは力を込めて引き出しを元の位置に押し込んだ。

ただ、郵便で送られてくる保険会社からの通知が見つかって、少なくともK生命とZ生保、A生命の契約が現存することが判明した。入院の特約が付いているのはあるのか。

A生命の保険料はN銀行の口座から引き落とされているのはわかっていたが、保険の内容はよくわからない。
Z生保は、マサさんとあっちゃんが相互に受取人になってるタイプのもののよう。保険料はあっちゃん名義のクレジットカード経由で、マサさん名義のN銀行の口座から保険料が支払われていることも確認できた。
K生命は証書が見つかったわけではないのだが、第2連絡先としてわたしが登録されている契約ではないだろうか。わたしの自宅に通知はがきが届いていたはずだ。
いずれにしても、この段階で入院費用を保険で、みたいなことを考えるのは時期尚早だ。ここまで見えれば十分だとわたしは思っていた。

さらに、マサさん宛に届いてたSN証券の残高通知書が見つかった。1月に来たときもこの証券会社からの通知は見たような気するが、ちょっと記憶が定かではない。
残高は「資産」と呼びたくなる程度には大きく、わたしは、マサさんあっちゃんのためにこれが使えるといいなと漠然と考えていた。この書類はわたしが持っていることにしよう。
資産という意味ではマンションの権利書ってのもどこかにあるはずだ。わたしの意識は少し「将来」に向き始めていた。

そうこうしているうちに、よしおか病院から、院長が説明をしたいとの連絡が入った。

「お父さんとはずいぶん長いお付き合いになってるんですけど」

院長の最初の言葉は、気にかけてますよという意味だと受け取った。そもそも院長自身がマサさんを担当してくれてるわけだし。そして言葉の中に、何か差し迫ったようなものは感じない。

「脳のCT画像なんですけど、萎縮があるのに加えて、この白いところですね、脳梗塞が複数あるのは間違いないです」
「時期ははっきりとはしないんですが、以前から脳梗塞があった可能性もあります」
「現状、急激に悪化しつつあるということはなくて」
「血液検査の結果も、血圧が高い以外はさほど悪くないですね」

なるほど。ここまでの状況からある程度想像、いや、「期待」していた内容だ。

「あとは転んだときかな、腰の骨も」

少なくとも脳外科のある病院に転院する緊急性はなく、よしおか病院で1~2週間の入院、それからリハビリ施設へ、という流れになるだろうという説明だった。

「このあたりはうちの地域連携室とケアマネージャーで相談させてもらいますので」
「よろしくお願いします」
「あと、脳梗塞を原因とした手足の麻痺は残るので、リハビリをしてもご自宅に戻れることはないでしょう」

エレベーターのないマンションの4階という物理的制約、あっちゃんとふたり暮らしというソフトの問題。どう考えても「そうなる」のは当然なのだろうが、こうしてはっきりと医師に言ってもらえて、ある意味良かったと思った。

わたしの中の覚悟が決まった、そう言ったら言い過ぎだろうか。

023<[翳りゆくひと]>025


2024年4月13日土曜日

一進一退。

3歩進んで2歩下がるならまだしも、進んだ3歩分をしっかり3歩分戻ったわ(涙)。

柏 1-0 浦和●

大前提として、柏が素晴らしかった。
まさかあの強度と組織が90分間続くとは思えなかった。お見事。

対して浦和さん。

「岩尾不在が」って解説者に言われまくってたからな。事実そのとおりだと思うし、ぐうの音も出ん。
前節あれだけ良かった連動性が――前に出る守備が影を潜め、ビルドアップのときには誰も顔を出さずに個々が孤立する――。
まだまだスタイルが確立されてないんだろうな。生みの苦しみというやつか。おそらく今季はしばらくこの一進一退が続くんだろうな。
だから勝ったときにはアホみたいに喜んでやる!


“リーグ最多得点”

そんな次の試合で無得点。これも僕たちの浦和レッズさん。

・・
・・・

短期的に勝ち点を積み上げたいなら4-2-3-1もアリだとは思うけど、今のところ、我慢して、「積み上げるならコンセプト」なのかな。
問題はその我慢をいつまでやるん?という話。3歩下がったら4歩も5歩も進んでくれ。


2024年4月12日金曜日

さんぽニスト、旧東海道をゆく。其の十三

「横に長すぎる」でおなじみ静岡県に入って7日目。ついに、歩ききりました!


もう三島のこととか忘れちゃうぐらい遠い昔のような気がしますよ(^^;
実際2年半前のことでしたね→「旧東海道をゆく。其の七

*  *  *

というわけで、今回は前回ゴールの浜松宿の本陣跡前から、愛知県を目指して出発です。

小一時間も進むと、進行方向左の空が広くなったように感じます。たぶんあれは「海の気配」。そしてまだ9時台だというのに「さわやか」の前には10人以上の行列(@_@)

ところで、行き交う軽自動車(スズキのお膝元だもんな)のダッシュボードにやたらとポケモンのぬいぐるみが置いてあるような気がしてなりません。リザードンとかデカすぎるだろう。
何かこの地域と関係あるんかしら?浜松町にはポケモンセンターがあったはずだけど、それは浜松違いよ。

薄曇りの中、朝はフーディにウインドブレーカーといういで立ちでスタートしたのですが、陽が高くなるとあっという間に気温が高くなってきました。ロンT1枚になり、それから念のため日焼け止めも――特に後方から陽が上ってくるので首の後ろは念入りに。

そうこうしているうちに国道を離れ、松並木を抜けると舞阪宿に到着です。
舞阪宿の写真いろいろはインスタで→コチラ

江戸時代ならここから浜名湖を渡し船で、だったのですが令和の人間は弁天島を経由しつつ歩いて浜名湖を横切っていきます。
きっと左右に湖が見えるんだろうな~と期待しつつ進むと、歩行者専用の橋からは、左に道路・右に線路で視界が遮られるという、かなり残念景色でした。
少し寄り道してみようかとも思ったのですが、その寄り道する道もなくてね(涙)。

浜名湖を横切った先が新居宿です。「荒井」という表示もいくつか見かけたんだけど・・・ちゃんと調べてません(汗)。たぶん丸子/鞠子宿(→「旧東海道をゆく。其の十」)みたいな単なる別表記でしょう(テキトー)。
新居宿の写真いろいろはインスタで→コチラ

ここには関所があって、交通の要衝だったというこうがうかがわれます(東海道に設置された関所は箱根関所とこの新居関所の2ヶ所だそうで)。
が、ワタシは中の見学はせずに先に進みます(^^;


新居宿を出ると、東海道はいったん南下し、カクカクと曲がって方向を変え再び西へ向かいます。

浜名旧街道と呼ばれるこの道は風情抜群。松並木、そして左には遠州灘の気配(見えないけど)、右は緑深き山。その山にところどころ見えるこの時期ならではの満開の桜のピンク色。さんぽサイコー!と実感できる瞬間です。

一方で『津波避難』の標識や、がけ崩れの注意喚起の表示も数多く見られて、風情だけではない、この土地のリアルも感じられました。地震のときは両方のリスクに対してどう逃げるんだ?と心配になったりも。

さて東海道は右に針路を取り、さっきから見えていた「山」のほうへ上っていきます。それが潮見坂です。この坂、ここまで歩いてきた坂の中でもトップレベルに急坂かと。そこそこ長いし。

ふうふうと息を切らして上りきったところが白須賀宿です。天空の宿場町です(ちょっと言い過ぎですが、周辺より高い位置にあるのは確か)。
白須賀宿の写真いろいろはインスタで→コチラ

宿場の入口にある潮見坂公園からは遠く遠州灘を望むことができます。スマホで写真を撮ったんですけど、折からの薄曇りと逆光のせいで何が何やら(涙)。
それよりも、この高さまで一気に上ってきたのか、ってほうが驚きね。

案内看板によれば、もともと宿場は潮見坂の下にあったそうで(なので今も「元町」という地名が残る)、津波対策として高台に移転したのだとか。移転したらしたで高台は風が強くて火事が多くていろいろ対策が必要になった――なるほど。

曲尺手(かねんて:宿場町の入口などに見られるカクカクと曲がったクランク状の道のこと。軍事的な意味合い以外にも役割が、という話はコチラに丸投げしておくw)を抜けて宿場の中心に入っていきます。

この白須賀宿、とても街並みが綺麗に整備されてます。
この後通る二川宿でも思うことになるですが、「古い街並みと古い家」って別だよな、と。ちょっと説明が難しいんだけど、きちんと街並みを遺していくためには、「今」の手を入れ続けなければならない。町の方々のご苦労を思います。

で白須賀宿を出たところが冒頭に書いた「県境」。愛知県豊橋市です!
そして合流した国道1号線を、じわじわと下っていきます――潮見坂で上ったぶんですね。なんかもったいない(笑)。
国道の両側は工場、特に産廃関係の業者がたくさん。休日のこの日、歩道は誰ひとり歩いてません。なのにクルマはバンバン走り抜けていく。頭の中で、愛知県=クルマの町の図式が出来上がっていきます(^^;

道がほぼフラットになり、国道1号線を折れて東海道新幹線のガードをくぐり、東海道本線の踏切を渡るとそこが二川宿
二川宿の写真いろいろはインスタで→コチラ

細い道路の両側に、往時をしのばせる「古い街並み」(残念ながら本陣跡は改装中らしく公開が休止されてました)。雰囲気ありますね。曲尺手っぽいところもあります。

ただそれをのんびりと散策させてくれないのが、意外にたくさん通るクルマ車くるま。小さな橋の上で写真撮ろうとしてたら、私のせいで車がすれ違えなくなっちゃった、というぐらいには狭い(^^;
国道1号と並行してるので、抜け道みたいに使われてるのかな。

で、何も考えずに二川宿から次の吉田宿に向かって進んでいくことになるのですが、ぜんぜん時計見てなかったのね。意外なほど時間が経ってて・・・。
ずーっと薄曇りだったせいで太陽の動きで感じるはずの時間経過があまり実感としてなかったこともあるんだろうけど、何よりも疲労感が少なかったことが最大要因ではなかったかと。
それはつまり、先日投入したおニューのシューズがものすごく「いい具合」ということではないかと思ってます。歩きやすい+疲れが出ない、ですもの。
ただ、ソールの船底形状のせいで、歩道橋の下りがバランス的にちょっと怖かったです(^^;

それでも帰りのことを考えて少しばかり早足になっちゃったかな?

国道1号線に戻ると、ロードサイド店舗の感じとか、集合住宅とか、だんだんと豊橋の市街地という雰囲気になってきます・・・あ、路面電車が来た!

そこから路地を曲がって豊橋の中心部、つまり吉田宿に入っていくのですが、城下町ということもあって、カクカクと曲がります・・・あ、住所表示が「豊橋市曲尺手町」だ!
吉田宿の写真いろいろはインスタで→コチラ

本陣跡を通り過ぎたところで、東海道は豊橋駅と逆方向に進んでいくので、今日はここまでにしましょう。もうすっかり夕方だし(^^;


今回の行程:浜松宿~舞阪宿~新居宿~白須賀宿~二川宿~吉田宿。ランチは新居関所の真向かいにあった居酒屋さんのランチ「しじみラーメン+しらす丼セット」。しじみの澄まし汁に中華麺ぶち込んだような感じでしたが、このスープが濃厚!しらすも大量だったし、これで880円とかバカなの?と思うぐらい豪勢(上の動画の中に写真が出てきます)。おみやげは友人にサジェストされていたとおり、豊橋駅でヤマサのちくわとブラックサンダー


12 袋井~浜松]<[13 浜松~吉田]>[NEXT]


2024年4月11日木曜日

翳りゆくひと。[023]


[023]

ホテルからマンションに向かうこの道にもすっかり通い慣れてしまった。蝉の声がうるさい。

あっちゃんの様子はいつもどおり。マサさん不在が特に影響があるようには見えない。少しだけ雑談をして、それから病院に向かうことにした。

「入院の手続きとかがあるから、よしおか病院にちょっと行ってくるね」
「そうなの」

約束の10時に病院の窓口で地域連携室のヤマモト看護師を呼び出してもらい、事務的な諸々の説明を受ける。たくさんのことを言われたような気がするが、全部頭に入ってるだろうか。自分のことながら心配になる。
いや、これをあっちゃんがやることになったら、それこそ大ごとだ。しっかりやらなきゃ。

まずは入院同意書への記入、それからパジャマ、洗面道具、おむつといった身の回りの品の利用契約書にサインをした。
今どきの病院は、出入り業者がこうした品をすべて手配してくれるんだな。家族がいちいち持ってきたり洗濯したりといったことがないのは、すごく理にかなってる。少しでも負担がなければそれに越したことはない。もちろんわたしには対応はできないのだし。

「今、別の病院の脳外科で、再度のCT検査をしています」
「その結果を受けて、院長から説明をいたしますので」

よしおか病院には脳外科はないので、近隣の病院に行っているそうだ。こうした連携は本当にありがたい。

それから受付窓口の方からマサさんの医療保険証を返却してもらった。いぬかいのヨコミツさんがちゃんとピックアップしてくれてたみたいだ。よかった。

検査の結果次第では転院の可能性もあるので、医療保険証と介護保険証はセットにしておいたほうがいいとのことで、事務の方がいぬかいに連絡を取ってくれて、サダカタさんがわたしがいるタイミングに合わせてわざわざよしおか病院まで介護保険証を届けてくれた。

「今回はいろいろとありがとうございました。今日もお忙しい中すいません」
「いえ、今後も何かありましたらお声がけください」

こういう場所で、信頼に値する知った顔を見ることの安心感。そして自分たち家族のために動いてくれる人がいることに対する感謝。わたしはそうした思いを噛みしめていた。

手元に医療保険証と介護保険証が揃ったのは初めてだ。なくさないようにしないと。
だが、よく見ると医療保険証の有効期限が今月7月末までになっている。新しいのはもう届いていたりするのだろうか。

「つかぬことをお伺いしますが、新しい医療保険証ってもう各家庭に送られていたりするんでしょうか」
「いえ、窓口ではまだ新しい保険証は見ていないので、おそらくまだだと思いますよ」
「ありがとうございます」

わたしはいったんマンションに戻ることにした。
あっちゃんに入院手続きを終わったことを伝えた。

「午前中は検査しているみたいなんで、午後、院長先生から病状の説明があるからまた行ってくるね」
「院長先生って前の院長先生の息子さんね」

マサさんあっちゃんがこの地に越してきてから、ずっと通ってる病院だから、もう数十年もの付き合いになるはず。

「お兄さんもお医者さんで、院長は弟さんのほうよ」
「マサさんが家の前で転んだときに、助けてくれた若い男の人とよしおか病院でばったり会ったのよ」

あ、その話は昨日も聞いた。
はっきりしてる記憶とぼんやりしてる記憶がランダムに登場してくるんだな。

「そうだ。もうすぐ新しい医療保険証が送られてくるはずだから、絶対になくさないように、このテーブルの上に置いといて。次に必要になるから」

話をしながら、わたしはいつものようにリビングテーブルの上の書類や郵便物をチェックしていた。今回はマサさんの入院という事情があるから、特に保険関係を確認したかったのだ。

「生命保険とかの書類ってどこかにまとまってるの?」
「この引き出しよ」

引き出し、開かないぐらいにパンパンじゃん。何が入ってんのこれ。

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2024年4月10日水曜日

連立方程式。

『学校の勉強なんて将来役に立たないだろ?』

よく言われることではあります。数学なんて特に。

でも・・・。


人生において役に立たなさそうなもののひとつ、連立方程式。それが急に目の前に現れて、わたしゃびっくりしましたよ。

仕事上で「数字を」と頼みごとをされて、そのためには a b の値を出さなきゃならないということだったの。

解けたね。すばらしい(笑)。
いや、仕事の内容すなわち文章題から、ちゃんと式を立てられた自分に驚いた(大笑)。

未来を担う子どもたちに伝えたい。知識は人生を豊かにする、と。

そんでもって、こうしてめっちゃ具体的に役に立つとそれはもう単純に、ことのほかうれしいよ!!、と。


2024年4月9日火曜日

シーズンラスト。

残念ながらプレーオフに進むことができなかったので、レギュラーシーズン最終節がすなわち今季のラストゲーム。
その最終節を課題だった「連勝」で追われたのはまずもって良かったです。

金沢 66-89 東京Z○

金沢 67-86 東京Z○

このブログではあーだこーだ、さんざん文句も言ったし、一方で手のひらもくるくるくるくる回しながら喜んでもいたし、そういう意味ではまさに喜怒哀楽でした。

なにせここ数年に比べれば、ちゃんと勝ったり負けたりなシーズンでしたもの(^^;


何にも書いたような気がしますが、今季のカテゴリーは身の丈に合ってたのかもしれません。「怒哀」だけだと辛すぎますし。
その上で、素晴らしく上質なアリーナ体験を提供してもらったとも思っています。
比べるつもりはないですけど、B3TVを通じて見てみて驚いた部分もあったりしてね。

いや、それよりも何よりも、チームがシーズンを通して成長してたり、選手個々が自信を深めていったり、そうしたものがはっきりと見えたのが何よりうれしかったですね。
外国籍選手が1枚も変わらずにシーズンを終えられたというのも大きかった点でしょう。

まだ若い選手たちは、もしかしたら個人昇格していくのかもしれません。
むしろそうしてほしいしそうあってほしいとは思いますが、このチームで一緒にまた来シーズンも戦いたいなという矛盾した気持ちも持ち合わせています。

とにかく今は「お疲れさま」、そして「楽しませてもらいました」です。
何やらちょっとセンチメンタル(^^;

・・・来シーズンはもう少し数多くアリーナに行けるといいな。

まとめに今シーズンのらくがき2件(笑)。

2024年4月8日月曜日

見えた意識の統一。

逆転負けから中3日。チームの中で何があったのか。何が変わったのか。

それは想像しかできないけれど、少なくともピッチの上では「前へ」という意識が統一されていたのだと強く感じた。

前節の場合は『攻撃陣が前、守備陣が後ろ』だったんじゃないかとここにも書いたけれど、そういった分断がまるでなかった。

ほぼFWの位置のような岩尾が相手DFラインにプレッシャーをかける。松尾も前から守備に出る。その動きに伊藤もグスタフソンも、そして最終ラインも連動して押し上げて前のスペースを消す。
コンパクトな守備陣形は、中盤でのセカンドボールの回収につながり、連続攻撃につながっていく――。

○浦和 3-0 鳥栖

その守備のやり方において、象徴的だったのは石原と佐藤MOM級のインパクト。

立ち上がりにロングボールに対して「前で競った」石原。なぜかイエローになったけどな。なんやねんあのジャッジ。

相手の縦パスを「前で奪って」前線につなげた佐藤。2点目のゴールを演出した一連の流れは見事。ほかにもドリブルで運ぶシーンも目立ったし。


ほんと、この3日間で何があったんだろう。

新しいやり方、新しいメンバー、変化も求められる選手。

そうした中で、負けていいとは言うつもりはまったくないけど敗戦はちゃんとチームの栄養になってた。うれしい。
交代選手含めて全選手すばらしかったです~!!


2024年4月5日金曜日

翳りゆくひと。[022]


[022]

わたしの乗った飛行機は、予定よりも10分早く目的地に着陸した。

『すべての電子機器がお使いになれます』というアナウンスを聞いて、スマホの機内モードを解除した。と、表示されたのはあっちゃんからの4回の着信履歴。いったい何だろう。
妻からもメッセージが入っていて、それによれば、あっちゃんはわたしが向かっていること自体を忘れていて、マサさんが入院した、わたしに連絡がつかない、どうしよう、と妻に連絡をしてきたということだった。もう向かってますよ、ということで安心したようだったそうだ。

とりあえずあっちゃんへの折り返しは、やめておくことにした。
それからあっちゃんの記憶力のことを、いちいち嘆くのもやめておこう。しょうがないことなんだと繰り返し自分に言い聞かせて。

あっちゃんのマンションに到着し、時計を見るとすっかり夕方になってる。やっぱり遠いな、と改めて思う。

「マサさんの様子、どうだった?」
「別に普通だと思うけど」
「でも動けないって聞いてるよ」
「そんなことないと思うんだけどね」

あっちゃんは、マサさんが倒れた事実を受け入れられてないのだろうか。
ただ、会話を続けると、ゴミ出しに出たときに転んだことがあるとか、そのときに通りがかりの若い男の人に助けてもらったとか、その男の人とよしおか病院でばったり会ったとか、そんなことを話してくれる。
もしかしたら、その男の人って、デイサービスのサダカタさんじゃないのかな、断片的な記憶があっちゃんの脳内で再構築されてるのかな、などとわたしは思いながら話を聞いていた。

いずれにしても、マサさんの入院は当面続くはず。仮に退院となってもエレベーターのないマンションの4階に住むのは非常に困難だと言わざるをえない。だから何らかの施設に移ることになるのだろう。

「しばらくはひとり暮らしになると思う」
「そうなのかしら」

それでもそういうことになるからと繰り返し説明をして確認をした。
もちろんあっちゃんが納得できているのか、そして記憶できたのかは定かではない。

そのあとは例によって銀行口座の通帳記入を。
公共料金とマンションの管理費が、年金受給口座であるFA口座からの引き落としに変更になっていることが無事確認できた。これでライフラインはひと安心だ。
細かい引き落としが継続しているN銀行の口座には、少しばかり入金をしておいた。

月々の支払い関係が解決したのはいいのだが、今後のことを考えると保険とか資産とか、そうしたものを整理しておく必要があるのだろうな。
ただ、あっちゃんは「マサさんがやってるから」と完全に人任せだったわけで、今の段階で何かできることはないか。
次になにがしかの確認手続きがあるときに、個々に対応していくしかないかな、わたしはそんなふうに考えることにした。

ふと思い出して聞いてみた。

「そういえばこないだ来たときになかった、マサさんのスマホって見つかった?」
「さあ。持っていってるんじゃないの」

呼び出してみても『電源が入っていない』は続いているけど、今のこの段階では解約とかするのはやめておくかな。
わたしは消極的にそう選択した。

この日の夜はスーパーで買ってきた弁当をあっちゃんとふたりで食べた。
難しい話は抜きにして、マサさんの転勤で引っ越したあちこちのこととか、楽しく昔話をして過ごした。

あっちゃん、昔話なら大丈夫なんだな。

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2024年4月4日木曜日

バランスの落としどころ。

FC東京 2-1 浦和●

わしゃあのチームには特に負けたくないんじゃぁ!
逆転負けとかむちゃくちゃ腹立たしいわ!!

以上!!


とは言いつつも、一応は振り返ってみたりはする。

結論から言うと、内容的には負けて当然だったかなと。
あれだけバイタルがスカスカになれば、そりゃやられるし(VARで取り消してもらった失点も含めて)、昨日の濡れたピッチコンディションならなおさら。

「それでも西川なら」というのが昨季。それが2試合続けてニアを抜かれる、そしてエリア外からノータッチで決められる・・・・これはいろいろ覚悟も必要かもしれない。

バイタルスカスカ問題は、もちろんアンカー1枚という構造の問題もあるんだろう。昨シーズンだったらシュートブロックに誰かが入っていたのが誰も行けてないシーンが目立つ。
それだけでなく、SB、特に酒井(涙)の守備が不安定すぎて、IHがそちらのサポートに回らざるをえなくなってる、というのも拍車をかけてる・・・・ケガという話もあったので一概には言えないとは思うけどさ、もう過度な期待はできないかな。

とはいえ、ヘグモさんとしては「打ち合い上等」なはずで、それはある程度許容しながら攻撃に迫力が出れば、とは思うのよ。ただ、チームとしては昨季の残像なのか、「守れるはず」という思いが軸足を後ろ寄りにしてしまってるような気がしてならない。
守備面で特徴の少ない攻撃陣が前へ前へ、対して、守備陣の意識が後ろなら、そりゃ中盤にスペースが出ちゃうよね。
本当なら、もっと積極的に全体が高い位置でコンパクトにして、アグレッシブな守備から攻撃につなげて行きたいのだろうけど、なかなかリンクしてくれない感じだ。
リンク面は岩尾がかなり面倒見てたのに下げちゃったからな。投入すべきは小泉だったも。

でも、単純に攻撃だけを考えると、縦パスが多く入ったり、そしてペナ角で前を向けたり、昨季はあまり見られなかった形が多く出てきているという印象も確かにある。
渡邊の巻いたシュートの形とか。あれが入っていれば普通に勝ってたね。

選手個々の特性、メンバー構成、配置、そして意識の統一・・・攻守のバランスの落としどころが、6試合終えてまだ見つかっていないってところか。

なんだ、改善の余地しかないな。良くも悪くも(泣笑)。

だから、まだまだ諦めんよ。腹立たしいがな。


2024年4月3日水曜日

続・ゴーストバスターズ。

今回今さらながらに見てみた映画は「ゴーストバスターズ アフターライフ」です。金ローね。

リブートされた2016年版「ゴーストバスターズ」の続きではなくて、旧作の「正統続編」ということらしいです。あれだ、「ターミネーター:ニューフェイト」みたいな話だ。


そうだな・・・映画としては特に言うことはないかな。いい意味で(^^;
ちゃんと「ゴーストバスターズ」だったと思うし、現代ならではの映像表現も楽しめたし。

印象に強く残ったのは、「正統続編」だからこそのラストシーン。

“会えないはずの会いたかった人と会えて、なのにその人が直後に消えてなくなったら”

そのとき僕は、良かったと思えるだろうか。
それとも余計に悲しく思ってしまうだろうか。
願ったことを後悔してはしまわないだろうか。

大難問である。


2024年4月2日火曜日

自宅トレーニング[シーズン3]#18

「継続は力なり」ということは重々承知の上なのですが、やっぱり僕にとっての最大の敵は「飽き」なのです。

ということで少しばかり新しいメニューを加えてみました。
それはアイソメトリックス的なもの。雑に言うと、最大出力で動かないやつね。


すごく効きそうです。ただ、効果が出てくるのには時間がかかりそうです(涙)。
その前に飽きちゃいそうです(爆)。

そもそも動かないのはつまんないですし(←をい)。

【2024年3月度】
加圧トレーニング:1回[自宅トレ通算231回目]
寝起き素振り:20回
月間さんぽ歩数:約34万歩

計測
前月比:   体重-0.4kg 体脂肪率+0.1pts
前年同月比: 体重-1.0kg 体脂肪率±0.0pts
2013年7月比:体重-8.1kg 体脂肪率+4.1pts

前月のトレーニング→コチラ


2024年4月1日月曜日

連勝への渇望。

同じ1勝1敗なら、Game1の敗戦を糧にして、カムバックする形でGame2で勝利するほうがなんとなく気分がいい。

逆にGame2で負けると、Game1でどんなに選手が躍動して、どんなに持ち味を発揮して、どんなに快勝だったとしても、その印象が薄れちゃうのよ。

三重 71-84 東京Z○

三重 84-80 東京Z●

でも今節に限って言えば「勝つならどっち」とかそういうことじゃなくて。
置かれた自分たちの状況、そして相手の内容を考えても、きちんと2つとも勝たなきゃいけなかった。ちょっと失礼な言い方になってますね。すいません。

Game2は相手が対策してくることは当然わかってるはずで。
あのぐらいで何をあたふたしてんのよ・・・連勝できない「課題」がまた追試になっちゃったじゃん。
先週大森でできたことが、なんでできなくなっちゃったかなぁ・・・。


まったくこのチームってば、いい意味でも悪い意味でもドキドキさせてくれるわ(半笑)。


書きたいことが何もない。

人生楽しいことばかりでたまらん。
夢と希望しかない。
ブログに吐き出す愚痴なんてぜんぜんないよ。

・・
・・・エイプリルフール。