永井紗耶子「木挽町のあだ討ち」を読了。
江戸の芝居町で立派な仇討ちを果たしたとされる若者の足跡をたどる物語。
「その日いったい何があったのか」、関係者からの証言で紐解いていく、と言ったらわかりやすいか、そんな形で話は進んでいく。
インタビュアーを探偵役としたミステリー、という言い方もできるかな。
大河ドラマ「べらぼう」を見ていたあなたにオススメ!!
色街、芝居、人外、松平様・・・その解像度が高すぎて!バッチリイメージできるから時代小説なのにその世界観にどっぷり浸かれる。蔦重がそこに歩いてそうだ(笑)。
あそうか。映画に出てる渡辺謙は「べらぼう」にも出てたな。
第一幕。
エンタメの価値。夢を売ることの意味。作品の中での一八の「来し方」が、それが長々語られること――。
どこかに矛盾とかヒントとか隠れてないかと心のどこかで思ってるのに、登場人物の語り口に引き込まれてそれどころじゃない。
第二幕。
田沼意次から松平定信へ、の時代。そうした時代に生きる武士の立場とは。
第三幕。
芝居の世界の内側とそこに至る人々の来し方。
辛い生活をしている人たちへの真の優しさ大らかさが示される。
第四幕、第五幕――。
ミステリーとしてはある意味正しくないのかもしれない。
謎が深まるどころかあからさまに真実が見えてきてしまう。
そうして終幕は、いよいよ若様のインタビュー編。
見えてきてしまった真実、ただその真実の美しさ、なんだよなーと思う。
まるで見事な舞台を観ているかのような美しさ。
「それでも武士でいたい」という若様とは違い、僕は武士になりたいとは思わない。
ただ信に、そして義に生きるその姿に、眩しさを感じるのもまた本心である。
「ああそうか、奈落だったかーーああああーーー」(←何かに気づいた僕)
いやはや、これは実におもしろかった!
映画化ってどうやってやったんだろう。ちょっと気になる。
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ラストまでぜんぜん気づかなかったんですけど、タイトルは「仇討ち」じゃないんだねぇ。(←なにがしかのヒント)
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