2023年6月30日金曜日

ナツ・ポロ。

今年の夏はTシャツが欲しくていろいろ物色してたんですけど、気に入ったのがちょっとお高かったり、何より「めっちゃ持ってんじゃんオレ」という現実を把握するに至り、今シーズンは見送ることといたしまして。

でも何も買わないのもねぇ(笑)。

そんなこんなで夏の通勤用に鹿の子のポロシャツを1枚買いました。
ジャケット着てればまだしも、仕事に襟なしシャツ1枚で行く勇気はない。


本当はラ●フローレンとかラ●ステとかがいいんですけど、それこそお高いし(今回買ったポロが10枚ぐらい買えちゃうぞww)、どうせワンシーズンで襟のところが汚くなっちゃう(おっさんの汗を甘くみるなよww)から、プチプラで十分なのです。

買うときにちょっと考えたのがサイズ。
結局ジャストサイズにしたんですけど、ワンサイズ上にしたほうが風通しが良かったかなぁなどと思ったり思わなかったり。

サイズの件で言うと、昨今オーバーサイズのシャツが流行してますが、あれ、おっさんが着るとただのだらしない姿に見えてしまうと思うんですよ。
シュッとしたナウでヤングな人が着るからサマになるんであって、あれは僕らが手を出していいものじゃない、と思ってます。ちょっと試着してみようかと思ったのはナイショだ。

江口寿史センセの描く「ラルフローレンな彼女」もぜひご覧ください。
このサイズ感!絶妙!!→リンク先インスタの7枚目

なんてことを思ってたら、息子2号がシモキタの古着屋でラ●フのポロを買ってきて(もちろんオーバーサイズで)、シュッと着こなしててうらやましい(悔しい)。


2023年6月29日木曜日

底上げ進むチーム力。

女子バスケットボール日本代表、アジアカップ6連覇に向けて視界良好!!

AUS 66-91 JPN○

アップセットの少ないバスケットボールで、やはりランキング上位との対戦は厳しい――はずだったんだけどね。強いぞ、Akatsuki Japan!!

いくつか要因はあるんだろうけど、ひと言で言うならば「IQ」かしら。
高さの差がある相手に対して、どういう守り方をするのか(この試合はスイッチ/ヘルプからのローテーションがとんでもなく速くて正確だった)、どうポジションを取ればリバウンドが確保できるのか、そうしたチーム戦術をベースにした戦い方が高度に成熟してた、という気がしている。

それからもうひとつは「チーム力」とでも言うのか、セカンドユニットになってもパワーが落ちないし、組み合わせを変えても機能不全にならないところも大きい。
恩塚さんがHCになってからずっと取り組んできた(と思う)プレータイムのシェア。1試合の中での強度を維持できるということ、こうした長丁場の大会でのフィジカルコンディションの維持――当初いろいろ言われてるところもあったようだけど、しっかりと底上げが進んでいるという感じだ。

だから1Qでぜんぜんスリーが入らなくてリードされてても「こりゃ苦しい」という感じにならないんだよね。ランキング上位相手だろうと関係なく、自分たちのスタイルに対する確信めいたものを持ってるんじゃないかな。
2Qのスリーは70%とか恐ろしい確率。

グループリーグを1抜けしたことで休養は1日多く取れるし、6連覇、期待しちゃうよ??


個人では特にオコエのプレーに驚いたな。
シュートの技術、その引き出しがすごく増えたように思うし、もともと強かったフィジカルがさらに磨きがかかってるし(使い方が上手になったのかな)、ゴール下ではヘルプに行くスピードがとんでもなく速いし。
海外に行く選択が、今、成果になって現れてきてるって感じ。すばらしいです!!

サムネの写真、めちゃくちゃカッコイイ。


欲しかった複数得点。

いわゆる「ドロー沼」に沈みかけてたチームにとって、複数得点それも4得点での勝利というのは、とにかくシンプルに喜ばしい。
今の守備陣なら2点は取られないから、複数得点さえできれば、ということ。

○浦和 4-1 湘南

もちろん相手の守備対応がかなりルーズだったことは割り引いて考えなきゃならないんだろうけど、とかく下位相手だと「やらかしがち」な浦和レッズさんですから、勝ち切っただけでもオッケーってことで(^^;
他人様のことだけど、湘南の守備はかなり混乱してたなぁ。そこらじゅうにスペースあるし、個の対応も遅れるし判断悪いしねぇ。

ここのところコーチ陣のインタビューでも言われていた「シュート意識」みたいなものがはっきりと形として表現されたのも良かったっすね。

それが一番見えたのは関根だろうね。特にチーム2点目となったドリブルは「あのころの関根」が・・・(感涙)。


あとこの試合のキーは大畑。
明本と荻原がケガという中で、基本技術の高さとか、状況判断の正確さとか、やっと本来のパフォーマンスを出してくれた。左サイド、頼んだよ。
もしかしたら今季は組んだ左SHとの相性だったんかなぁ。


もうひとつ腰が浮いたシーンはこの場面(↓)。デュエルの強さとスペースを見つける視野と判断の早さ、そしてもちろんパス精度。さすが日本代表(笑)。
カンテのシュートはちゃんと逆突いてるので、ライブだと「決めてくれ~」って思ったけど、リプレイ見たらすばらしいシュートだったね、しょうがないね、という感じでしたわ。


順位表を見るとちょっとニヤケてしまうんだけど、まずは目の前の試合をひとつひとつ、ですね。


2023年6月28日水曜日

さんぽニスト、日光御成道をゆく。その壱

日光御成道ってのは、将軍様が日光社参する際に使ったルートで、中山道の本郷追分から分岐して、幸手で日光街道に合流する、だそうです。旧岩槻街道とも。

で、その地図を見てて気づいちゃったんですよね。大門宿の先で、われらが埼玉スタジアムの近くを通るってことに(^^;

ホームゲームに合わせて行ってみますか!


一応、江戸城の大手門からスタートしますか。気分気分(^^;

神田須田町から旧中山道に。このあたり、すっかりおなじみになってしまったな。
神田明神、東京大学と通過して、本郷追分を直進していきます。

実はこの追分から先、王子までは「沿線ぶらりさんぽ~南北線編~」で歩いたところになるんですけど、あのときは夜中だったので、目に映るものがまるで別世界です。

東大本郷キャンパス、六義園(街道からは見えないですけど)、旧古河庭園、滝野川公園、飛鳥山公園と緑も多いし、神社やお寺も多いし、商店街もあったりで、あまりなじみのないエリアではあるんですけど、「いいねぇ」って感じでした。

そうそう。ちょいと寄り道してお参りした、吉祥寺
「あの吉祥寺」には吉祥寺はなくて、その名前の由来になったお寺は、今は本駒込にあります。超くだらない話ですが、「あの吉祥寺」は平板に『きちじょ→じ』って発音しますよね。でも「お寺」という前提で発音してみると「き」にアクセントが来て『き↑ちじょーじ↓』って感じになりますよね。
うん、やはり「あの吉祥寺」には寺はないのだ(←何それ)。

それからインパクト抜群だったのは、西ヶ原一里塚
都内の街道沿いにここまで大きく残ってる(しかも道の真ん中に!)一里塚ってそうそうないでしょう。夜通ったときにはぜんぜん気づかなかったわ(^^;
一里塚の保存にはかの渋沢栄一も絡んでたんだってさ。へー。


赤羽を過ぎ、岩淵宿――宿場の名残を発見する前に通り過ぎちゃってた――の先の新荒川大橋で荒川を渡って埼玉県に。向こう岸が川口宿になります。もちろん宿場ですから、住所は「本町」。
本陣のあったあたりで町の写真を撮ってたら、近所の方々に不審な目で見られたような気がします。なんかごめんなさい。

川口宿を出ると、国道122号線(岩槻街道)そして県道105号を北上していきます。
実はここから先はあんまり景色に変化がなくてねぇ・・・(^^;

宿場の風情も残る静かで落ち着いた鳩ヶ谷宿(ここも住所は「鳩ヶ谷本町」)、宿場ではないのに新井宿(笑)と通過し、東川口へ。
なんだか「沿線ぶらりさんぽ ~埼玉高速鉄道線編~」みたいだね。

ここまで来ると、もうレッズサポ的には「知ってるエリア」です。

茅葺の本陣の表門が残る大門宿、そして東北自動車道を越えれば次第に「赤い人」の姿も増えてきます。
それでは私もさんぽニストからサポーターに変身しますね。



今回の行程:大手門~本郷追分~岩淵宿~川口宿~鳩ヶ谷宿~大門宿~埼玉スタジアム(GoogleMapのマイマップ→リンク)。ランチは、駒込赤羽でらーめんを狙うも混雑で回避。結局川口元郷と南鳩ヶ谷の間の牛丼チェーン。デザートにコンビニでCoolish(うまし)。


2023年6月27日火曜日

ウタが歌をUTAう。

今回今さらながらに見てみた映画は「ONE PIECE FILM RED」です。

とにかく『いやーすげぇな、Adoさん(ごくり)』という感想ですね。
彼女のボーカルがなければこの映画はまったく成立しないし、楽曲そのものもいいんでしょうけども、それをストーリーの進行に合わせてカラフルに歌い上げるその力量そのものがすべてだったかなと。いやーすげぇな。

常に音楽が鳴り続けるある意味「ミュージカル」なわけですが、これは劇場の音響装置の中で体験したほうが何倍も魅力的だったんだろうな、と思いました。


最近の本編「ワンピース」の原作やアニメ、ぜんぜん追いきれてないので、麦わらの一味と他の登場人物・組織との関係性みたいなところはさすがにちょっとクリアではないところはあったんだけど、それでも絶望的に何が何やらってこともなかったし、一方で冗長にならないようなバランスはとてもよかったと思います。
もちろん主要キャラクターたちは大活躍だったし。

ただ――。以下ネタバレるぞ。

麦わらと赤髪は実際には出会うわけにはいかなかったし(それは本編のラストだろうから)、麦わらは強く成長しすぎたから単純な敵役を出すだけじゃもはやドラマが成り立たないし、そうした制約の中でのプロットは練られてたなとは思うんですが、逆にウタという本作のゲストが際立ちすぎたかなという感触もある。前述のボーカル力の話も含めて。

だってこの話、麦わらの一味がいなくても成立しちゃうのよ。
極楽浄土を民衆に信じさせ、洗脳し、意図して集団で破滅へ向かおうとする暴走主人公のホラーな作品として。

いいのかそれで、という疑問というか何というか、つまりこれは「ワンピース」だったのだろうか、と。



2023年6月26日月曜日

また引き分けという結果に。

互いにGK絡みのミスで失点して、互いにゴール前の迫力が不足、ということで結果そのものは妥当だろうし納得ではある。
リスペクト川崎様におかれましても、相手にブーイングし続ける「意味」みたいなもの、ご理解いただけたのではないかしらね?

△浦和 1-1 川崎

めちゃくちゃ閉塞感のあるゲームだった、という感じではなかった。もうひとつ何かが、というところまでは来てる感触はある。あるんだけども。

結局2列目なのかなぁ。

大久保には惜しいシーンもあったし、久しぶりにギラギラした感じが見えた関根には期待感あったけども、本来トップの高橋は終始守備のタスクに追われてしまったし(「守備に1000%」という表現には笑った)、途中交代で入った小泉に至っては・・・。
モーベルグ、リンセン、シャルク、松崎はベンチ外だし。

今は何かのキッカケをつかめるまでは「負けずに」やり過ごしていくしかないんだろうか。


オウンゴールについては気にしてませんよ、僕は。岩尾は気にしてくれ。


2023年6月22日木曜日

今や電話はブラック(黒電話)。

少しばかりイカタコばりに黒いモノを吐こうかと思います。

*  *  *

オフィスの電話が鳴る。

『急ぎ折り返しご連絡がほしいのですが』

さぞ緊急かと思ってリモートワーク中のスタッフに連絡を取ったら、ずっとメールでやりとりをしてた打ち合わせの日程の件“だけ”だった、と。
えーっと、あなたの肩書(部署名)に「デジタル」の文字が入ってるんですよね?

メールしないで電話してくる人って・・・ひとつは自分の言葉を証拠に残したくないから、もうひとつは文章を書くトレーニングがまったくできてないから、という2つの仮説を持っているのだがどうだろう。
文章を書く≒コミュニケーションでもあるので、トレーニングはしといたほうがいいぞ。


オフィスの電話が鳴る。

『メールしたとお伝えください』

いやいや、私、今「メールは常に確認していますので」と申し上げたばかりですが。そらまあ伝えますけども。
えーっと、あなたの会社ってテクノロジー系の会社でしたよね?

もしかして、メールしたら電話して伝えるのがマナーとか教えてる会社ってまだあったりするんかな。それは嘘マナーっすよ。ク●マナーっすよ。相手の都合を含めた時空を越えるのがメールなのに。


オフィスのFAXが受信する。

なになに、『返信はFAXでお願いします』ってなんやねん。御社、確か「企業のDXをサポートする」って思いっきり言ってませんでしたっけ?

メール添付なら物理的な壁は越えられるけど、FAXとして印刷された瞬間、紙は「その場かぎり」になるんだぜ。知ってた?
リモートワークと相性悪すぎるんよ。


この数年、ある意味強引な形で世の中の働き方が変わったりデジタル化が進んだと思ってたんですが、案外そうでもないんかなぁ。

今どき、PCの前に座ってるのにメール常時チェックしてない人っているん?
仕事なんだから見てるでしょ。しかもテレワークという状況ならなおさら気にするでしょう。

返信は秒で返さなきゃならないの?
そんな付き合い始めたばかりのカップルみたいな脊髄反射はできないでしょ。むしろ仕事なんだから、そんな反射みたいな回答じゃ困るでしょうに。

ブラックで無駄な電話は(含む営業電話)はぜひともなくしてくれ。
よっぽど生産性は上がるぞ。

実は5年前にも「でんわにでんわ」という投稿で“NO MORE 時間泥棒”って同じような話を書いてた。
5年経って、ぼくたちの周辺はかなり変わったような気がしてるんだけど、みなさんはどうですか。



2023年6月21日水曜日

さんぽニスト、旧東海道をゆく。其の十一

梅雨の中休み、急に思い立って東海道さんぽに行ってきました。前回ゴールの島田宿からのリスタートです。

島田を出ると、何はともあれ“越すに越されぬ大井川”です。
「大井川川越遺跡」(かわごえ、ではなく「かわごし」なんだってを横目に土手に出て、そして大井川橋の袂へ。

なんと長い。そしてなんと細い歩道。しかも足元左右から下が見えるじゃん・・・高所恐怖症にとって、本日最大の挑戦が今始まる!!(←大げさではなく、マジで)

風対策で帽子は脱いで握りしめ、目線はとにかく前。できるだけ欄干に近づかないように歩道の中央を、お尻ムズムズぞわぞわしながら進むこと約10分(!)、ようやく向こう岸、遠州へ。弥次さん喜多さん、俺、渡りきったよ!怖かったけどがんばったよ!!


土手を降りて向こう岸の宿場、金谷宿に入ろうというところで「ぽーーーーーっ」という汽笛が聞こえてきました。
そう、本日最大の目的が、大井川鐡道の新金谷駅で「きかんしゃトーマス」を見ることなのです!
だから島田宿の出発時刻もちゃんとそれに合わせて逆算しておいたのです(^^;


定刻10時38分、発車の汽笛が響く。あとはスマホの赤い動画撮影ボタンをタップするだけ――が、『本体の温度が上昇したためカメラ機能の一部は使用できません』というメッセージとともに唐突にカメラアプリが落ちました。トーマスは固まった笑顔でゆっくりこっちに近づいてくる。アプリは立ち上がらない・・・・「いってらっしゃーい」と手を振り見送るだけの私でした(号泣)。
興奮してたのかずーっとカメラ起動した状態で、しかも握りしめてたからなぁ。気温もめちゃくちゃ高かったし、それで熱暴走したんだろうなぁ。くっそー、よりにもよってこのタイミングで。いつか必ずリベンジしてくれる。待ってろトーマス(早く全線復活するといいね)。


そんな感じでややへこみ気味なメンタルのまま金谷宿を通過、JR金谷駅の脇から急激な上りが始まりました。
実は今回、大井川とトーマスのことばっかり考えてて、歩くルートのことをあまり考えてませんでした。アップダウンがありそうなことはある程度イメージしてましたが、まさかこんなに急勾配だったとは・・・
直線的に急勾配の金谷の石畳を上り(ふうふう)、直線的に急勾配の菊川の石畳を下り(はあはあ)、ようやく間の宿の菊川に入りました。うん、間の宿の必要性を痛感(笑)。

【間の宿菊川でのエピソード】
菊川の案内看板を見ていると、ショッピングカート押した腰が直角近くに曲がったおばあさんに声をかけられました(相変わらず「声かけられがち」な私)。
「どこから来たの」島田からです。「家は」東京です。
「あー東京・・・そう・・・だわね~」(方言なのか何なのか、半分ぐらいしか聞き取れず)
「(看板に書かれた昔の住人の名前を指しながら)・・・じろうで四代目・・・じろうは左さんずいで・・・が間違えて・・・」(さんずい・・あ「治郎」か。でも二郎さんちも次郎さんちも看板にないんだよなぁ)なるほど、四代は長いですね~。
「このあたりは、島田市・・・榛原郡だったかから」ああ、合併したんですね。
「こどものころは・・・歩いて・・・学校・・・バス・・・よ」(たぶん今は通学にバスが使えるけど昔は歩いてたってことかな)そうでしたかー、大変でしたね。
「・・・が・・・で・・・・ね」(いかんだんだん早口になってきた)そ、そうですねぇ(生返事)。
ではそろそろ先に進みますね。どうぞお元気で。「・・・ねぇ」(もう少し話し相手になってあげればよかったかしら・・・)【ここまで】

菊川を過ぎると今度は「小夜の中山」の峠道。まさかこんなに急勾配だったとは・・・(本日2度目)。舗装してあるので歩きにくいということはないけれど、それにしても急。
でもね、目に映る茶畑の景色がそれはそれは綺麗でね。息は上がるけど目には保養(^^;

1キロばかり上ってきただろうか。ようやく峠の頂点に。
峠の茶屋「扇屋」のおかみさんが出てきて、周囲の案内やこの先の道のことなど、いろいろと教えてくれました。おみやげものも売ってたみたいだけど、そんなことおくびにも出さず・・・商売っ気なさすぎだろうに(^^;

峠道はゆるゆると下っていきますが、おかみさんに言われてたとおり、沓掛というあたりから一気に下り斜面が急になります。その斜度のまま「二の曲り」というつづら折りも。よくぞこんな道作ったな、と妙な感慨を味わってると・・・。
写真を撮ってみるも、斜度って写真に残らないよね・・・。なんで、イメージ的にはさすがです!な広重の絵でも見てくれ。まんまこの感じだから→Wikipedia『東海道五十三次之内日坂宿

【二の曲りでのエピソード】
峠の茶屋あたりの案内看板に書かれてたとおり、このあたりは道幅といい斜度といい確かにここはクルマは無理だな、と思いつつ下ってたら、道の端っこに新しいタイヤ痕が。んー?なんだろ?と思いつつさらに下っていくと、100メートルほど下の視界が開けたあたりに、豪快に脱輪してる軽ワンボックスが。このクルマのタイヤ痕か。
若いおにいさんがタイヤ周辺でごそごそやってます。「あの・・・脱輪っすか?お手伝いできることあります?」って聞いたところ、なんでもこの急坂を上ろうとしてたら、急勾配すぎてエンジンストール(なんと。でもそらそうかという気も)、そのまま下がってきて脱輪したんだとか。ただ上手に(?)脱輪してるんで石をかませれば脱出できそうなんでダイジョブです、と。ホントか?と思ったものの、やたらにさわやかな笑顔でそう言われたんで信じることにしましょう。
おにいさん「地元の方っすか?」ぼく「いえ、東海道をさんぽしてて」おにいさん「へぇ、がんばってくださいね」ぼく「いえ、あなたこそがんばってください(おまえががんばれよ、の意)」。
無事に脱出できてたらいいのだけれど。つか、あの道上るのは無理よ。【ここまで】

国道1号の高架をくぐって県道を渡ると日坂宿に入ります。
にっさか、ってめっちゃ重箱読みっすね。個人的には「日」は「ひ」と読みたくなりますが(^^;


決して大きい宿場ではないですけど、穏やかな町の空気と往時をしのばせる建物・・・・いいっすね、ここ。フォトジェニックって言ったら失礼かもしれないですけど。

日坂宿を出ると、逆川沿いに掛川宿に向かって緩やかに下っていきます。
大半が県道(国道1号線の標識もあったので、バイパスができる前は国道だったとか?)で、ぽつぽつと建物があるだけなんで、キョロキョロとしながら歩いてても変化に乏しくて、なんと言うか、少しばかり退屈(失礼)。

それでもだんだんと家の数が増えてきて(逆に1軒あたりの敷地が狭くなる)、背の高い建物が見えてきて、町が近づいているなという実感。そして「七曲り」を経由して掛川宿のエリアに入っていく。

七曲りのようにカクカクと曲がるのは城下町のお約束ですよね。せっかくなので掛川城に寄り道しましょうか・・・あ、入場料取られるのか。天守閣(日本初の木造復元天守閣、だそうです)も見えたし、「四足門」のところでUターン(^^;


掛川と言えば『トシ、サッカー好きか?』だよなぁ、やっぱり。え?知らん?

日中かなり暑かったから、ちょっと疲れもあるかな。いや、まだ平気だよ、そう身体が言うので、先へ進みましょう。

日坂から掛川の区間と同様に淡々とした道を進んでいる感じだったのですが、間の宿原川周辺、それから袋井市に入って市街地に入ろうとする直前あたり、旧東海道には松並木が保全されていました。正直小田原の松並木より全然立派かと。

うんうん。これぞ旧街道だよね。いい気持ち~。

とか言って上ばかり見て歩いてますと、松の根っこが歩道のアスファルトを押し上げてて、それにつまづいて転ぶからな、気をつけなはれや。

袋井市役所の前を通過し、「東海道どまん中茶屋」という名前の観光案内所のとこから袋井宿に入ります。
そう、ここは日本橋から数えて27番目、京都三条から数えても27番目の宿場町。「どまん中」なのです。


ついに半分来たよ。いや、まだ半分しか来てないのか。
ちょいと複雑な感じではありますが、そろそろ帰らないと。「東海道の半分歩いた」という事実を胸に、今日はここまで。


【袋井駅でのエピソード】
帰りはぜいたくにも新幹線を使いましょう。駅員さんのいる窓口できっぷ買うのって超久しぶりだわ~。自販機なかったよね?
ぼく「東京都区内ゆきの乗車券、それから静岡から品川までの新幹線自由席ください」
駅員さん「はい、こちらカードの利用控えときっぷ2枚、乗車券と新幹線の自由席券です」
自動改札にきっぷを通して、熱海行きの在来線に乗り込む。「あれ?」何か違和感があるぞ。脳内で間違い探し・・・・。
アナウンス「次は掛川、新幹線ご利用のお客様はお乗り換えです」
あ!!!
新幹線のきっぷには間違いなく「静岡-品川」の文字。違うじゃーん(泣)。窓口で掛川って言わなきゃいなけかったのに静岡って言っちゃってたよ・・・(@_@)・・・・そのまま何事もなかったフリして静岡まで在来線で行きました、とさ。【ここまで】

今回の行程:島田宿~金谷宿~日坂宿~掛川宿~袋井宿。ランチは「扇屋」のおかみさんに教えてもらった「道の駅掛川」に寄り道して。ほかに食べられそうなところがまったくなかったので助かった。自然薯を使ったとろろ丼がものすごく美味くて元気出たぞ。おみやげは静岡駅の乗り換え(笑)で買ったお茶のクッキー。


2023年6月20日火曜日

デウスでっす。

今回今さらながらに見てみた映画は「DEUS/侵略」です。

宇宙空間で見つかった謎の「球体」へ向かった調査隊。人工冬眠から覚めると球体の解析は進んでないわ、球体からは“DEUS”、すなわち「神」というメッセージが届くわ、もう疑心暗鬼の塊になっちゃった中、調査のために球体に降り立っちゃう――。


DEUSっちゅうぐらいで、宗教寄りの観念的な宇宙モノかしらと思いながら見てたんだけど(特に音楽がそういう雰囲気を作ってたかな)、だんだん「ん?」という気持ちになってきて、実際お話はその「ん?」のとおりになってって・・・。

ちゃんと「つじつま」は合ってるので、物語が破綻しているというつもりはぜんぜんないんだけど、ねぇ。

登場人物がものすごく少ないのにそれぞれのキャラクターが見えないまま数が減っちゃうし、サスペンス的部分もSF的設定も「うんうん、そうね」って感じだし、映像も・・・そうか、映画に必要な「ハラハラドキドキ」が足りなかったんだよ。そうだそうだ。

・・・で、「侵略」って何よ。邦題つけたの誰よ。


2023年6月19日月曜日

矛先の収め方。

そりゃまあ生きてりゃいろいろ腹立つこともあります。

(o´(エ)` o).oO(...このやろ、偉そうにしやがって)

でも、いち社会人としてはそれをいきなり口に出したりするわけにはいきません。近い未来がロクなことにならないことを知ってますから。

頭の中にいったん留めましょう。

普段からこうしてブログを書いていると、思ったことを「文章として構成しようとする」習慣があるみたいです。
文章にするには、いろいろ整理はしなきゃならないし、筋道というか順序立てみたいなことも考えます。

(o´(エ)` o).oO(...あたりまえだと思ってんじゃねぇよ)

頭の中の憤りは、誰かに伝えるための文章にしようと模索する工程の中で、少しずつ消化/昇華されていくというか、怒りは怒りとして多少は残るものの、「言う/書くほどのことじゃないよね」というところに着地できたりしています。

対人関係とか自分の精神衛生上、案外いいのでは、などと思う今日このごろ。


まあ、納得してる・許してるわけじゃないんだけどな(笑)。


2023年6月16日金曜日

ザ・ウォール。

久しぶりのスポーツ小説は、(自分の中では)おなじみの堂場瞬一の野球モノ、「ザ・ウォール」です。

焔 The Flame」「ラストダンス」「20」と描き続けられてきた東京スターズのあるシーズンが舞台(登場人物もほぼ継続組)。


メジャーリーグに憧れる(しかもちょっと歪んだかぶれ方)をするオーナー(IT社長という設定がいかにも)と、与えられた環境でなんとか勝利を得んとする日本野球の代表みたいな監督との対立がひとつの軸となる。

その対立軸はなるほどおもしろいし、スターズの新球場の設定もなるほどとは思う。

でも、もうひとつの軸となるペナントレースの行方があまりにもロマンチック全開すぎて「そうなっちゃうよね」という感慨しか持てなかったことに加え、対立軸のほうも一方の背景をあまりにも描かれないがゆえに、実際には対立しなかったというのも残念だったかも。

堂場さんならもっと心象の奥のほうをぐりぐりと描いてくれると期待したのだけれど。
しかもラストシーンでオーナー、完全にキャラ変わってますやん。

ロマンチックなのはいいんだけど、本作は少々浅くはなかったでしょうか。らしくない。


2023年6月15日木曜日

大さんぽ。[そのご]

[そのよん]からのつづき)

リタイヤからおよそ1日半。僕はそのリタイヤの地、第6チェックポイントに立ってた。

「60周年記念事業」が文字どおりの道半ばで終わってしまったこと、悔しいともちょっと違うんだけど、なんともモヤモヤした気分が残ってしまった。
その日にたまたまNHKで再放送してた「トランスジャパンアルプスレース」のドキュメンタリーを見たことも影響はあったかもしれない。

家族に「87キロでリタイヤしたよ」と照れ笑いみたいな顔で説明してる自分もなんだか、ね。

だから仕事を早退して、やってきた。

シャツにパンツというお仕事スタイルだし、足元はスニーカーだけどロングを歩くようなタイプじゃないし、そもそもまだ体のあちこちが痛いし、それこそ足の裏のマメなんて治ってるわけないし。でも、今日は昨日と違って足が動くから。

歩き始めて、いろんなことを考える。あのまま続けてたらどうだったろう。

正直に言えば「やっぱり無理だったかな」と。なまじ道のことをよく知ってるから、あそこまであとどのぐらいある、それがものすごい重圧になるだろうことは想像に難くない。しかもいつもよりも圧倒的にペースが遅いのだ。その時間に耐えるのは・・・。
おまけに家にすぐに帰れる駅もあるし。たぶん泉岳寺とか三田のあたりでポッキリ折れてたと思う。
ましてや銀座で右折して、有明に向かうと現れる連続した大きな橋。あれを越えられたとは到底思えなかったから。


だからリタイアしたことは「しょうがない」で納得した。今日はただ決着をつける、ただそれだけ。

【Goal有明ガーデン 100km】


手元の時計でこの日は2時間52分。小田原から通算すれば、実に55時間10分でのゴールだ。制限時間大オーバーで失格だ(笑)。
ゴールしても特に達成感みたいなものはなかった。ただのつじつま合わせだからね。
ただ「終わったな」という気持ち――それを達成感というのかもしれないけども。

そしてもうひとつ。

「自分と向き合う時間を」なんて思って始めたこのトライだけども、結局誰かに褒めてほしかったんじゃないかなって。
だから応援してくれた皆さん、本当にありがとう。
その気持ちに気づけたことが、一番の思い出になりました。

さて、僕はエクストリームではない、「普通のさんぽニスト」に戻りましょうかね。

おまけ。家への帰り道、ふと歩数計アプリを立ち上げてみたら、見事にぴったり100キロ歩いてて笑う(^^;


後日談。あれから10日、かかとにできてたマメが固まって(角質化?)、それが両足ともベロっとむけた。2センチ×3センチぐらいのサイズで!
そしてその下からは新しい皮膚が・・・すでに硬かった(笑)。

(おしまい)

いち][][さん][よん]<[ ご ]


2023年6月14日水曜日

アリ寄りのアリ。

生活習慣な通院11回目。
前回の通院の話は→コチラ

8週間ぶりの血液検査の結果は・・・変化なし。ブログのネタとしても困るがな(違)。

まあね、正直食事もおざなりだし、「そのわりには」という気もしないでもない。

だけどこの数値になってもう半年以上、前回は『横ばいも悪い話ではない』と言ってたドクターも、ちょっと思うところがあったようで。

「一定のコントロールはできていると思います」
「ですが数値が変わらないので薬を変えてみる方法もあると思います」
「アリかナシかで言うと、アリ寄りのアリだと思います」

そうまで言われると、「どうしますか」に対して「変えてみましょうか」と答えるしかないじゃん。


というわけで、2種類もらってる薬のうち1つを変更することになりました。

基本的には2つの有効成分が混合されている薬なのですが、その比率が変わるものだそうです。名称で言うと「○○A」が「○○B」になると。
「○○B」のほうが少しお高い気がする(涙)。

まだ10日分ぐらい手元に残ってる「○○A」を飲み切った後から「○○B」に変更します。
さて結果はどうなりますやら。次回も8週間後。


2023年6月13日火曜日

大さんぽ。[そのよん]

[そのさん]からのつづき)ナイトセッションの話は長いよ。

着替えのために数分足を止めた後、再び歩き出すときに足全体が固まったような感触があった。想定(期待?)よりもかなり早いタイミングで「粘りモード」の時間帯がやってきてしまったようだ。
そうか、前半飛ばし過ぎというのも原因か。後悔先に立たず。

道沿いにラーメン店や牛丼店の看板がいくつも見える。晩飯の時間だし確かに空腹感はあるのだけれど、食欲がないというヘンな状態だ。それも体の疲労なのか。ゼリードリンクで補給。

うっすら明るさを残していた西の空も漆黒に変わった。ところどころの街灯とクルマのヘッドライトが歩道を照らすのみ。
カバンの中からヘッドマウントライトを取り出した。あ、電池切れてるがな。持ってて良かった予備乾電池(^^;
日が暮れた時点で帽子も脱いでたので、首から下げて足元を照らすスタイルで。

江ノ島みたいに「ずーっと見えてるのになかなか着かない」より、先の見通せない暗い中で足元見つつ一歩ずつ、ってのは悪くないんじゃないかな。そんなことを考える。まだポジティブね、俺。

ところが問題はその「一歩」
戸塚の大坂を下っている最中(箱根駅伝で言うところの9区に突入)、突如として一歩踏み出すごとに足裏から突き上げてくるような鈍痛が脚部全体に上ってくるように。
やはり下り坂での負担は大きい。

戸塚駅で東海道線を渡る跨線橋。上りは階段の角っこに土踏まずを押し付けながら「痛気持ちいい」を味わいつつ、下りはもはや足が出ない。おっかなびっくりだ。

戸塚駅

マラソン中継で、疲れの見える選手に対して解説者が「腰が落ちてる」と表現することがある。シロートのこちらは「ふーん」だったんだけど、今まさに自分にそれが起こってるんじゃないかと気づいた。
足元ばかり見ているせいか、姿勢が悪くなって、ちょっと腰が引けてるような感じに。となると当然足が前に出にくくなる(≒歩幅が狭くなる)。さらに腰回りにも負担がかかってくる。
足が痛くて歩幅が狭くなったから姿勢が悪くなった、のかもしれない。ニワトリか卵か。

スキーヤー的感覚だと“骨盤が寝てる”――チカラがちゃんと脚に伝わらない状態。
姿勢を意識しつつ歩みを進めるも、一気に推進力を失ってしまったようだ。

21:00、東戸塚あたりで初めて「お仲間」に追い抜かれた。目に見える目標ができても、追おう、追える、そういうマインドが出てこない・・・。

追い打ちをかけるように「マメ・靴ずれブロック」の中に(!)マメができたようだ。これも歩き方の影響かもしれない。脚全体の鈍痛に加えて、踏み出すごとのピリっという特に右足カカトからの痛みにも耐えなくてはならない。基本M気質なんですが、痛いのは苦手。

そしてその状態で迎えるのがかの権太坂。
クルマで走ったときにも思ったんだけど、権太坂は箱根2区よりも復路の9区のほうが厳しいと思うのね。とにかく上りが長いのよ。その長い坂を推進力を失いつつある足で、ひょこひょこと少しずつ進む。

「坂のいちばん上にある第3チェックポイントに着いたら休もう」、それだけを考えて。


【21:29 CP3横浜市児童遊園地 54km】


夜の児童遊園地は真っ暗で入口にはチェーンがかけられている。イベントそのものが中止なのだから考えてみればあたりまえなんだけど、そのあたりまえのことが考えられてなかった。
「ここで休めない」という事実にただ打ちのめされた。

休む場所もないから先に進むしかない。足をかばいながら、権太坂の急な下りをちびちびと進む。

15分ほどかけてようやく下りきって狩場ICを通過。とにかくこの権太坂でかなり疲弊した。足裏だけでなく、左のハムストリングスも痛みが走る――頭の中ではリタイアのことばかり考えてる。この先に保土ヶ谷駅がある――。

とにかく一回休憩だ。コンビニの駐車場の脇に座り込んだ。シューズを脱いで足裏を中心にマッサージ。ついに足裏、母指球の脇あたりにもマメが発生したようだ。「マメブロック」を貼っておこう(このとき全然違う場所に貼ってたという事実に気づくのは翌日帰宅してからである)。ワセリンも塗り足した。そしてストレッチ。

ここで何を思ったのか家族のグループLINEに『今日、家の鍵忘れてきちゃったよ』とメッセージを入れた。『お疲れ様』のスタンプととにも『今日帰ってくるの?』という返信が。そう言われたら『うん』とはなかなか言いづらい(←ええかっこしい)。リタイアのことは頭のスミに追いやって出発だ。

22:00。足が出ないのは変わらないけど、フラットな道なら大丈夫だ。ストライドがダメならピッチで進もう。粘れ粘れ。
だけど横浜って坂の街なのよ。西横浜駅のとこから右に折れて、野毛山のほうにひと山越えるルートが設定されてる。曲がらなければまっすぐ横浜駅なのに、なんでわざわざ(涙)。

坂でペースが上がらない僕の後ろに、2人組のお仲間が現れた。明らかに僕よりも速いはずなのに、なぜか5メートルほど後ろをぴったりと付いてくる。ペースメーカーにしようってのかしら。なんかやな感じ(←メンタルやさぐれ中)。と、余計なことを考えてるうちに黄金町。あ、ひと山越えちゃってた。気がまぎれるって大事ね(笑)。
でも足首、特に左足首の痛さは増してきた。

脳内ミュージックが鳴らなくなった。ずーっと「痛い」ばかり考えてるからだろうな。

南区役所前を左折して横浜港方向に向かっていく。そしてスタートからちょうど12時間経過、横浜大さん橋に到着した。足の状態はもうちょっとどうにもなりませんって感じ。粘るしかないと自分に言い聞かせてみる。

山下臨港線プロムナード

夜遅いのにずいぶん人が出てるのねー。あんな風にデートとかしたい人生だったよ。

24:00ちょうど、桜木町駅前を過ぎた。これで「今夜電車で帰宅」という選択肢は消えた、ということだ。たとえ帰っても鍵がないから家には入れない。覚悟を決めなきゃ。

みなとみらいのBMWのディーラーに横浜BCの河村勇輝のユニフォームが飾ってあった。BMWってビーコルのスポンサーだったっけ。単なるファンだろうか。個人スポンサーか?
気がまぎれるなら何でも考えたい。


【0:29 CP4ポートサイド公園 68km】


この公園にはベンチもテーブルもある。ありがたやありがたや。
とにかくマメの処置とマッサージ。もはやどこに塗ればいいかわからないので足全体にバンテリン液を塗りたくる。アミノ酸の補給もした。
10分ほど休憩して、何より呼吸が整った(ハーハー言いながら歩いてたので、唇がめちゃめちゃカサカサになってた。リップ塗った)。少しだけ元気が出たような気もする。よーし。

ここからは第一京浜をひたすら北上するだけ。
少し元気が出たような気がしてたけど、実際にはそんなことはぜんぜんなくて、信号待ちのたびに「次の一歩」が出なくなる。横断歩道半ばまで渡れば歩けるんだけど、最初の数歩が本当につらい――しかも信号多いし(涙)。

考えてるのは「えーっと鶴見まで何駅だったっけ」と並走する京浜急行の駅数。次のチェックポイントは川崎なんだけど、鶴見鶴見と思ってたのは箱根駅伝のことかな。まあ考えても残りの数が多いと逆にがっかりするんで途中で考えるのやめたわ。

信号での歩き出しに難儀してるのに加えて、歩道の微妙な段差・傾きが如実に足への負担になり始めた。特に遊行寺の坂からこっち、ずーっと大通りの右側の歩道を歩いているので、歩道は基本的に左下がり。だから特に左足首への影響は大きい。いや普段そんなこと感じたことないけど、そうなんだからしかたない。

第5チェックポイントまでの11キロが絶望的に遠い。深夜の国道は人気も変化もなくてそれもつらい・・・。
「ここからタクシーで帰ったらいくらかかるだろう」。そんなことを思いながら、ちょっとずつちょっとずつ。

箱根駅伝 鶴見中継所(1→2区)


【2:56 CP5稲毛神社 79km】


「誰だよわざわざ歩道橋を渡るルートを設定したのは」とぷんすかしながらそろりそろりと階段を下りて第5チェックポイントへ。でも神社だし、当然のように真っ暗。お仲間らしき一団も写真だけ撮って素通りしていく。

でも僕は休みたい。隣のビルの入口のちょっとしたスペースに腰を下ろさせてもらった。ごめんなさい不審者じゃありませんのでー。

ここでもまたリタイアのことを考えてた。川崎駅前のバス停に行けば・・・。でもまだ始発まではずいぶん時間があるからなぁ。

第4から第5チェックポイント間の速度はついに時速4.5キロを割り込んだ。
序盤の貯金があるからトータルではまだいいペースなんだけど、その貯金が今や借金の元になってるんだよね、たぶん。

このペースなら最も間隔の短い次のチェックポイントまで2時間ぐらいか。
いやあまり考えるのはやめよう。目標を小さく持つことにしよう。まずは「東京都に入る」。それから「俺たちの大田区総合体育館」、そして「夜明けが見たい」

六郷橋でついに東京都へ

歩く速度がまるで出ない。探り探り足を運んでる感じ。
座れるところを見つけては30分に1回の休憩。それが15分間隔になり、5分間隔になり、そしてその休憩からのリスタートの一歩が本当につらくなってきた

歩き続けてもつらい。止まったら次がつらい。
変な歩き方をしてたらピシっと一瞬両足が攣った・・・。

4:00。歩く先のほうの空が明けてきた。淡いオレンジ色。小さく決めた目標に届いてしまった――。


【4:53 CP6鈴ヶ森道路児童遊園 87km】


誰もいないすっかり明るくなった公園のベンチに腰掛けて、シューズを脱いで半ばぼーっとしてた。

歩くっていう行為は基本的には無意識にできることではあるはずなのに、今は全力の意志をもって指令を送らないとそれができない。しかもありとあらゆる痛みがその意志を邪魔する。
足首から先、触るだけで痛みが走る場所がいくつもある。「もしかして疲労骨折ってこういうのを続けると起こるのかな」。

ふと、体に寒気を覚える。
明け方はさすがに気温も下がってるし、汗が冷えたんだろうな・・・そういえばノドがイガイガする――僕は「風邪はノドから来るタイプ」で、その兆候が明らかに出ていた。疲労によるものだろうが、それにすら気づけてなかったのかと。

このあたりは日常のさんぽエリア。なんなら3日前も歩いてた。もちろん自宅も近い。
当然ここから先もすごくよく知っている道。だから長さが実感できる。今の状態で、今のペースで(より遅くなるであろうペースで)、残り13キロを進めるのか。

「あ、始発電車の音が聞こえる」

手元の時計で17時間8分87キロ地点僕はリタイアを決めた。
断念する無念さとかある種の情けなさみたいな感情よりも、体が拒絶したほうが大きかったのだ。根性なんてとっくに売り切れてた。



[そのご]へつづく。「その五」でもあり、「その後」でもあったり。


いち][ に ][さん<[よん]>[ ご 


2023年6月12日月曜日

「怒涛の連戦」もようやく。

そらまあ勝ちたかったよ。それはどの試合も変わらず。

そして相手が下位だから必ず勝てるという話でもなく。だから、この結果は受け止めるしかない。

横浜FC 0-0 浦和△

それでもこの「怒涛の7連戦」(©公式さん)4勝3分
リーグ戦の順位も4位まで上がってきた。

もうとにかく「疲れてるな」という印象しかない選手と、可能なかぎりやりくりしながら一定の結果を出しているマチェイさんへの労いの気持ちしかないわ。

まずは少しばかりの休息が取れますように。


ようやくJ1リーグデビューとなった髙橋“カルロス”利樹
スペシャルな何かではなく、「何でも持ってる」というスペシャリティを磨いてほしい。可能性は十分に感じたよ。


2023年6月9日金曜日

大さんぽ。[そのさん]

[そのに]からのつづき)

文句言うことでもない気がするけれど、普通に天気予報見てたら朝の時点で警報が解除されてないなんてのは火を見るよりも明らか。
その上で、自分たち(主催者)ができるかどうか考える、じゃなくて、判断は「参加者がどうか」というのを基準にすべきなのよ。とすれば当日朝5時に判断じゃなくて、前日に判断しなきゃならないのは自明でしょうに。交通機関のこと、遠方から参加の方々・・・判断遅すぎるわ、A日新聞!!(結局文句言ってる)

はい。台風2号の影響で大会は中止になりました。

“※募集時にもお断りしておりました通り、大会参加費の返金はいたしません

はいはい。2大会連続でエントリーフィーがぁ(号泣)

ただ天候が昼から回復するのもまた明らかで。
あくまで個人的理由だけど「60周年記念事業」だからね、このタイミングでやらないと自分の中での意味がない。だから大会云々関係なく、雨が上がったら歩こう。
SNSを見てると同じように個人的にスタートしようという参加者がたくさんいることも決断の助けになった。ひとりエクストリームである。

準備した荷物を携えて、平常ダイヤに戻った東海道線に乗って小田原へ。


【11:45 Start小田原城址公園】

スタート地点には“お仲間”の姿もちらほらと。でもおひとりさまは僕だけかな(悲)。

さあ行ってみますか!とにかく「一歩ずつ前へ」。


イメージしてたのは、「前半元気に、後半粘って、ラストは根性」。
元気に行きたい前半、おおよそ行程の半分にあたる54キロ地点の第3チェックポイントが肝かなと思ってた。距離的にも未体験ゾーンに入ってるし、しかも遊行寺・権太坂という箱根駅伝でもおなじみの難所越えもある。

13:20、箱根駅伝おなじみの二宮の坂を上る(本名は押切坂)。

二宮(沿道の応援にフリーザ様がいることでも有名w)

この箱根駅伝の7区に相当する区間は、旧東海道さんぽで逆向きとはいえ一度歩いているので(→旧東海道をゆく[][])、あまり目新しいものはない、というかずいぶん前のことなので「懐かしい」かな。ここまで肉体的には順調そのもの。

大磯駅前で国道1号線から外れ、14:40、国道134号線に入る。エナジーゼリーを補給。
頭の中を流れている音楽は「仕掛けろ浦和」のチャントと「匂艶 THE NIGHT CLUB」(←サザンが出てくるところが単純な私)。

箱根駅伝 平塚中継所付近(7→8区)

箱根駅伝の平塚中継所をすぎ、花水川を渡り、そして15:20、平塚の海岸に出る。ベルマーレの名を冠した海岸だ。台風の影響は大きいのだろうか、整備されているはずの海岸の遊歩道にビーチの砂が積もっていてことのほか歩きづらい


【15:25 CP1平塚しおかぜ広場 22km】


到着時刻をスマホのスプレッドシート(速度が自動計算されるように計算式入れておいた)に入力して驚いた。ここまで時速6キロで歩いてる。これは未体験の速度だ。信号が少なかったこともあるんだろうが、自分の中では5キロをイメージしてたので・・・テンション上がりすぎなのかしら。でもまあさほど疲れてもいないので深くは考えないことにする

湘南大橋で相模川を渡り、茅ヶ崎に入る。脳内ミュージックは「HOTEL PACIFIC」と「チャコの海岸物語」(直球すぎるだろ俺)。
そして再びの海岸線に。平塚海岸よりもさらに砂の量が多い。足が取られることが増えた。これはちょいとつらいなぁ。

茅ヶ崎サザンC(ど真ん中に烏帽子岩が映ってる、はず)

16:35、「江ノ島まで6km」という表示を確認。ずーっと目には見えてる江ノ島だけれど、ぜんぜん近づかないことにメンタルが少しずつ削られていくようで。
♪江ノ島が見えてきた 俺の家は遠い・・・

台風の影響なのか、海岸線は東風が強い。つまりアゲインスト。
足元の砂に加えて風との戦いも始まってくる。きついなぁ。
でも、がんばって男女2人組の「お仲間」を勢いよく追い越す。だって手を繋いで歩いてんだぜ。カチン(笑)。

ところで台風一過の高い波の海は、多くのサーファーさんたちを呼び寄せてた。彼らが乗ってくる自転車がいちいち錆びてるのが、なんかすっげぇカッコイイなって思ったり。
あと上半身裸でランニングしてる人たち、なんでみんなバキバキのカラダなのよ。見せびらかすにしても人数多すぎだろ(笑)。

時計を確認する。すっかり夕方じゃないか。明るいうちになんとか海岸線を抜けたい。


【17:16 CP2湘南海岸公園 33km】


ほとんどが海岸線だったCP1からCP2の区間も時速6キロ弱が出てる。さすがに速すぎんか?
ここで初めて腰かけて休憩する。靴を脱いで砂を払う。バンドエイド「マメ・靴ずれブロック」こうかはばつぐん!でノートラブルだけど、やはり砂ロードの影響かふくらはぎあたりに余計な疲れが出てるような気がしている。足使っちゃった、という感じ。
甘いものが欲しい、ということであんバターのコッペパンをむしゃむしゃと半分食す。

5分ほど休んでからリスタート。
えのすいの横でようやく海岸線を離れ、「だいぶ前にピザ食べたお店はなくなっちゃってるなー」などとぼーっと考えながら、江ノ島駅から藤沢駅方向へ進んでいく。
このあたりのコンビニ、トイレ開放してないのよね。ゴミ箱は店内にすら設置してないところも。まあそういうこともあるだろうな、といろいろ想像する。

18:00、住所表示は片瀬。ふと「まだ1/3か」と重い現実に直面し、足取りが重くなったような・・・このあたりでしきりにストレッチをするお仲間を見かけた。

空はかなり暗くなってきた(なのでこのあたりから写真が極端に少なくなりますです)。藤沢橋を右折して再び東海道、そして遊行寺の坂に入っていく。

遊行寺の坂

たぶん元気な状態ならばこの急坂も問題はないはず。ただ一気に疲労感が出てきた中でのこの坂は本気でキツい。前傾姿勢で歩幅は小さく、少しずつ少しずつ上っていく。
ここをバリバリ上ってく箱根駅伝8区の選手、これからもっとリスペクトしないとだな。

18:45、ようやく遊行寺の坂をクリア。ただその先に松並木があって、歩道が極端にアップダウンするエリアがある。これがダメージを増大させる。特に下りがキツくなってきたぞ

19:20、原宿交差点近くのコンビニ前の駐車場で着替え。すいません、店先で上半身裸になっちゃって(陳謝)。汗ばんだアンダーシャツを交換、長袖のコンプレッションへ。気温はそんなに高くなかった印象だけど、汗はしっかりかいてた。
なのでコンプレッションシャツが張り付いちゃって着るのに難儀したよぉ。

19:30、空に丸い月が昇る。いよいよ本格的にナイトセッションが始まる。

環状3号入口を越える工事中の歩道橋から(高い暗い怖い)

[そのよん]へつづく。


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