久しぶりのスポーツ小説は、(自分の中では)おなじみの堂場瞬一の野球モノ、「ザ・ウォール」です。
メジャーリーグに憧れる(しかもちょっと歪んだかぶれ方)をするオーナー(IT社長という設定がいかにも)と、与えられた環境でなんとか勝利を得んとする日本野球の代表みたいな監督との対立がひとつの軸となる。
その対立軸はなるほどおもしろいし、スターズの新球場の設定もなるほどとは思う。
でも、もうひとつの軸となるペナントレースの行方があまりにもロマンチック全開すぎて「そうなっちゃうよね」という感慨しか持てなかったことに加え、対立軸のほうも一方の背景をあまりにも描かれないがゆえに、実際には対立しなかったというのも残念だったかも。
堂場さんならもっと心象の奥のほうをぐりぐりと描いてくれると期待したのだけれど。
しかもラストシーンでオーナー、完全にキャラ変わってますやん。
ロマンチックなのはいいんだけど、本作は少々浅くはなかったでしょうか。らしくない。
0 件のコメント:
コメントを投稿