あの夏からもう2年。というわけで今回今さらながらに見てみた映画は「東京2020オリンピック SIDE:A」です。
「大会公式」映画ではあるのだろうが、少なくとも「記録映画」ではない。それはもう明々白々。
河瀬監督が撮るという時点で想像できてたことでもあるので、個人的には予想の範疇ではあったのだけれど。作家性とでもいうんですかね。
それが是か非かという議論は置いておいても。
本来、映像として残してほしいと(僕が)思う「スポーツの競技性」ではなく、ダイバーシティに代表されるような“サイドストーリー”に寄ってしまったのは残念としか言いようがない。
なにせ描かれている競技が少ない。偏ってる。
そして個人に対するインタビューが比率的に多すぎる。それは「その人の感想」を際立たせるだけで、スポーツの「結果」とは必ずしも一致しないのだから。
映像見ながら、この競技はこうだったね、メダリストは誰だったっけなんて記憶をたぐりながら、誰かとしゃべりながら見る程度が吉かな、と。
もう一本「東京2020オリンピック SIDE:B」も。文字どおりの裏面、すなわち組織委員会内部にスポットを当てたもの。
未曽有のパンデミックの中、もちろん多くの方々の尽力があって大会が成立したのは確かだろうけど、やはり“悪目立ちする人物”がいるせいで、どうしても印象がそこに引っ張られてしまう。
監督としてはフラットに描いたと主張したいのだろうけど、そこには批判の精神が透けて見えてしまう。
ちょっとだけ挟まれる競技シーン、わざわざ「失敗した選手」をことさらに見せるのはそういうことなんじゃないのか。
この2本を通じて思ったのは「僕はただ、大会のハイライトが見たかっただけ」なのだということ。ただそれだけ。
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WBCの「記録映画」のほうがはるかに出来が良かった、です。
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