2024年12月31日火曜日

翳りゆくひと。[073]


[073]

5月26日日曜日、片付け2日目。

今日もなかなかあっちゃんの荷物の準備は進んでいかない。
それでも、あっちゃんとみぃさんが話しながら、少しずつ少しずつ。やはり身に着けるものの準備は女性同士じゃないと。わたしには絶対にできないことだったと思う。

一方わたしは、今日もマサさんの部屋にこもっていた。
前日マンションの権利書を発見したので、もう「部屋ごと処分」でもよかったのだが、懸案のひとつである「ゴルフ場の会員権」は可能であれば発見したかった。
そしてもうひとつ。以前マサさんは国から表彰されている。その際に授かった記念の品がどこかにあるはずだ。本来ならリビングに飾ってあっても良さそうなのに見当たらない。わたしも現物を見たことがないのだが、きっとどこかに。
遺跡を発掘するかのように奥へ奥へと進んでいく。

「見つかった?」

ちょっと疲れてしまったあっちゃんを休憩させて、みぃさんが部屋に入ってきた。

「本当になんでもかんでも取ってあるね」

床に散らばった封筒の中身を出しながら言う。本当にそのとおりだと思う。もちろん捨てることが必ずしもいいというわけではないだろうが、保管するならもう少し整理しておいてほしかった。

と、みぃさんの手元の封筒から出てきたものにわたしの目が止まった。

「あ、それって」

それは1台のスマートフォンだった。この白い保護ケースは、行方不明になったまま回線を解約した、マサさんのもので間違いない。
そしてそのスマホが入っていた封筒からは、同じく去年から所在がわからなくなっていた身体障害者手帳も。

その封筒に入っていたのは、大枠で2023年1月から2月にかけて届いた郵便物。当時のマサさんの行動を想像すると、リビングテーブルの上に置いてあった郵便物をばさっとまとめてひとつの封筒に入れて、この部屋に持ち込んだ。その封筒に入れるときに、テーブル上にあったスマホも手帳も何もかもまとめて入れ込んでしまったんじゃないだろうか。

障害者手帳は老人ホーム側からも提出を求められていたもののひとつなので、見つかってよかったけども、なんだか笑うしかない。
わたしの集中力も切れてしまったような感じだ。

「そろそろお昼、買ってくるよ。休んでて」

そうあっちゃんに声を掛け、最寄りのスーパーまでみぃさんを伴って買い出しに出る。

「ほら、ここに売ってるでしょ」
「ほんとだ」

総菜コーナーの脇に積み上げられているカップ味噌汁。昨日室内から大量に見つかったものとまったく同じものだ。ここに来るたびに1つ2つと買い求めてたあっちゃんの姿を思う。

「本当に食事、作らなくなってたんだろうね」

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2024年12月29日日曜日

アスフレ躍進中。

ようやく、ようやくみんなのホームアリーナ、開幕です。
大田区総合体育館、耐震工事等の改修のため、今シーズンはここまで使用できなかったのです。以上説明。

で、迎えたGame1。
ちょっと汚い言葉で書くと、自爆ターンオーバーがアホほど多くて
とにかく攻撃が回らない。

ならばディフェンス、だよな、って感じでさ、相手に走る余裕を与えず、そして追いつけばひっくり返してそのまま逃げ切った。

今季らしい快勝って言っていいかもしれない。

○東京Z 81-72 山口

おい、その右の羽(x_x)

Game2。
今度はアホほどシュートが入らん(x_x)
気がつけばFTすら入らなくなって・・・あかん点数が積み上がらん。

ならばディフェンス(2日連続)。

でもなかなか事態も好転しないまま試合が終盤・・・なのだけど、MC Umeが戻ってきた僕たちのホームは「完全体」
たとえエースPGの脚が攣ろうとも絶対大丈夫だと思えた。いやホントに。嘘じゃないって。

○東京Z 71-67 山口

逆転、そして競り勝った。内容は褒められたもんじゃないかもしれないけど、僕たちのホームで僕たちが応援してるチームがすばらしい結果をもたらしてくれたこと。これ以上求めるものなんてない。本当にそう思う。


これでアスフレさんの貯金は6。今年のスローガンどおり、マジで「躍進」だ。
いい新年が迎えられそうです(笑)。


2024年12月27日金曜日

なぜ悪い。~紅白プレビュー~

年の瀬です。大みそかは紅白です。出場歌手、曲目、そして曲順が発表されました。


ということで毎年恒例のプレビューを書きますけども。

やはりこの話は避けて通れないかなぁ。
個人的には過度なキャンセルカルチャーではあると思う。園子温の問題と、星野源と楽曲とは並んで語られるべきものではないから。シンプルにすばらしい楽曲である「地獄でなぜ悪い」を聴きたかったといういちファンとしての思いもある。
ただ一方で不要な軋轢を生まないように配慮する、という考え方も十分に理解できる。それは「認めた」とか「屈した」ということではない。配慮だ。
その上で『アーティストはもちろん、NHKも性加害は決して許さないという姿勢であることは言うまでもありません。』とした部分に大いに賛同したいし、その思いをもって「ばらばら」を聴きたいと思う。以上。


今回の楽曲で目に留まるのは坂本冬美「能登はいらんかね」石川さゆり「能登半島」。うむ納得の選曲である。
あれ?ご当地ソングの女王・水森かおりは??「輪島朝市」って曲あるよね・・・?と思うわけじゃないですか。でよくよく見てみると「紅白ドミノチャレンジSP」なわけですよ。ドミノありきでしたか。ドミノ倒しはさすがにちょっと・・・これも配慮なんだろうけどさ、ドミノのほうを止める選択肢もあったのでは。

企画といえばあれほどけん玉はやめとけって言ったのに(x_x)
それこそ「失敗したたったひとりの人がネット上で責められる」姿は見たくないのだよ。てかそもそも飽きた(苦笑)。

・・
・・・

今年は特に後半戦がアツイ。言わずもがなのCreepy Nutsから始まって(軽く踊っとこ)、GLAY「誘惑」ですぜ!これは盛り上がっちゃいますね!!

特別企画のB'z(!)と藤井風が並ぶラインナップとか豪華すぎん?

「神田川」「なごり雪」が続くラインナップはフォークギター(アコースティックギターとは言わん!)弾きたくなりますね(ならない)。
僕、中坊んとき「かぐや姫ベスト」のLP買ったことを告白しておく。あ、「なごり雪」もオリジナルはかぐや姫よ。

特別企画「追悼・西田敏行さん」は泣きそうだなぁ。田中健は例の笛、吹くのかしら?

THE ALFEEは聞き逃し厳禁だし、そして帰ってきた高橋真梨子「for you...」はもちろん日本中で大合唱ですね。
さらには玉置浩二「悲しみにさよなら」を。怒涛の終盤戦は視聴者側の声が枯れそう。
家族から「うるさい」と怒られない程度に(笑)。

なんだいつもと変わらんじゃないか、なんて言わないで。紅白歌合戦というコンテンツそのものが“偉大なるマンネリ”なのです。それこそ“風物詩”というものですから。マンネリでなぜ悪い!

というわけで今年も大みそかはFacebook上で騒ぎますんで、ぜひご一緒しましょう!!
歌って騒いでなぜ悪い!


2024年12月26日木曜日

翳りゆくひと。[072]


[072]

マンションに戻ると、みぃさんが保険関係の書類をひととおりまとめ終えてくれていた。内容は後日改めて確認することにしてわたしの自宅行きのダンボールの中に入れ、そして意を決してふたりでゴミ、特にダイニングテーブルまわりに放置されている食品類をゴミ袋に入れ始めた。

あっちゃんがソファに座ってのんびりしているのをいいことに、何を確認するでもなく「これは捨てる」と一気に作業を進めた。
テーブルの上の食べかけや賞味期限切れのパン、買ってきたまま置いておかれたようなプチトマトをはじめとした野菜類・・・燃えるゴミの袋が次々に増えていく。

一方で賞味期限に余裕のある加工食品類もいくつか出てきた。

「これ、まだ食べられるからもらってくね」

レトルトの食品とか紅茶のパックとかカップラーメンとか。こちらも出てくる出てくる。
特にお湯を入れるだけのカップ味噌汁は、10数個も同じものが在庫してあった。
記憶によれば、この某料亭の味の味噌汁は、近所のスーパーの総菜コーナーに置かれている。料理をするのが面倒になったあっちゃんが総菜と一緒に都度都度買ってしまったんだろうと想像する。家にあることは考えずに。笑い話にもならない。

あっちゃんが飲み続けていた野菜ジュースも買ったままの24缶入りの箱が2つ見つかった。箱が開いてるのはホームに持ち込む荷物に加えるとして、未開封のものはもらってしまおう。
わたしの自宅行きのダンボールは食材だけで3つになった。

やがてダイニングテーブルの上はきれいになった。
その状態を見てもあっちゃんはテーブルが片付けられたということに対して何かコメントをすることはなかった。気づいていないというほうが近いかもしれない。
やはり自分の周囲以外は認識してないんだろうな。

普段は座る人のいないダイニングチェアの上からは、本来は飲み終えてなければならないはずの処方薬もたくさん出てきた。クリニックへはおよそ1ヶ月ごとに通院しているはずで、数週間分が残ってるだけなら理解はできるのだが。

「薬、たくさん出てきたよ。やっぱりときどき飲み忘れてたみたいだね」
「そんなことないわよ、毎日飲んでるわ」

飲んだ飲んでないの話をここで言い始めてもしかたがないな。

薬は当然ホームに持ち込むべき荷物のリストに含まれている。余剰分は引っ越し荷物のダンボールのほうに移動させた。入居当日朝までの分には、25日夜、26日朝、とみぃさんが付箋を貼り、広くなったテーブルの上に並べてくれた。
そういえば日々の薬については以前ながいきセンターのセイコさんが壁掛けのお薬カレンダーを用意してくれていた。確かにそのカレンダーは今も壁に掛けられてはいるが、何ひとつ薬は入れられていない。これもただの風景になってしまったのだろう。

そうこうしているうちに、すっかり夜になってしまった。ただゴミを片付けただけで、結局あっちゃんの荷物の準備は何ひとつ進まなかった。

「そろそろ夕食にしよう。隣のお好み焼きはどう?」
「あそこのレストランもあるけど」

そのレストランはずいぶん前に閉店している。もちろんあっちゃんは知ってたはずだけど。

「あそこまで行かなくていいよ。今日は近くにしよう」

去年の夏、ちょうどマサさんがさくら老健に移る前の日にここであっちゃんと食事したな。あのときはマサさんのことばかりで、あっちゃんのことまで気が回らなかった。後悔してもしかたのないことなのだけれど。

3人での、文字どおり和やかな夕食を終えていったんマンションに戻る。
明日の午前中にはホームに持ち込む荷物をなんとかまとめたい。

「片付け、今日はここまでにしとくね。明日朝また来るから、薬しっかり飲んでゆっくりと休んでね」
「泊っていけばいいのに」

この足の踏み場もない家のどこに寝れるっていうの。苦笑いしながら、わたしとみぃさんはマンションを出て、予約しておいたホテルに向かった。

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2024年12月25日水曜日

バケハだぜっと。

デザインしたのはもうずいぶん前のことなんですけどねぇ。


ようやく「作る」というステップに進んだわけです。
だって、いよいよホームアリーナですもん!!
さあ行くぜ、改装完了の俺たちの大田区総合体育館!

当初計画では、Zネイビーに白ロゴと考えてたんですが、公式さんからネイビーのバケハが登場しちゃって(福袋に入ってた!)、困った困った(笑)。

使い勝手のいいベージュをベースにそこに白ロゴにしました。目立ちすぎないのもいいでしょ。


以上、144factoryの新作、バケットハットのご紹介でした(^^;


2024年12月24日火曜日

ことしもやってきた。


♪くぅーーーりすますっがこっとっしっもっやぁってくるー

と脳内で竹内まりやさんが歌ってますが、来ちゃいましたね、クリスマスイブ。

・・・びっくりするぐらいただの日常ですが(笑)。

まあ先々週のうちにクリスマスソングはカラオケしちゃったし(今年は杉山清貴「最後のHoly Night」でした)、もう十分ですよ。ええ。←若干の強がり

♪So Merry Christmas to You...



2024年12月23日月曜日

コードホワイト。

今回今さらながらに見てみた映画は「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」です。
その名のとおりアニメ「SPY×FAMILY」の劇場版です。なのです。


本編アニメ(原作マンガ、は読んでない)の流れにちゃんと乗りつつ、一方でオリジナルストーリーとして本編には影響を与えないようにする、その設定の妙というのは感じましたね。

映像も劇場版らしく華やかで美しく迫力もありました。

なのでちゃんと楽しんで見られました。のですが。

肝心のストーリーが今ひとつだったかなぁ。メレメレのレストランの話も放置だったし。
いい相手キャラを登場(かつ搭乗)させてるのに、活かしきれてないようにも思うしね。

そもそもコメディ作品(だと思ってる)だから、カッコイイを中心に据えようとすると難しいのだとは思うのだけどね。

映画単独で成立させるために、各メインキャラクターのお披露目要素も強かったのも、ストーリーにちょっとした違和感を残してしまった一因かしらねぇ。

・・・とか言いつつ、「う○この神」、最高(笑)。


2024年12月20日金曜日

翳りゆくひと。[071]


[071]

実質的にキッチンが使えないので、ランチはコンビニ弁当。食べながらわたしは持参したチェックリストとにらめっこだ。

電気、ガス、水道は室内が完全撤去になってからの解約だが、このタイミングで解約できるものはやってしまおう。といっても今日は土曜日だから、電話窓口が平日のみというところは後日ということになるが。

新聞。どこの販売店かまではわからないので、紙面に書かれている番号にかけ、担当の販売店を紹介してもらった。

「27日夕刊までで止めてください」
『お引越し先のほうでは』
「申し訳ないです、購読の予定はありません」

テレビ。銀行からの引き落としの履歴からケーブルテレビとの契約があることはわかっていた。ただ契約関係の書類がないので詳細はわからない。スマホでケーブルテレビの業者のサイトを見てみると、ここから解約の手続きができそうだった。
まずは私のメールアドレスとマサさんの情報を使ってアカウント作成。これでネット上で契約関係が確認できるようになった。やはりテレビの契約があるようなので、これを月末付けで解約した。手続き完了のメールには『セットトップボックスを返却してくれ』という内容が書かれていた。テレビはまだ見るだろうから、あっちゃんの引っ越し当日に配線を外すことにしよう。

「電話の解約の手続きもしてきちゃうよ」

家の片づけをみぃさんに任せて、わたしは駅前の携帯電話ショップに向かった。
固定電話、あっちゃんのスマホ、インターネット。これがマサさん名義の携帯電話会社との契約になっているのは以前から確認済みだ。
今回はまず固定電話とインターネットを解約、それからあっちゃんが使っているスマホをわたしの名義に変更するつもりだ。以前はわたしの契約回線数の問題で名義変更はできなかったのだが、わたしの息子が本人名義の契約に変更したため、あと1回線はわたしの名義に変更が可能だ。

駅前のショップが道路の向かい側に移転していて少し慌てたが、思いのほか空いていたのですぐに手続きをお願いした。必要な書類は事前に準備してある。自分でもずいぶん手慣れてきてるなと思う。
多少時間はかかったが目的どおりに対応してもらい、固定電話は28日までの利用ということにしてもらった。あっちゃんのスマホは名義が変わったことでネットワーク暗証番号が変更になるが、それはわたしが覚えてればいいだろう。

手続きの最後にインターネットの解約窓口の担当者と電話で話をした。

『インターネットの口のところからつながっている光回線の機材があるのですが、それはレンタルですので返却していただく必要があります』
「はい、わかります」
『返却キットをご用意しますがどちらにお送りすればいいでしょうか』
「わたしの自宅のほうに。それからどうやら御社指定のプロバイダにも入っているようなのですが、そちらも別途手続きしたほうがいいですか」
『このプロバイダは当社とのセットですので、本日の解約の手続きを持って一緒に解約されますのでご安心ください』

携帯電話ショップを出たわたしは、100円ショップに寄ってガムテープや梱包用のヒモなどを調達、そのあと念のため、あっちゃんの年金が入金されているY銀行のキャッシュカードを使って、教えてもらった暗証番号が正しいか、確認してみた。

『暗証番号が違います』

どういうことだろう。さっき聞いたばかりなのに。
まあ今回は時間があるから慌てなくていい。また後で聞いてみよう。

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2024年12月19日木曜日

古本食堂。

あの本、読みました?」というテレビ番組がある(テレ東系)。書評番組とでも言うのだろうか。まあわりとニッチな番組なわけだけど、毎週かなり楽しみにしていて、といってもリアルタイムだと忘れちゃうから毎週録画して。

この本もその中で紹介されていた一冊だったと思う!!)原田ひ香「古本食堂」を読む。

古本が置いてある食堂の話ということではなくて(←なにがしかのネタバレ)、古本の街・神保町を舞台に、急に古本屋を継ぐことになってしまった女性と、彼女を取り巻く人々、そしてアクセントとして登場するのが神保町界隈の「名店」の食。

モチーフとして取り上げられた書籍も、題材になったいちいち旨そうな食も、神保町という街の中の現実にあるはずで、でも「最後まで説明しない」のが実にいいなぁって思う。

余白、とでも言うのかしら。

だから「読むしかないじゃん。食べてみるしかないじゃん。」なんて思ったり。腹減った(笑)。
さすがに国文学的な書物は手を出さないと思うけどさ。


『17歳の地図』、か。
あのころの僕は何を考えてたろう。どんな未来を想像してたろう。
なんも考えてなかったか。受験なんてもんが幸い目の前になかったし、何も考えずに今だけに生きてんだろうな。
あの時もし…いや、考えるまい。未来にはきっと幸せがあったから。

ところで主人公の珊瑚さん(いい名前やな)は意外と若くない(うーん、言い方難しいぞ)。
であるがゆえの、悩みとか思いとか、そのあたりがすんごくリアルに感じる――人生経験=達観ではないからね。でも、それもまた未来の幸せのひとつ。

何せ珊瑚さん、めちゃくちゃキュートなんだもの。

・・・とりあえず、いろんな本を読みたくなったのは間違いない。だね。


2024年12月18日水曜日

好事魔は多いのです。

生活習慣な通院の23回目。前回の話は→コチラ

前回、血液検査でわりといい結果が出ていて気を抜いた、というつもりはなかったが、今回はネガティブ方向に0.3ポイント動いていた。

ドクター「ちょっと大幅ですね」
ぼく「はぁ」
ドクター「何か食べすぎたとか運動不足とか」
ぼく「はぁ」

だって心当たりないもん。答えようがない。
強いて言うなら、少しストレスがかかった日常だったかな。それが食べる量とか酒の量とかに影響してたかも、という程度。

ぼく「少し気を付けて生活します」(o´(エ)` o).oO(...自信なし...)
ドクター「そうしてください(ビシッ)。薬はいつもどおりで(ビシビシっ)


ストレスといえば、先日「痒。」というブログを書いたんですが、その後皮膚科で診断してもらったところ「蕁麻疹」とのこと。
原因は多種多様なので特定はできないけれど、乾燥も寒暖差も暑いのも寒いのも、肌を触ったり見ることですら「ストレス」で、それが原因になると。ましてや「いわゆるストレス」も確かに実感できる日々だったからなぁ。

アトピーに対しては塗り薬だったけど、蕁麻疹に対しては飲み薬。
飲み始めたらたった1日で痒みが止まった。すげぇ。

ま、完調ということではないのだけれど(日によって変動しちゃう)、でも「効く薬あるから」と思えるのはすんごく安心。


2024年12月17日火曜日

エースの最後の言葉を胸に。

※ブログお休みしてる間ですが、J1最終節は一応現地にいました。思い出しつつ記録を残します。

最終戦の浦和レッズさんは毎年のことながらクッソ弱い。
一方の新潟さんは浦和さんにごっつ弱い。

お借りしました(↑)

新潟は残留がかかってたから、勝ち点1へのこだわりが強かったかと思うし、一方の浦和は来季に向けた見極めと、何より“The Ace”こと興梠慎三と宇賀神友弥のラストマッチという“縛り”があったからね、まあ“こういう感じ”になっちゃうのはしょうがないかな。
試合後にブーイングが出る気持ちは超わかる。が、むしろ負けなくてよかったわ。


特に浦和さん、5万5000人とか満員になるとさらにめっちゃ弱いからねぇ(白目)。

前半、興梠に突発的に訪れた決定機。あれが決められなくなったということが彼の限界だったのかもしれない。
だって、この埼玉スタジアムで何度ああいうシーンからのゴールを見てきたことか。
でも60分間もプレーしてくれてよかった。胸でのパスとか相手を背負うプレーとか、いかにも興梠らしいトコもたくさん見せてもらって、しっかり焼き付けましたよ!
今日の記録的には「イエローカード」のみですけどね(笑)。

満了が決まってるリンセンもらしいプレーが随所に見られた。彼のラストプレーは「届かないけどスライディングタックル」だったかな。うん、ブライアンだ(涙)。

ウガはラスト10分間。CKのときにクリアボールがウガの前に飛んで来いって祈ってたけど、そうはうまいこといかないか(汗)。
むしろ左SBとしてはちょっとヤバいぐらいの出来(悪い意味で)だったよ。失点に絡まなくてよかった。特に88番が良かっただけに。


彼らとの思い出は山ほどある。感謝したってしきれない。

でも振り返ってる場合じゃない。ひとつの時代が明確に終わったわけだ。来シーズンは新しいチームで世界に打って出なきゃならないんだよ。
そしてもちろん、国内タイトルだって。

Aceの言葉を胸に、みんなで“ヒーロー”©興梠)になりましょう!


2024年12月16日月曜日

ミッションは達成、そして休養を。

今節手前の順位表を見ながら思っていたのは「順位が上の相手とのアウェイゲームとはいえもちろん連勝したい。でも今の順位と貯金もキープしたい。だからまず、最低でもひとつ勝ぁつ」、でした。

自分でフラグ立てちゃった(汗)。
結果は1勝1敗。Game2での敗戦は次の週末まで気分がよろしくない(笑)けども、トータルとしては「ミッションコンプリート」かな。

品川 62-65 東京Z○

Game1の前半は、相手の高さ(特に落合が出てるとき)に攻守とも壊されてしまった感じだった。それでもザック、ルイス、スペンス、ジェスといったメンバーを投入して(長い時間ガード1枚だった)高さと守備強度を担保しつつ得点源であるビッグマンたちの負担を減らし(だってずっと自分より10センチでかいのとやりあってたんだもの)、結果3Qの大逆転につながった。攻撃面はマリクをはじめ、みんなすばらしい出来だったんだけど、その意味では采配が見事だったかなと。
とにかくオールマイティなザックの復活はありがたく、そして井手不在のPGを担った池田もすばらしい出来だったっす。

そしてもちろんクラッチタイムは強いんです!


品川 69-64 東京Z○

展開としてはGame2も似たような形。前半は先行されて後半追いすがっていく。
で終盤勝負なら・・・が、無念。

Game1との決定的な差は、たぶん体力面。サイズで上回る相手と2日連続でバチバチやってた選手たちが、本当に走れなくなっていた。コンタクトするとバランス崩すからあと半歩のトライができない、そんな感じだったな。

いや、この2日間だけじゃない。

開幕当初からフル稼働してきた選手たちは20試合を超えてちょうど疲れがどっと出てくるタイミングということもあると思うんだ。

幸いなのは、次がバイウィークってこと。
コンディション回復が最優先課題じゃなかろうか。
特にジェイシーとジェイには温泉にでも入ってゆっくり疲労を取っていただきたい。
そういえば蒲田には温泉がたくさん(笑)。


ところで。
シモって本職はスラッシャーな気がするのよね。ガンガン中へのアタックは続けてほしい。特にエンドラインは得意でしょ?
さすれば3Pもさらに。


2024年12月8日日曜日

ブログ更新お休みします。

 数日間、新規の投稿が止まる可能性があります。

もしも、もしも楽しみにしてた方がいらっしゃったらごめんなさい。



2024年12月7日土曜日

アスフレ圧勝。

本当に「圧勝」だったかどうかは別として、気持ち的にはそんな感じです。
ごめんなさいね、と岩手方向を見ながら。


前節終わりに僕はこのブログのラストに「上位との対戦は大きな試金石」って書いた。
なんだかそのとおりというか、期待以上になっててね。おじさん、目から汗が出るよ。

Game1、映像は見ていないんだけど、中盤で大きく離されながらも終盤追いすがって最終的に6点差。「お、こりゃ可能性あるな」というポジティブな状態で迎えたGame2だった。

○東京Z 74-61 岩手

地力の部分ではたぶん岩手が上位で、外国籍は高さだけでなく幅もあって、ガード陣はシュートが上手いのはもちろんサイズもあって、アスフレがこれまでリーグ戦の中でフィジカルの部分で対戦相手に「優位性」を持っていたところが特に苦しい状況だった。
流れはずーっと岩手。そう思ってた。
それが特にリバウンド取れん!に現れてたかな。

だけどアスフレは追いすがった。簡単に失うゲームにはしなかった。
離されずに粘る。そのために走る。

堪えて堪えて、そして現れる日替わりヒーロー。

なかなか手にすることのできかった流れを手中にしてくれたのは、ルイスであり金本でありスペンサー、そしてマリク。いわゆるファーストチョイスではない選手たちだ。

このメンバーは機動力がある。走れる。だから守備強度が上がる。
おまけにシュートまでバリバリ入る!マリクのポスターダーンク!!ルイスのすりぃぃぃぃ!

岩手が音を上げた、と言ったら失礼かな。

でも4Qの勝負所で岩手の得点が58から5分以上動くことがなかったのは守備強度の勝利と呼んでいいと思うのよ。

圧倒的にがんばったから得た勝利。だから「圧勝」。



翳りゆくひと。[070]


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みぃさんに生命保険関係の書類の取りまとめを頼んで、わたしは雑然としている電話台周辺の整理に向かった。マンションの鍵が置かれていたりする場所なので、何か重要なものがあるかもしれない。

ほとんどがゴミでしかない書類の中で、「マイナンバー」と書かれた封筒が出てきた。中を見てみるとマイナンバーカードを作成したときの控え、暗証番号が書かれている書類である。なぜかマサさんの分はなく、あっちゃんの分だけ。

「あれ、この暗証番号、こないだ聞いたのと違うね」
「あらそうだったかしら」

マサさんのマイナンバーカードの暗証番号は確認済みだ。その番号を聞いたときに、あっちゃんのほうも聞いたのだが、その番号と齟齬がある。

「ちょっとコンビニ行ってくる」

コンビニの端末で、あっちゃんのマイナンバーカードを利用して住民票を発行してみる。当然だが書類に書いてあった番号が正解だった。
覚えやすい番号にするのはやめましょう。そう言われるし、そうあるべきだとは思うんだけども、認知症に対してはすごくセンシティブだ。難しいな。

マンションに戻って電話台の整理を続ける。重要な書類のようなものは見つからないが、大量の小銭が出てくる出てくる。数百枚、いや千枚以上はあるか。
マサさん、いつも出掛けるときにはジャケットのポケットに小銭入れを入れていくくせに、家に帰ってくるとポケットに小銭が直接入ってて、それを無造作にその辺に放り出してた。同居してた昔のことを思い出す。

お、これは昔の家計簿か。几帳面とは程遠いあっちゃんがつけてたのか。それにしてもこんな何冊も何冊も、まるでパズルのように棚に押し込められてる。一度出したら二度としまえないだろう。それでも出してみるしかない。

パラパラとめくっていたみぃさんが家計簿に挟まってた封筒を発見した。

「これ・・・」
「えっ」

封筒の中から出てきたのは現金。表書きから想像するに、何かの支払いのために封筒に入れておいたものではないだろうか。察するに支払いは普通に財布から出してしまい、封筒は帰宅してなんとなくここに挟んだ、ということじゃないかな。

ヘソクリとは思えないけれど、この後も現金の入った封筒はいくつか見つかることになる。
一応本人たちの今後の生活費のためにわたしが預かることにしたのだが、これはもう無頓着を通り越して、杜撰だな。わたしは苦笑いをするしかなかった。

家計簿周辺はみぃさんに任せて、わたしはマサさんの部屋に向かった。
これまでも何度か見てはきたがマサさんの物置と化した部屋、とにかく今回は端から端まで。そう決めていた。

カラーボックスに入れられた封筒。表には「○○の書類」と書かれていて、一見きちんと整理されているようには見えるが、封筒の置かれている場所に一貫性がなく、さらには中身が違ってたりしている。覚悟を決めてひとつずつ見ていく。

「ん、あっ」

変な声が出た。これこそ探し求めていた書類。ついにマンションの権利書(登記簿)が入っている封筒を発見した。
なぜか別の封筒に、売買契約書も。

絶対に見つけたかった書類が、初日の午前中のうちに見つかった。このマンションに頻繁に来るようになって、一番うれしい瞬間だったかもしれない。
わたしはリビングに向かって大きな声を上げた。

「見つかったよー」

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2024年12月6日金曜日

翳りゆくひと。[069]


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あと1週間、あと4日、あと1日。
めんどくさい、しんどい、イライラする、そうした思いを堆積させ重ね圧縮したような日々を経て、ついに出発の朝がやってきた。

とにかく今回はあっちゃんを無事に老人ホームに入居させること。
そのための諸々の準備、そしておそらく突発的に起こるであろういろいろな事柄に対して、横に妻であるみぃさんがいるのは大きい。
作業分担はもちろんのこと、情報共有と判断の面で、ひとりだと見なかったことにしてしまいがちなこと、見過ごしてしまうことがきっと少なくなるはずだから。

「やっぱり4階まで歩いて上がるのは大変だね」

久しぶりにこのマンションに来たみぃさんの言葉に、やはり年寄りが暮らすには都合は良くないんだということを再認識する。

「お母さん、お久しぶりですー」
「いつ以来だったからしね」
「今日は引っ越しの準備のお手伝いに来ました」

姑と嫁の挨拶を横目に、わたしはざっと室内を見回す。前回から約1ヶ月しか経ってないから、郵便物が大量に溜まっているということもないが、やはりキッチン周辺のゴミは当然のように増えているし、シンクの洗い物も同様だ。
わたしは「キッチン、すごいことになってる」とみぃさんに目配せをした。みぃさんも「見た見た」という合図をしてきたが、そんなことはおくびにも出さず、あっちゃんとの会話を続けている。

「引っ越しは来週の火曜日ですから、この3日間で準備しましょうね」
「そうね」

この会話で気づいたことがある。
あっちゃんは見栄っ張りだ。だから息子の妻とはいえ、ある意味「他人」がそこにいると、ものわかりのいい人を演じているのではないかと。
言葉は悪いがそれを利用させてもらって、必要と思われることは一気に進めさせてもらおう。

「マイナンバーカード、預かるから出して」
「どこにあったかしらね」

マイナンバーカードを回収し、続いて銀行の通帳もまとめて回収した。
通帳は使用済みのものもご丁寧にすべて取ってあるが、それをひとつひとつ確認しているのは時間がもったいない。

「これ、ウチに送る用のダンボールだから、捨てたらマズそうなものはここに入れておこう」

引っ越し用のダンボールはわたしの自宅に送る荷物もあるだろうからと、イワキさんに依頼して少し大目に用意してもらっていたのだった。

銀行口座といえばマサさん名義のものはこの1年で整理済みだったが、あっちゃん名義のものはここまでまったく見てこなかった。

「使ってる銀行口座ってどれとどれかな。キャッシュカードはある?」

あっちゃん名義の口座は4つ。普段使っているというのは年金の入ってくるY銀行のもの。とりあえずひととおり受け取って、これは荷物として送るわけにもいかないので、チャック付きのケースに入れてわたしのデイパックの中にしまいこんだ。

「大事なものは新しい家に持っていくわけにはいかないから、全部預かるからね。心配しなくていいよ」

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2024年12月5日木曜日

ブラックフライデーから一夜明け。

「一夜」ってことでもないけど、ブラックフライデーのバーゲン期間もようやく終わって今。


たくさんの通販サイトのカートにたくさんのグッズを突っ込んで、でもそのまま週末をやり過ごした自分を褒めたい。


幸せはモノだけじゃないんだぜ。なんてな。

・・・え?もうクリスマスセールなの??クリアランスセールって何??


2024年12月4日水曜日

自宅トレーニング[シーズン3]#26

最近の中ではちょいと負荷強めでトレーニングしてみたんですわ。

そしたらその夜、寝てたら肩が痛い。右肩が痛い。寝返り打てないほど痛い。
肩?胸?背中?とにかくそこらじゅう。
寝返りダメなら直立不動で寝るしかない――寝てるのに直立不動っていうのか?

そしたら朝には腰まで痛い。寝返りって大切。
起きるのも難儀する。痛い。

やはり「日々」の「継続」なんだよね。急にガッツリとか一番ダメなやつ。


【2024年11月度】
加圧トレーニング:1回[自宅トレ通算243回]
寝起き素振り:19回
月間さんぽ歩数:約36万歩

計測
前月比:   体重-0.5kg 体脂肪率+0.6pts
前年同月比: 体重+0.9kg 体脂肪率+0.5pts
2013年7月比:体重-7.7kg 体脂肪率+4.0pts

前月のトレーニング→コチラ



2024年12月2日月曜日

爆勝快勝で連勝。

「貯金4」

ああなんて素敵な響き(うっとり)。
シーズンのおおよそ1/3を経過してこの成績。やるじゃねぇか!!って感じよ。
得失点差も+61。たまんねぇなぁ(笑)。


湘南 69-95 東京Z○

Game1はとにかくシュートがよく入ったってのはもちろんあるんだけど(3P%が42.9!)、それ以上にフィジカルが優位だったような気がしてならない。
うまくプレイタイムをシェアしてて、最後まで走り切れたのが大きいかと。
終わってみれば爆勝。
逆に湘南は、3Qだったかな、プレイが止まった瞬間にもハドルに集まる気力もなく5人全員が腰に手を当てて下向いてたシーンがあったからね。その後は一気に点差がついた。

湘南 77-85 東京Z○

それを受けてのGame2、外をかなり警戒されてたようだったけど、外がダメなら中もある。
競っている中でも、ここ最近の「勝負強さ」がプレイセレクションにもいい影響が出てる感じに見えた。
そして最後は安定の快勝。

プレイオフに向けて、貯金なんてナンボあっても困りませんからね。
この好調の流れを継続したい。その意味でも次節、上位との対戦は大きな試金石。


2024年12月1日日曜日

それはそれとして。

「興梠うめぇ!」

特に決定機に絡んだとかそういうことではないけれど、たったひとつのポストプレーで唸ってしまった。
僕たちはこれをずーーーーっと見てきたんだ。そりゃCFに対するハードルは高くなるよね(笑)。
逆に言うと、そういう選手を育ててほしいのですが。浦和で。

福岡 1-0 浦和●

結果は敗戦。それはそれとして受け入れて改善していくしかないのだけれど(またお前か紺野)。

それはそれとして。

この試合はメンバーを大きくいじってきた。戦前のマチェイさんのコメントから、来季も見据えた戦いであったことは想像できる。
その中で、僕は「誰かと誰かを比べて」、「あの選手がよかった」みたいな話は書きたくない。そうも思ってないし。

その上で、全体としてチームのテンポの速さとか、阿吽の呼吸とか(部分的だけど)、今季なかなか見ることのできなかったリズムみたいなものがものとても楽しかった。

負けた試合が「楽しかった」というのはものすごく苦しいけれど。

ワンタッチのパスが前線に届けられたり。
後方の選手がアタッキングサードに飛び込んできたり。
逆に前線の選手がプレスバックしたり。

2025シーズンがちょっと楽しみになった。

・・・と言えるのは勝ってからな。くそう。



2024年11月29日金曜日

翳りゆくひと。[068]


[068]

5月23日木曜日。仕事中のわたしのスマホにあっちゃんから着信があった。空いてた会議室に移動して通話ボタンをタップする。

『今ね、マンションの管理会社の人から電話があったんだけど、マンションを売るなんて話、私、聞いてないんだけど』
「ちゃんと話て決めたでしょ。新しく住むところの資金も必要だし」
『何も知らないわ』
「説明はしたし、理解をしてくれたと思って進めてるよ」
『覚えてない』

困った。いずれにしても管理会社にきちんと説明が必要だ。

「相手の人の連絡先は聞いた?ちゃんと折り返して・・・いや、こっちから電話するから連絡先教えて」

不服そうなあっちゃんではあるが、また電話すると言っていったん通話を終えた。

「もしもし、先ほどお電話いただいた4階のほうでお世話になってます・・・」
『ああ、どうも。わざわざすいません。ご家族の方で?』
「はい、長男です」
『不動産業者からの売買関係の書類作成の依頼があったものですから、こちらとしては住人の方のほうに確認を取ることになってまして』
「売却の方向で話をしているのは間違いありません。シルバーサポート社を通じて不動産業者の方を探していただいている、という段階です。実は、母は認知症傾向にありまして、そうした話が進んでいることを忘れてしまっていたようでして」

住人としてマンション売却の前段階で管理会社に仁義を切っておく必要があるのか、というわたしの質問に、SS社からは「それは特に必要ないです。業者間の話になりますので」という回答を得ていたので、おそらくその一環だろう。もちろんこの会話はあっちゃんもいる席で行った会話だったのだが。

『そうですか。シルバーサポート社経由ということはおっしゃってました。売却の意向が確認できましたので、クリアになりました。対応進めさせていただきます』
「長きにわたり父と母がお世話になりました。引き続きよろしくお願いいたします」

一瞬、「もうほっといてもいいか」とも思ったが、さすがに不義理すぎるか。あっちゃんのスマホを呼び出す。

「もしもし、管理会社の人にはちゃんと説明をしておいたから。さっきも言ったけど、イワキさんにお願いして、マンションを売る話を進めてもらってるんだからね。全部こっちで対応するから心配ないよ」
『全部任せるわ』

なんかついさっきと反応が違うけど、何か思い出したりしたのかな。

『引っ越し、しかたないわね』
「しかたないも何も、もう決まってるんだよ。来週の火曜日に引っ越しだよ」

日付の感覚とか怪しいからなぁ、来週とか火曜日とかきちんと把握できてくれているとは思えないけど、決定事項なんだということさえ理解してくれれば十分。

そして翌日、新居となるホームの個室の備品について最終確認をした後、わたしはもう一度あっちゃんに電話を掛けた。

「今日、イワキさんが引っ越し荷物をまとめるダンボール箱を届けてくれるから、受け取っといて。受け取るだけでいいから」
『イワキさんね』
「そう。それでね、引っ越しの準備に明日の朝、みぃさんと一緒にそっち行くから。10時半ぐらいには着くからね」

みぃさんというのはわたしの妻である。

『遠いところ悪いわね』

今日はわりと普通に会話したな。この感じが続けばいいのだけれど。わたしはそんなふうに思っていた。

さあ、あとの準備は現地に行ってから。
いよいよ老人ホーム入居3泊4日へのラストカウントダウンだ。

067<[翳りゆくひと]>069


2024年11月28日木曜日

描画イッパーツ。

お出かけ着(お仕事服)として使ってた無地の白の長袖Tシャツがかなりくたびれてきたので、ほぼ同じものを買いました。

新旧を比べてみると、少し広がった襟はもとより、やはり「白」がずいぶん違いますね。
いい歳したオトナとしては買い替えて正解だったと思います。

とはいえ、古いほうも捨ててしまうほどダメになってるわけではないので、部屋着(パジャマとも言う)へ降格ということになりました。

ここでひとつ問題が。
新旧を同時に洗濯することもあるだろうし、パッと見ただけではこれがお出かけ用か家の中用かの区別がつかない。

ならば印をつけよう。

油性マジック(マッキーの太いやつね)で、古いほうに目印を描きます。当然のことながら一発勝負。まさにファイト一発(違)。緊張のせいか手が震えます(嘘)。


背中側の襟の下。いきなり描いたにしてはまあまあの出来じゃないでしょうか!!

drawing by 144factory、です(笑)。


2024年11月27日水曜日

この世界の危うさを読む。

ほむほむのおすすめ第3弾、村田沙耶香「さツじん出産」を読了。
例によってタイトルは一部伏字扱い。なんだか恐ろしく速いスピードで読み終えてしまった気がする。なんでだろう。


物騒なタイトルだが、生と死、あるいは生と性といった人間(あるいは生物)の根源的な部分にまつわる短編集。

内容については書かないけど、冒頭の表題作を読んで、「この作家さんは何ということを思いつくのか」と驚く。驚くというか恐ろしいというか。

とにかくこちらの価値観とか倫理とか社会性とか、自分が普通だと思ってることが全部丸ごとひっくり返されてしまう。
なのに物語の世界ではそれが当然の文化で社会で常識なのだ。その違和感とか怖さたるや。
逆に今自分の生きる世界の「危うさ」みたいなものも感じてしまう。

気持ち悪い。

なのに、逃げられない。

僕にとっては十分強烈なホラー作品だった。何てもんを読んだんだろう。

2024年11月26日火曜日

伝説にならなかった45分間。

8月24日、ハーフタイムに雷雨のため中止になった川崎戦。
あの日のブログには「いいゲームだった」と書いてた。

その「いいゲーム」を後半から再開する。可能なかぎりあの日と同じメンバーで
ウチの場合監督代ってるんだけど(汗)。

そんな特殊な状況だけになんだか伝説の一戦になるんじゃないか、そんな予感がして、45分間のために埼玉スタジアムまで行ってきた。のだけど。
ブログ書くのに時間がかかってることで察してくれ(涙)。


特に伝説になるようなことはまっっったくなかった。

△浦和 1-1 川崎

『1点リードだけれども、0-0の気持ちでゲームに入ろう』という感じだった浦和。
『1点ビハインド、45分しかないんだからアグレッシブに』という感じだった川崎。

それがスコアに現れた(この日だけなら0-1で川崎勝利)かなという印象。

決定機がなかったわけではないし、実際頭抱えるぐらいギリギリだったシーンもあったんだけど、全体としてはそれこそ「アグレッシブさ」に欠けたゲームだったかと。

正直に言えば、45分しかないんだから「もっとやってくれよ」ということだ。

・・・ま、こんな試合を現地で見たというのもまた浦和を応援している者としてのひとつの思い出だわね。つらい(半笑)。


2024年11月25日月曜日

勝負強さ。

ずーっとこのチームを見てきて思う。
選手もスタッフももちろん入れ替わってきてはいるものの、こうも継続的に勝負強かったことってあっただろうか、と。

アウェイゲームで、競り合いの展開で、終盤にリードを許す場面もあっても、まるで慌てた様子もなく、特に「奇跡的な」雰囲気もなく、ちゃんと勝っちゃう。
やっぱりまだどこかで信じられないというか・・・・すまん(^^;

岡山 76-81 東京Z○
Game1は見てないんだ。

とはいえ、まだまだ上には上がいるので「俺たちは強い」などと思い込まないほうがいいよね。ひとつずつひとつずつ。それが身の丈に合ってるような気がする。

・・・というかですね、勝つのは楽しいねぇ!!(正直者)


開幕当初のように28→4のシンプルPnRで得点を重ねる、みたいなわけにはさすがにいかなくなってきたけど、誰かのポストで「よろしく」状態になっても、必ずほかの選手がカットなりに走って相手を動かしたりスペースやパスコースを作ったりしているのが個人的に超好感度高い。
意思統一、チームプレイ。あたりまえのことなのかもしれないけれど、そうした積み重ねが今のチーム状態につながっているのだと確信をしているのです。


2024年11月22日金曜日

痒。

どもこんにちは、アトピーです。
お肌かさかさボツボツと黒ずんでます。お肌よわよわです。
もう長い付き合いで、皮膚科に通院はしてますけど、治るって感じでもなくてね。「調子はどうですか?」「一進一退ですね」「じゃあいつもの薬を出しておきますね」ってやり取りしてるだけです。

症状が強めに出てるのが下肢ですね。寝てる間とかに無意識に搔きむしって流血しちゃってるなんてこともしばしば。


そんな私ですが、前回通院した後ぐらいからかなぁ、なんかあちこち痒くって。
アトピー症状の出てなかった、今まで痒くなったことがないような、たとえば手のひらとか指とか踵とか肩甲骨のとことか、とにかくあっちこっち。

そのうち、小さな発疹がポツっとできたりして、そうするとそこ掻いちゃったりして、傷ついたりして。二の腕の裏とか脇腹とか。
爪で十字に跡つけたりして(笑)。
手首に出たときは「かゆっ」ってなってどんどん大きくなるのを目で見られた。けど我慢してたら10分ぐらいで消えてなくなってた。なんなん。

そのうち手のひらサイズぐらいの「大量発疹」がお腹とか太腿裏とかお尻とかに登場して。
痒いの痒くないのって痒い。

ただ薬塗ったら収まるのでそんなに気にしてないの。ありがとうね、ステロイド。

とはいえ、やっぱりどこかで掻いてんだよな。あちこち赤くなったり傷になったりで恥ずかしくって人には見せられませんよ状態に。ぐすん。

次の通院のときにでも相談してみようかとは思ってるんだけど、自分なりに想像すると、アトピー+寒暖差+乾燥。それに加えて「秋の何かのアレルギー」が出たんじゃなかろうか、と。

やーねー。

と書きつつ、掻きつつ。


2024年11月21日木曜日

【ら~めん】維新@目黒

かねてからの宿題店、「麺や維新」にようやく行くことができました。
店の前に「祝11周年」の花が出てましたので、かれこれ10年ぐらいは「行きたい店リスト」に入ってたことになりますね(^^;


トップメニューの醤油を食べようと思って券売機の前に。でも積年の思いが溢れて(?)、豪華トッピング版の「特醤油らぁ麺」(1350円也)をポチっとしちゃいました。

「お好きな席へどうぞー」

ということで厨房のよく見えるカウンター席に。
奥行の広いカウンター、洒落た内装、広々厨房。なんだかオープンキッチンのダイニングバーみたいっすね。店員さんの制服も黒だし。

「お待たせしました特醤油です」

おお。強めの醤油色のスープにチャーシューとワンタンと味玉が浮かぶ。中央には緑のネギ。スープの量も多いしその色で麺の姿は見えません。
写真はインスタ(2枚目)にアップしてます→コチラ

まずはそのスープから。
あっ、甘い。鶏の出汁と醤油の味が絶妙にマッチして甘さを感じるスープ。これ好きー!
しっかりとした味わいなれど、軽やかな印象もある。
ぐいぐい飲んじゃうわ。

いかんいかん、麺食べるの忘れてた。では改めていただきまーす。

細めのストレート麺はのど越し滑らか。でも噛んだら噛んだで旨い。スープとよく合いますー・・・と、またスープをぐいぐいと飲む(笑)。

特筆したいのがワンタン。お肉しっかりみっちり。
豚と鶏のチャーシューも柔らかさと噛み応えが同居してて。「特」にしといてよかった!

最後の一滴までスープを飲み干してごちそうさまでした。もっと早くに来ておけば!

JR/東急目黒駅の東口から目黒通り(下り線)を白金方向へ250mほどの右側。


2024年11月20日水曜日

サンドランド。

今回今さらながらに見てみた映画は「SAND LANDです。


鳥山明原作ということぐらいの知識しか持ち合わせてなかったんですけど、いやー、これはいい作品だったわ!!

Dr.スランプを連載当初に読んでた程度の私なので鳥山作品を語るなんてのはできないけれど、魅力的なキャラクターに加えて、少しばかりイメージのないシリアスで重厚な人間ドラマをたっぷりと盛り込んでて、もうぐいぐい引き込まれちゃいましたよ。

「最強の悪魔の王子」が主人公ではあるのでしょうが、彼が物語の中心というわけではなくてストーリーテラーというか、彼に『人間ってのは悪魔より悪いな』と言ってもらうための存在なのかな、などとも。

そして物語の中心は「人間」。
人間の欲望と執着。
一方で立ち止まって振り返り、そして改めることのできる理性。
何より真摯に日々生き続けること。

そんなことをビリビリと伝えてくる作品でした。

それを下支えするアニメーションの高質なこと!
鳥山的デザインを忠実に再現するのはもちろんのこと、派手にすればいいって話でもなく、シンプルで滑らかで・・・「説得力」ってのかな。そんな感じでした。

・・
・・・

僕の中では「鳥山作品には魅力的な女性キャラが登場する」というイメージがあるのですが、今作も登場します。が、写真の中で微笑んでいるだけ。そのあたりも含めて「ちょっと違うな」と思わせてくれました。


2024年11月19日火曜日

かくも水深き。

ほむほむのおすすめ第2弾は、竹本健治「かくも水深き不在」です。


精神科医・天野の周囲で起こる事件とその謎をめぐる短編集、という言い方で合ってるかな?

ホラーあればサスペンスあればミステリー色の濃い話もあるのだけれど、読者である私自身がどこか迷子になってしまったような感触がある。

換言すると“答えが見つからない”のだ。

特に「花の軛(くびき)」という作品は、何度ラストを読み返しても理解ができない。困った困った。

肌感覚としてとても緊迫感というか緊張感というか、心がぞわぞわするような作品を読んでいると思ってはいるんだけど、アタマのほうが何か制止をしているような・・・・んーー。

読んでるときは物語の世界に入り込んで読んでるくせに、読み終わったら「はて?」となってしまう。

なんか困っちゃったよ。

・・
・・・

そんな思いを抱えて最後の「舞台劇を成立させるのは人でなく照明である」を読むと――。

あーそういうことなのか。ぽんっと膝を打つ。

でもね、とは思いつつも、やっぱよーわからんのよ。
だってそれぞれの話は別々に発表されたんでしょ?
「舞台劇~」は単行本のときに加えられた話でしょ。

困っちゃったなぁ。

で、「かくも水深き不在」ってどういう意味?


2024年11月18日月曜日

守備の勝利。

試合後にケントHCは語った。「守備の勝利だった」と。

ついでに(?)ルイスのことも名指しでほめてたけど、ルイスの機動力と献身性は今のアスフレにとって重要な「武器」だと思うし、彼がスターターになってる理由だと思う。この試合ではそれが特に守備への貢献につながっていた。この試合では超重要な場面での得点もあったしね。残り1分のとこのスリーが入ってれば満点だったけど(汗)。

ルイスに限らず、全員がよく集中した守備を見せてくれた。
組織が崩されても最後まで寄せるとか、スクリーン掛けられてもちゃんと追うとか、リバウンド取れなくてももう一度守備に走るとか、「その1歩」が相手に苦労をさせ続けてた大きなポイントだったと思う。
守備で戦えるチームは、個人的には大好物です(笑)。

「出張蒲田の壁」の貢献度も素晴らしかったですね。早々にチームファウルが5つを数えた4Qは、なんとFT%は60%ですから。4割阻止はヤバイでしょ!

○東京Z 64-59 八王子

一方攻撃はのほうは少しノッキングを起こしたような感じだったかな。相手の守備もあるだろうし、わちゃわちゃした中でファウルがもらえずTOしちゃう場面も目立った。

得点が伸びず、ビハインドの点差が少しずつ広がってたゲーム中盤、ケントHCは攻撃を活性化することのできる「井手を使う」ことを我慢してた(と想像してる)
守備で消耗させるのではなく、温存した上で攻撃面での爆発力に期待する――。

まさにそのとおりの展開になった。

期待に応えた井手もすごいけど、ケントHC、名将なのでは?!

私の中の「ヒーロー賞」

今回の世田谷開催、チケット買うの出遅れて1F立見席だったんだけど、コートは近いし立って応援するほうが性に合ってるしで、個人的には「一番いい場所」だったりする。
Zgirlsも至近距離で拝めるし。ありがたやありがたや。

ところで、未だホーム負けなしですか。
ひとつたりとも負けたくはないけれど、なんかフラグになっちゃいそうで口に出して言いたくない、そんな気持ちもあったりして(^^;

*  *  *

(余談追記)
この日は東急電鉄プレゼンツ。HTに「のるるん体操」があったんだけど、Zgirlsが踊ると子供向け体操ですらおそろしくカッコよく素敵になるという発見。
あと、AYUMIさんが歌詞口ずさんでたのよかった(はぁと)。


2024年11月16日土曜日

翳りゆくひと。[067]


[067]

老人ホームへの入居日が確定した。

あっちゃんが5月28日10時半。
マサさんが5月29日10時。

28日は火曜日なので、月曜・火曜と休暇を取れば、あっちゃんの引っ越しまで土日含めて3日間準備ができる。3日目は平日だから役所とか何らか手続きが必要ならその日に対応しよう。

マサさんのほうは、さくら老健に任せてしまっていいという話をいただいていた。家族のほうとして特に準備が必要だとも思えなかったので、それは甘えさせてもらうことにした。

あっちゃんの準備とマンションの片づけのために、今回わたしの妻が同行してくれる。
妻の予定を確認した上でで、往路の航空券と現地の宿泊3日分の予約を行った。
復路については、何があるかもわからないし、最悪翌日になるということも可能性としてはありうる。費用はかさむが当日予約することにした。

入居日までおよそ10日。
最後の週末は「準備のための準備」に忙殺されることになる。

あっちゃんの荷物。
入居にあたり必要なもののリストはグッドライフからもらっていたが、他に必要なものはないか、考えながら改めてリストを作っていく。洋服などもあるから、準備は女性同士のほうがいいだろう。現地での準備は妻に任せることにしよう。
あっちゃんの保険証類や飲んでる薬も必要だ。

契約のための準備。
マサさんあっちゃんの印鑑と住民票のほかに、保証人になるわたしの印鑑と印鑑証明が必要になる。自分の実印を見るのはなんだか久しぶりだ。

あっちゃんから預かるもの。
保険証類に加えて、マイナンバーカード、通帳やキャッシュカード、クレジットカードといった「金」関係。もちろんマンションの鍵も。
生命保険とか、そういう「大事な書類」は、ひとつひとつ確認しておく時間はないだろう。内容にかかわらず、すべてまとめていったんわたしの自宅に送ってしまうことにしよう。

ほかにもマンションの売却関連の準備とか、関連して電話やインターネットの解約のための書類の準備、郵便物の転送の届出書類の準備とか、リストアップするだけでわたしの頭はオーバーヒートしそうだった。
ただ、このリストがちゃんとしてないと、事態がスムーズに運ばないかもしれない。そちらのほうがリスキーだと考えていた。

そんな状態のわたしに、あっちゃんから電話がかかってきた。

『どこかに行くって言ったのかしら』

言ったよ。決めたよね。面談だってしたじゃない。

『もう少しここにいようと思うんだけど』

怒っているつもりはないけれど、ここは強く言わなければならない。
それはもうできないから。できないんだよ。

『いろいろ考えちゃうと眠れなくて』

わたしだって眠れない日々が続いている。
それこそ布団に入ると頭の中で段取りのシミュレーションが始まってしまってどうにもならないのだ。

もちろん、できることなら、丁寧にすべてを片付けたい。
でもそのために、自分の暮らしを蔑ろには、疎かには、できない。あたりまえだ。

矛盾するようだけど、どれもわたしの本音なのだ。入居まであと1週間。がんばれ。

066<[翳りゆくひと]>068


2024年11月15日金曜日

翳りゆくひと。[066]


[066]

半休扱いで仕事を抜けたわたしは、N銀行に出向いた。
ATMからさくら老健の4月分の利用料を振り込み、そのあと発券機で番号札を引いて窓口の順番を待った。

マサさんとあっちゃんの老人ホームへの入居の初期費用は、ATMで手続きできる額ではない。
窓口で手続きするにあたり、本来は名義人本人がそれをしなければならないことはもちろん承知している。
だが、こんな状況である。「なんとかなりませんか」という相談をしたかったのだ。

この大口振込の問題は以前から気にはなっていて、実際にどうしたらいいだろうかと諸々経験のありそうなSS社にも相談をしていた。

「老健でお父様の外出許可を取って、車椅子を銀行まで押して行って振込をしてもらう、ということはできると思います。当方で対応させていただけますので」

ウチコシ社長はそのように言ってくれていたものの、入居前には支払いを済ませなければならないので時間な猶予があまりないし、マサさんを連れ出すこと自体があまりに煩雑であり大変だとも思っていた。わたしが手続きできてしまえばそれに越したことはない。

「これ、父の口座なのですが、本人が今回老人ホームに入居することになりまして、その費用の振り込みをこの口座からできないかと思い、今日はうかがいました。本人は今施設におりまして、認知症もあって本人が対応することがなかなか難しいので」

わたしは通帳、それからグッドライフからもらっていた金額と振込先――グッドライフの口座もこのN銀行のものだった――が書かれた書類の画像データを提示した。

「なるほどお話はわかりました。少々確認いたします」

窓口の方はいったん裏へ。頭ごなしにNOと言われなかったことで少し希望があるようにも感じたのだが。

「お待たせいたしました。本日、ご本人様確認ができるものは」
「はい」

マサさんと、そしてわたし自身のマイナンバーカードを出した。

「お届け印はお持ちですか」
「はい、持ってます。それから念のため、委任状もあります」

委任状と言っても、わたしがマサさんの名義で作ったもので、『この口座に関する一切の手続きを委任する』といった文言を書いておいた。押印もしてある。

「もう一度確認してまいります。お待ちください」

ダメで元々。そう思っていると。

「振込の対応させていただきます。こちらの振込依頼書にご記入ください」
「えっありがとうございます。助かります」
「それから委任状はこの原本をこちらでいただいてもいいですか」
「どうぞどうぞ」

こんなものでよければ、などとは当然言わないが、委任状にそれなりの効果があったということなのかな。
これが地方銀行の良さというか、メガバンクではこうはいかなかった気がする。地元の企業と地元の人のために、融通と言ったら語弊があるかもしれないが、骨を折ってくれたということだと思うことにした。そしてその行為のひとつの証憑として委任状を利用してくれたのだと。

ありがたい。

銀行を出て、グッドライフのミズマキさんに送金が終わった旨を一報した。まもなく入居日も確定するそうだ。

電話を切って、そして改めて通帳を見る。

間違いなく老人ホームへのイニシャル費用が振り込まれている。
だが一方で、昨年夏に証券口座を解約して得た「残高」が、当然のことながらかなり減ってしまった事実もそこにあった。

065<[翳りゆくひと]>067


2024年11月13日水曜日

琵琶湖より愛をこめて。

今回今さらながらに見てみた映画は「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」です。
改めて言うこともないですが、翔んで埼玉の続編です。


正直前作のインパクトがすごかったので、「別に続編作らんでもよくないか」みたいな気持ちはありましたが、日本埼玉化計画がある以上当然のこと、という気もしないでもないです。
やってることは基本的に何も変わらず悪役側も味方側も分け隔てなくその地域について愛を持ってディスる、それだけです。それが十分楽しいです。
前作が「げらげら」なら、今作は「けらけら」ぐらいですけど。スケールは大きいかもしれないけど繰り返しなんでね。

楽しかったですよ。頭っからラストまで。それ以上この映画に何を求めろと?(笑)
個人的にはやっぱり浦和vs大宮のトコが一番好きだったりしてね(^^;

そうそう、杏さんのオスカルっぷりは最高でした。ハマり役ですね。
そして今作も二階堂ふみさんの無駄遣い(大笑)。

・・・エンディングのはなわの歌が意外に良かったわ~。ださいたま、ならぬ、咲いた埼玉。


2024年11月12日火曜日

フィギュアスケートの日。

会場でフィギュアスケートの競技会を見たことがありませんでした。アイスショーも未経験。
そういえば長野五輪のときのチケット、スケート競技は申し込まなかったな。スキーばっか。

でも競技そのものは大好きで、テレビで中継があれば欠かさず見るし、6種類のジャンプも普通に見分けられるしエッジエラーに気づく程度には「観戦オタク」でもあったりします。

一度は生で見たかったんです。特に昨今日本人選手が強いというのもありますし。

でようやく今回それがかないました。2024グランプリシリーズNHK杯(2日目のフリー演技の日)に行ってきました~!!


代々木第一の2階席ですが、角度的にもすごく見やすい席でした。よかったよかった。
時系列でちゃんといろいろ書くと大長編になりそうなので、かいつまんで箇条書き(^^;

  • アイスダンスの競技開始が12:00。ペア、男子、女子と続いて終了が21:45。長い。長すぎる、と思ったものの始まってしまえばあっという間。むしろ全競技を一気に見られたことが良かった。が、やはり帰ろうとしたときには背中と尻がバキバキに固まってた(笑)。
  • 思ったほど寒くない。ダウンとかブランケットとか用意してたのに(笑)。ただいつもそうとは思えないんだよな、周囲の様子を見るに。
  • 客席のおばちゃんたちの「圧」が強すぎ(@_@)。でも案外若い男性も「ふぅ~」とかアイドルに向ける声とはちょっと違う絶叫してた。たぶん友達にはなれない。
  • トイレは会場の中よりも外に出たとこのトイレのほうが早いと思われる(特に女子)。半券で再入場可能なので。
  • メシは事実上売ってないので、買って持ち込んだほうが良かったね。原宿駅のコンビニまで買いに行くハメに。
  • 会場内で高橋大輔に遭遇。横のグラサンのオンナは・・・あ、村元哉中か。てかもうアイスダンス終わってますけどいいんすか?(笑)

  • 個人的にアイスダンスの「ツイズル」が好き、ということを認識(笑)。
  • アイスダンスのトップ選手の演技の直後にペアの下位の選手の演技を見ると、同調性の差に驚く。
  • りくりゅうは会場の盛り上がりほどには出来は良くなかったかな。ただ細かいところなので来シーズンまでには調整してくれるだろうし、何より「魅せる」部分についてはトップオブトップであったのでは、と。
  • 生でジェイソン・ブラウンが見られて感激。上手い。表現も含めてとにかく上手い。エッジが氷に当たる音が聞こえてこない。すごい。
  • 今回の出場、なんかアメリカとイタリアに偏ってる気がしたのだけど、世界の勢力図が今現在はそうなってる、ってことかな。マリトッツォ(嘘です。マッテオ・リッツォね)はまだまだ良くなりそうね。
  • 三浦佳生。6分間練習でジャンプを失敗して、それを不安要素として本番も引きずってしまったかのよう。本来は圧倒的な滑走速度が持ち味(テレビで見てても「速えぇ」って思うほど)なのに、慎重になったのかスピードが乗らなかった。残念。
  • 鍵山優真。冒頭4Fを見たこともないぐらい「きれいに転倒」したのには驚いたけど、内容は圧倒的。相手は世界のみ。
  • その鍵山、競技前とキスアンドクライの表情が違いすぎる。あれはおばちゃんたちイチコロだわ(←)。
  • 君が代聞けてよかった。
  • 女子は言うことなし。青木、千葉のノーミスの演技はもちろんお見事(青木さんの3Lz3Loのコンボはインパクト抜群)。何より世界一の坂本花織ですよ。あの2Aの飛距離の凄さ。ひとつひとつの技術の正確性。単純なスケート技術。圧倒的な迫力。会場を巻き込む吸引力。何もかも素晴らしかった。これを生で見られたこと、末代まで自慢したい!!
  • 君が代聞けてよかった。しかも日の丸3つ。

いやー、ホント楽しかったわ。
唯一残念だったのは“推し”の住吉りをん選手が出てなかったこと、かな。


2024年11月11日月曜日

浦和っぽいのかも。

前半、とにかくディフェンシブサードから「出る」ことすら許してもらえず、ゴール前に次々にクロスが入り、CKを連続で与え、相手のシュート数だけがどんどん増えて・・・という時間が長くて「こりゃヤバイ」「とにかく耐えろ」と思うばかりで、失点は時間の問題かも?という雰囲気だったのは確か。

でも一方で「ちゃんと守れてるな」という気持ちもどこかに持ってた。
ラインの上げ下げはちゃんとできてたし、CKになるシーンでもただ逃げるのではなくて迷いなくエンドラインに出してる見えたから――相手CKは守れるよ、という自信?

攻め疲れってあるだろうし、ただでさえ前がかりなスタイルの広島だからね、「隙」が生まれたのもどこか必然だったのかもしれない。
それを生み出したのが浦和の守備だった、と言ったら言い過ぎかしらね。
松尾はウイング、関根はウイングバック、みたいな立ち位置もよく機能してた。

○浦和 3-0 広島

1点リードで迎えた後半は、コンディションの差もあってすっかり浦和ペース。

生まれた2点目は相手プレスを裏返すビルドアップも、松尾の超高速クロス(シュート?)も、そしてそのボールから目を離さずにしっかり当てにいったリンセンのヘディングも、すべてが「かみ合った」ゴールで、素晴らしいのひと言。

3点目も交代で入った前線の選手が全員絡んでのゴール。言うことなし!元気~!!(感涙)


これで3試合連続無失点。
まずはしっかり守ろうよ、というマチェイさんのスタイル。そして相手の状況を見て攻撃に出ようというマチェイさんの考え方。
勝負強さということよりも、「なんだか浦和っぽいな」ってことをより大きく感じている。


2024年11月9日土曜日

連勝ストップ。

連勝ストップ!
この言葉「勝ってないと言えない」やつなので少し自慢げではありますな(笑)。

横浜EX 75-68 東京Z●

上位のエクセレンスに「好調アスフレが挑む」という図式だったこの一戦、勝負の分かれ目は、やはり1Q残り3分を切ったところでの「6-16」とリードしたところから、気が付けば2Q5分の「27-16」まで走られてしまったとこよね。

この時間帯、とにかくリバウンドが取れなかった印象がある(スコアちゃんと見てるわけじゃないんだけど)。
このところの好調を下支えしていたのがこのリバウンドだったと思ってるので、それが崩れるとリズムが失われていくってことだろうなと思いつつ見てた。


「俺たちのよく知ってるアスフレ」ならそのまま大量得点差で負けてたんじゃないかと思うんだけど、「今季のアスフレ」は一味違う。
3Qに「14-26」としっかりカムバックして、ゲームを壊さずにきちんと戦い切った。

負けたのは残念だけど、すごく希望も見えた上位との一戦だったんじゃないかな。
Game2、きっとチャンスあるよ。

・・・といいつつGame2はバスケットLIVEもできないんで・・・現地のみなさん、よろしくです(平身低頭)。


2024年11月8日金曜日

翳りゆくひと。[065]


[065]

老人ホームへの入居準備と並行して、マンション売却の話も進めなければならない。

最終の見積のために不動産業者が確認のためにマンションに来てくれることになっていたのだが、それに対して間に入ってくれているSS社イワキさんに「例によって母がそのことを失念している可能性が高いので、よろしくご対応をお願いします」とメールを一本入れておいた。
イワキさんのことは施設見学で2日間一緒にいたし、名前を出しても「?」というリアクションがないので、おそらく覚えているだろうし。

そのほか、売却に向けて必要なもののリストも送ってもらった。

実印。
マサさんの実印は手元にある。マサさんの部屋から見つけて回収済みだ。

印鑑証明と住民票。
マサさんのマイナンバーカードはわたしが持っているので、コンビニで発行しておいた。
当然のことながら、マサさんの住民票を出すとそこにはあっちゃんの名前も記載されている。

登記済み権利書。
これが最大の問題だ。もう一度マサさんの部屋を本格的に探さなくてはならない。
ただ、仮に見つからなかった場合も、マサさんとの面会が必要になるものの行政書士が対応可能という話も教えてもらった。少し気が楽になった。

固定資産税納税通知書。
これも前回リビングテーブルの上の郵便物の中から回収して、わたしの手元にある。

銀行口座。
売却代金の振込用。これはマサさん名義のN銀行の口座が都合が良さそうだ。老人ホームの利用料の引落し口座もこれになる予定だから。

準備のできたものはひとまとめにしておこう。
わたしは100円ショップでチャック付きのポーチやら何やら、整理用の諸々を買い込んだ。

そしてホームとあっちゃんの面談日当日である。
わたしのスマホが震えた。相談員のミズマキさんからの着信だ。

『お母様、今日は来訪の件、ちゃんと覚えていらっしゃいました』
「良かったです」
『無事面談も終わりましたので、入居日程を決めていきたいと思います。早ければ20日の週、受け入れの都合もありますので、お父様とお母様の入居日は別になるかと思います』

そうか、入居できることになったのか。良かった。本当に良かった。
ん、20日の週だって?もう来週じゃないか。

もちろん平日日中は仕事をしているわけで、すっかり余裕のない日々をわたしは送っている。何かこう、時間の急流に飲み込まれているような感じさえある。

いずれにしてもさすがに来週の、しかも前半は難しいんじゃないだろうか。
あっちゃんの入居準備の際には、妻も同行してくれるということになっている。そうしたことも含めて。

「こちらの希望で恐縮ですが、あまり長期の休暇がとれるわけではないこともあり、20日の週であれば可能な限り週の後半、できれば週末のほうがありがたいです」

念のためSS社イワキさんにも同じ内容でメールを入れて、調整を依頼した。

ともあれ入居が決まったことは喜ばしい。が、漫然と喜んでいる時間はない。必要なことを、漏れなく。

まずは早速入居費用のイニシャル分の振込手続きをしなくては。

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2024年11月7日木曜日

【ら~めん】美風@戸越銀座

わりとご近所のお店で、気にはなってたんだけどなんとなく機会がなかった「麺や 美風」に初めて行ってきました。


メニューはいろいろあるようなのですが、店の外壁にでかでかと『コラーゲンたっぷり濃厚鶏そば』って書いてある以上、「鶏白湯そば(普通)」(850円也)しかないっすよね!
「普通」って書いたのは、券売機がちょっとややこしくて、「普通」の表示を探さないと特製とかになっちゃうもんだから。

カウンターから厨房の様子をうかがいます。
調理はご主人ひとり(フロアもひとり)。手元までは見えないのですが、メニューの数も多いので何かと大変そうですがてきぱきてきぱき小気味よく動かれてますね。さて。

「お待たせしましたー」

白く不透明なスープに細麺、これぞ鶏白湯!!
細く刻まれたキクラゲと鶏チャーシュー、緑の刻み葱、そして穂先メンマが見えます。ビジュアルも間違いない!
写真はインスタ(2枚目)に上げてます→リンク

ではまずスープから。レンゲから感じる重量感(笑)。

「お?ちょっとしょっぱいか?」

脳みそが騙されそうになりましたが、これは塩分ではなくて濃厚な鶏の出汁だ。うまいっ。
飲めば飲むほど旨味を感じます。麺よりもスープが先になくなりそうだったわ(笑)。

細麺もスープによくマッチしてるし、具材ひとつひとつも奇をてらったものでなく美味。
あっという間に完飲完食してしまいました。
聞けば「武一」の出身だとか。諸々納得であります。

ランチタイムセットで頼んだ玉子かけごはん(150円也)を食べるの忘れちゃうぐらい一心不乱に(汗)。
玉子かけごはん、刻んだ鶏チャーシューとか乗っててお得感はすごくありましたが(これも「武一」と同じスタイルか)、味の面では特に特徴はなかったかな。ふむ。

ごちそうさまでした。また別の味も食べに来ます!!

最寄りは都営浅草線戸越駅A3出口。二国(国道1号線)の戸越銀座信号から戸越銀座商店街を東(戸越銀座駅方向と逆)に入って左側2軒め。カルディとセカストの入ってるビルの次。


2024年11月5日火曜日

臆病者が眠れない夜。

ただ待つしかできないことはわかっていて。
だけどただ待っていられなくていろいろ想像して。

バッドイメージばかり湧いてきて。
かろうじて出てきたいい想像の先にも悪い結果を予想したりして。

今夜も眠れなかった。

誰だよ俺のこと「楽天的だな」って言ったのは。俺はただの臆病者だ。


2024年11月4日月曜日

翳りゆくひと。[064]


[064]

面談の日程が決まった直後、わたしはあっちゃんとホームとの面談に同席してくることになったセイコさんにメールを入れた。

「面談への同席、ありがとうございます」
「入所の件は納得はしているはずなのですが、突然思い出したように、もう少しひとりでやってみたいなどと言い出したりするのが少々心配です」

これに対し、すぐに返信があった。

『「ここを離れたくない」と泣いておられた方が入所後、別人のように明るい表情で暮らしていたり、ひとり暮らしのときは「生きていてもしょうがない」と言っておられた方が他の入居者と嬉しそうに過ごされていたりもします』
『認知症になると新しい環境に抵抗感が出るのは自然なことです。施設スタッフの方は豊富な経験から上手に対応してくださいます。どうぞご安心ください』
『お母様ももともとお友達付き合いのできる方です。きっとすぐに環境に馴染まれると思います』

セイコさんがそう言うのだから、きっとそうなんだろう。プロの言葉には本当に力づけられる。
今わたしがすべきことは、入所までこぎつけること、その一点だ。

面談日を前に細かい準備も進んでいく。特に何がということでもないのだが、わたしも何やら心中穏やかではなかった。

相談員のミズマキさんからは既往症の質問があったり、また、入居に必要なそれぞれの健康診断も滞りなく完了したとの報告を受けた。

あっちゃんの健康診断はいつものクリニックで対応してもらったそうなのだが、当日「今日は受診の日でしょ」と電話しておいてよかった。
必要なのはそういうひとつひとつの積み重ねなんだな。

5月10日、マサさんとホーム側の面談は問題なく終了した。認知症+車椅子という立派な介護状態でもあるし、面談の席にはオオヌキさんはじめスタッフの方々もいるし、何よりマサさん本人が穏やかに「はいはい」という感じなので、当初から何も心配はしていなかった。

やはり気がかりなのはメンタルの上げ下げが激しいあっちゃんのほう。
5日後か、明後日か、とついついカレンダーを見上げることが増えた。

そして前日。仕事を終えた直後のわたしのスマホが震えた。

『グッドライフのミズマキです。明日面談なのでお母様にお電話したところ、そんな話はまったく知らないとおっしゃってて』
「わかりました。わたしのほうから連絡をして、説明をいたします」

ふぅ。またイチから説明か。何て言おう。
頭を巡らせていると再び着信が。あっちゃん本人だった。

『グッドライフってとこから電話があったんだけど、わたし、どこかに行くって言ったのかしら』
「そうだよ、マサさんと一緒に暮らせるところに移るってことでこの間申し込みもしたじゃない。その施設の人が明日会いに来てくれることになってるんだよ」
『そうなの?ぜんぜん覚えてないわ』
「一緒に見学に行ったところだよ。準備はちゃんと進んでるから。明日はセイコさんも一緒に来てくれるし、グッドライフの人もいい人だから心配いらないよ」
『そうなのね』

意を決して言葉をつなぐ。

「今月中には引っ越すことになるからね。そのつもりでいてね」

もう何かを選択できるような段階ではないのだと納得してほしかった。

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