あくまで個人的な印象でしかないのだけれど、“宮沢賢治”あるいは“銀河鉄道の夜”という単語(というのか)は、他の小説に登場している数の多さでいえば筆頭格ではないかと思っている。ほかには“太宰治”あたりが多いかな。
となれば一度ちゃんと読んでみよう、と。「えー読んだことなかったんだー」ってツッコミ禁止。
欄外に記された解説がなければわからない専門用語のオンパレード。
妙にリズム感のない、座り心地の悪い文章。
それを助長する、中盤からなくなってしまった「読点」。
脳内で「音読」をするように読んで、やっと、わかる。
現代仮名遣いになっているにもかかわらず。
この話は「未完」というか「書きかけの原稿」ということらしいので、そういうことはあるのかもしれないけど、童話ということじゃなかったっけ?
もう少し書き方あったような気がするんですが。なんでこんなにビッグネームになった?(笑)と思うほどに(超失礼すいません)。
ファンタジーな世界の中で、ただでさえ「ふわふわ」している物語が、この読みにくさによってさらに「ふわふわくらくら」してくる。
僕の場合、他の小説に登場する「銀河鉄道」のシーンにも同様にふわふわくらくらな感じを覚えてた。
でも、伝えたかったこと、それだけはわかる。
『ほんとうのさいわいは一体何だろう。』
星の世界に明確に漂う死のイメージ。自らの罪を思う蠍の話。そして消えたカムパネルラ。
それらを思うと、逆に「ふわふわくらくら」、これこそが魅力のような気もしないでもない。
・・
・・・
今回買ったPHP文庫版は、他の代表作「風の又三郎」と「セロ弾きのゴーシュ」も収録されているんだけど、ちょっと続けて読むのはしんどいかも。そう思っていったん休憩させていただき、別の本を読むことに(^^;
0 件のコメント:
コメントを投稿