WBSSバンタム級。
トーナメントを圧倒的に短時間で勝ち上がってきた“モンスター”井上尚弥。
決勝の相手、つまりラスボスは“フィリピーノ・フラッシュ”ノニト・ドネア。巷ではドネアはピークを過ぎている、井上優位と言われていたけれど、僕は西岡利晃にTKO勝ちしたドネアも見てたから、そう単純に勝てそう、とは思えなかった。
もちろん、モンスターに勝ってほしい、勝てるに違いないと信じてはいたけれど。
『カーン!』
ドネア強いっ!
上の階級でも世界を制した実力とタフネスは間違いなくホンモノで、井上の右に必ず左を合わせてくる恐怖感たらない。手数、バランス、パンチ力、何よりも経験。
まるで0.01秒未来の世界に生きているかのような井上のディフェンスを、ああもやすやすと打ち抜いてくる選手を初めて見た。
でも、井上はやはりモンスターだった。
右目のカット、鼻血。ダメージの蓄積は足にきて、パンチに重さがのらない。9Rには大ピンチも迎えて、ポイントもおそらく五分。残り3ラウンドを「明確に」取らないとならない――。
そんな状況で、きちんとペースを上げられる強さ。
11Rの、そこまでまったく使えなかった(ドネアの右のガードが絶妙に上手かった)左ボディフックというフィニッシュブローを叩き込める強さ。
ノックアウトではなかったけど、それ以上にすごい試合で、それを明確に勝ち切った。
めっちゃ興奮した。気づいたら両手を握りしめて全身に汗かいてた(^^;
ジャブの差し合いだけで「ぎゃーっ」って声が出る。
井上の試合はずーっと見てきたけども、たぶんキャリア最高の一戦だった。
・・
・・・
マンガ風に言うならば「第一章完」というところか。
第二章の舞台は、いよいよ本場アメリカ。どんな強敵が現れてくるのか。そしてそれをどう乗り越えていくのか。今からもう楽しみ。
「井上尚弥」をリアルタイムで体験できる喜びったらない。
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