2023年9月27日水曜日

乱歩に出会う。

もちろん子供のころに「二十面相」はワクワクしながら読んだ記憶はある(ぜんぜん覚えてないけど笑)。でも、“江戸川乱歩をちゃんと読んだ”という記憶はなかった。

だからこの「江戸川乱歩傑作集」で、デビュー作の「二銭銅貨」、明智小五郎初登場の「D坂」、そして有名な「屋根裏」「人間椅子」などをまとめて読む機会ができたのは良かったな、と。
ちなみに僕が手にしたのはなんと「百六刷」!


物語の内容とは直接は関係ないような気もすんだけど、“高等遊民”って言うのかな、大学生あるいは書生くずれみたいな、ある種知的な人々って、まだまだ町中では異物だったのかな、なんて思う。だからそうした人物の、摩訶不思議な思考回路がさらに作品に奥行きというか、「怖さ」のようなものを加えているように感じたかな。

それこそ明智は学者寄りな書生あがりって感じで、まあ得体が知れない(笑)。いいじゃないか。

その前提で、「心理試験」は面白かったな。ああそこっああっ!!
そして「赤い部屋」。この話はあんまり得意じゃな・・・・えええええええ!?

とまあ、驚くやら心の奥のほうをえぐられるやら。
とてもシンプルな短編集だとは思うんだけど、とても簡単には次に進めない余韻の強さは強烈で。思うに、確かにこれはマスターピースであり礎だなと。

繰り返しますが、読んでよかった。

*  *  *

[自分用リンク]

0 件のコメント: