本屋大賞の「超発掘本!」(2025年)として推薦された、クラフト・エヴィング商會「ないもの、あります」を読む。
僕自身が「超発掘本」までを追ってたわけではないのですが、テレビ番組「あの本、読みました?」で紹介されたのです。この番組を参考に次に何読もうかと考えることは多々あります。
いざ読み始めようと扉のページをめくってまず驚いた。
紙がいい!手触りとか厚さとか、なんだこの「しっかり感」は!
しかもカラー印刷だ!まさかの4C/4Cか?いや特色3Cか?台割とか見てみたいぞ。
著者自ら装幀とレイアウトを手掛けてるのか!
「こういう本づくり、してみたかったぜ、と若かりしろ出版界隈の隅っこにいた人間は思ったのでした。
いろいろ「!!」して、ようやく落ち着いたところで前書きというか、「口上」から読み始める。冒頭を引用させていただく。
『よく耳にはするけれど、一度としてその現物を見たことがない。そういうものが、この世にはあります。たとえば〈転ばぬ先の杖〉。見たことはないけれど、名前から察するに、そうとう「いいもの」であることが想像されます。あるいは、〈堪忍袋の緒〉。・・・・』
こうした「いいもの」たちを、解説文(?)と商品イラストと取扱説明書の抜粋(?)を、見開き4ページで紹介していくというスタイルの、つまりはクラフト・エヴィング商會の商品カタログ。
イラストがいいのよこれがまた。
解説文では、その商品がいかに「素敵か」「いいものか」「役に立つか」という部分を説明していくのだけれど、それはつまりそれを使う人間の持つどうしようもない欲望とか逃れられない業のようなものの解説にもなっているわけで、くすりと笑ったり、よく考えたら自分のことを言われているような気恥ずかしさを感じたり、とにかく文章そのものが「いいもの」だった。
厚い本ではないのですぐに読み終えてしまいそうで、だからこそ一気に読み進めてしまわないように、ていねいにていねいにページをめくる。時に戻りつつかみしめながら。
でもやっぱりあっという間に読み終えてしまった。
もっと読み続けたいとつくづく思うほどに、とにもかくにも楽しかったのである。
慣用句が「商品」になっているということは、モチーフになった言葉を理解していないと楽しめないわけで、本好き・言葉好きにはたまらない一冊になるのだと思う。
装幀やレイアウトの美しさ(センス感じるなぁ)とも相まって「本棚に飾っておきたい」と思うと同時に、僕も誰かに薦めたい、そう強く思ったりもした。
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ところで、僕、〈語り草〉が欲しいのですが。
先輩を通り越していよいよ年輩になってしまったことでもありますのでね。
在庫はありますか?




