2023年8月29日火曜日

仮面契約者。

東映公式YouTubeで半年かけて無料配信された「仮面ライダー555」を全話見た。すっかり話を忘れてたので(当時は今ほど仮面ライダーシリーズを一生懸命に見てなかった)、めちゃめちゃ楽しんだ。
確かに仮面ライダーの話ではあるんだけど、なんて言うんだろうね、あの若いころの「ぐじぐじ」「もぞもぞ」(?)した波打つ心模様やら、なんともカッコつけた正直になりきれない時代のことを思って、「あーもうっまったくぅぅ」って感じでしたよ。伝わらんな、この感想。

つまり、何はなくとも脚本が素晴らしかったんだろうなと思ったわけよ。

そんな中、書店で目に止まったのがその脚本を担当した井上敏樹による「小説 仮面ライダー龍騎」。龍騎も555同様ちゃんと見てないこともあるし、ぜひとも読むしかないな、と。


立ち位置としては「劇場版 EPISODE FINAL」のアナザーストーリーって感じかな、と受け止めました。ファムも出てくるし。

「最後のひとりになるまで戦え」というライダーバトルの、最終盤に残った仮面契約者(ライダー)の、それぞれの思いと過去を掘り下げつつの物語。
小説1本なんで、さすがにテレビシリーズ1年分は掘り下げられないだろうから、サイズ的にもちょうど映画1本分のイメージだ。

で、「劇場版」がある意味“救いのない”ラストだったんだけど、小説版は途中がものすごく息苦しい展開で(たくさんのエログロ含む)、次第に仮面契約者の数が減っていき・・・・そしてラストは意外にも“救いがあった”それだけで「良かった良かった」って気分になりましたね。

個人的なお気に入りは、17章の美穂の最期(あ、ちょっとネタバレだね)美しすぎやしませんか!

そう、このシーンだけじゃなくて、息苦しい中にも全体から美しさのようなものを感じてた気がする。
なんでかはよくわからないけど、現実世界とミラーワールドの相容れない感じが、たとえば句読点の使い方とか言葉の選び方で表現されてたような気がしていて、もしかしたら、そこ、なのかな。

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案外さらっと読めたし、オリジナルのストーリーを何も知らなくてもひとつの人間ドラマとして楽しめたんじゃないかと思います。
あ、ライダー同士が戦って勝ち残って願いを叶える、ってストーリーは「ギーツ」とおんなじだ。


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