この映画はピュアな青春映画だ。でも時代劇でSFだ(笑)。
というわけで、今回今さらながらに見てみた映画は「サマーフィルムにのって」です。
最初に書いちゃいますけど、マイベスト青春映画は永く「スウィングガールズ」だったわけですが、ついにそれに匹敵するサイコーの青春映画に出会っちゃいました!!
(どちらが上とか比べられないんで「匹敵」という表現にさせてもらいましたです)
映画部の「ハダシ」と天文部の「ビート板」と剣道部の「ブルーハワイ」の3人組が、文化祭での上映を目指して時代劇『武士の青春』を撮影する、というひと夏のお話。そして主役に抜擢されたのはなんと?!
物語冒頭で「ビート板」が読んでた小説が「時をかける少女」。このタイムトラベルな小説が、大きな(わかりやすい)伏線になってたりする。
まずさ、この3人組のあだ名がいいじゃない。作中で由来なんて何ひとつ説明ないし、どういう意味だろうって思ったりもするけど、きっと本人たちも覚えてなかったりするんじゃないかと想像したり、すでに元の意味なんてどうでもよくて、それが彼女たちにとって一番自然な呼び方なんだよねきっと、なんて思うのね。そういうことってあったじゃない、ぼくたちにも。
なんとなく夏を想起させるあだ名ではありますね。
そう、そんな時期に現れる、空回りするほどの熱量。
その熱量の集合体のことを青春って呼ぶのかもしれない――。
時代劇はひとつひとつ美しく儚く。
SFではタイムパラドックスが見事に消化されて。未来から「来ちゃった」は爆笑でした!
それらがひとつに収束したラストシーンはもはや奇跡――『武士の青春』のラストシーンでもあり、「サマーフィルムにのって」のラストシーンでもあって。
ついでに言うなら、スマホは登場するけどSNSは出てこない。登場人物に悪意のある人がいない。そして全員にそれぞれの役割がちゃんとある。ブルーハワイは剣の指導だけかと思ったらまさかの!
それぞれがそれぞれに主人公なのがまた良かったな。
その登場人物を演じた役者さんたちもそれぞれ魅力的でした。ハダシ役の伊藤万理華さんは存じ上げなかったのですが(乃木坂1期生だそうで)、自信なさげな猫背から急に瞳をキラキラさせてみたり、ふと恐ろしいばかりのキュートな表情を見せたり(さすが元アイドル)、そしてどこか凛とした立ち姿まで!!すごかったなぁ。
金子大地は「ああ武士似合うんだよなこの人」と再認識した。
引っ越しのサカイなダディボーイ、出てくるたびに笑った。
味わったことのない世界のはずなのに、自分も登場人物のひとりとしてその場を体験してるような気分になる。それこそが素敵な青春映画。
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