松岡圭祐「アルセーヌ・ルパン対明智小五郎 黄金仮面の真実」を読む。
前作(というのか?)「シャーロック・ホームズ対伊藤博文」は片方が実在の人物だったから自然と「もしも出会っていたら」とわくどきしちゃったわけですが、今回は両方とも空想上の人物。
でもね、空想同士であっても出会うはずのないふたりです。いわばアベンジャーズです。興奮しないほうがどうかしてる(笑)。
実際、冒頭のルパン登場のシーンからもうドキドキしちゃったもん(^^;
お宝を求めブルガリのパーティに入り込み、そこで不二子と出会い――「三世」のテレビ新作(Part6)を毎週見てることもあるのかな、映像が細やかに浮かんでくる。テンション上がりまくり!
そして意外な形で明智小五郎との因縁が示される。いやマジで意外なんだよ。だって盗賊と探偵だよ!?
あれちょっと待って。だとすると一世と三世の間の二世は、ああああっ!(何かに気づく)
その因縁のふたりが、黄金仮面という存在(え?「存在」?)を中心に、じわじわと近づいていく。
まだ物語はようやく中盤というのに高まる緊張感。やがて物語の核心は、満州で起きた「史実」の事件へと広がりを見せていく。←ここまで書いたことがミスリードやねんで(ナイショ)
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少年探偵団の活躍に胸躍らせた子供のころのことを思い出しましたとも。
そういえば僕はホームズよりもルパンのほうが好きだったんだよな。なんでだろ。
ちなみに作中、モーリス・ルブランが書いた「ルパン作品」は伝記、という扱いになってます。乱歩はノンフィクション作家かな。
リアルのルブラン作品を読んでいたほうがより楽しめるのかもしれません。でもそんなこと関係なく、この作品は楽しめます。請け負いますとも。
何せ僕自身が少年少女全集程度しか読んでないし、内容の記憶もあいまいなのですから。
400ページぐらいまで読んだら、Wikipediaの「アルセーヌ・ルパン」の人物像の項や略歴あたりを読んでみるといいかもよ。
巻末の解説によれば乱歩の書いた「黄金仮面」やルブランのシリーズときちんとリンクしているのだとか。恐るべし。
エキサイティングなサスペンス、そして最&高の冒険活劇でした!!
ところで、テレビの中の三世は老けないキャラクターですが、この物語の中のルパンは老いつつある一世として描かれます。
三世が「じいさま」(「じいさん」だったっけ)って呼ぶこともあるし、まあ当然っちゃ当然なんですけど、むしろそうして時間が流れているということ自体がこの作品の深みを増している気もしましたです。はい。
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松岡作品ではないですが、以前読んだ「銃とチョコレート」も怪盗vs名探偵でしたっけね。こちらもオススメしておきましょう→リンク
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