お借りしてます道尾秀介な2冊目、「向日葵の咲かない夏」。
1冊目は「ソロモンの犬」→コチラ
小学4年生のミチオ。1学期の終業式の日、担任の先生に言われて欠席したクラスメイトのS君にプリントを届けに行く。S君の家で見てしまったもの――そこから始まる彼の夏休みの日々。
1冊目は「ソロモンの犬」→コチラ
小学4年生のミチオ。1学期の終業式の日、担任の先生に言われて欠席したクラスメイトのS君にプリントを届けに行く。S君の家で見てしまったもの――そこから始まる彼の夏休みの日々。
ダークなホラーなんだろうな。それもサイコな。
かなりどろどろぐろぐろした描写が序盤から続くんだけど、一方で子供が主人公ということもあって何やら楽し気な彼らのテンポな部分もあって、「絶対に忘れちゃだめだぞ、でないとまたメンタルやられるぞ(笑)」と自分に言い聞かせながら読み進める。
なかなかヘヴィな内容なのに、やはりさすがに引き込まれる。
ただ、どこか頭の斜め上のほうにどうにも「違和感」がもやっと付きまとってくる。幻想的と言ってもいいだろうか。
それがこの作品のミステリーな部分。
そう、あの“蝉の音”。
そこから始まる物語にはきっと理由があって、あの夏の日々の、その音とかその温度とか時間とか湿度とか匂いとか、僕も知ってるあれこれを、行間から感じてた。だから幻想的なのにどこかリアリティがあって。だからよけいにキツイと感じたのかもしれない。
輪廻とか転生とか。
もう何を書いてもネタバレになっちゃうんで書きにくいけど、物語の終盤に少しずつその違和感がほどけてきて、明らかになってくることも多いんだけど、そのたびに驚かされるし、そしてまた新たな違和感を感じてしまう。
「まだひっくり返すつもりなのか」
ホントに人が悪い(褒めてる)。
最後の最後まで感情をもてあそばれた、そんな読後感だった。
ああしんどかった。しばらく道尾秀介はおなかいっぱい。
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