2012年7月12日木曜日

ラストダンス。

このあいだアスリートの「最期」について少し書いた
その後から読み始めたのが、「引き際」をモチーフにした堂場瞬一の「ラストダンス」

舞台はあれから5年後の東京スターズ。
40歳を迎えた同期の3人。1人は監督、そして投手と捕手の2人は最後のシーズン。
それぞれの選択、そして交錯する思い。

今回はサスペンス色はほとんどない。純粋な、そう本当にピュアなスポーツ小説だった。

堂場瞬一の描くアスリートは、いわゆる「いいヤツ」じゃない。ファンだけど身近にはいてほしくない、みたいな(笑)。トップになればなるほどその傾向が強い。
利己的というのだろうか。

一般読者が思う「普通の感覚」を持っている登場人物であっても、舞台が整ってくるにしたがって「アクの強いヤツ」に変貌していく。
ただ、その心情こそが「アスリートにとっての正直」なのだという印象を覚える。いや、それこそが「華がある」といったほうが近いか。

実際にこんな魅力的な「華」が実際にいたら、僕もテレビの前で、スタンドで踊らされちゃうだろうなー。
やはり野球には破天荒な選手が似合うよ。
団体スポーツというよりは、個人競技の集合体だから、野球は。

それにしても野球における “駆け引き” とはかくも複雑でおもしろいものか。

まさに「江夏の21球」――。

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