シリーズ第2弾は柴田よしき「夢より短い旅の果て」。
ある人物の失踪の謎を追って、女子大生が他大学の鉄道旅同好会に入部してくる。謎を解く鍵は、この同好会に、鉄道旅の中にあると信じて――。『長いトンネルに吸い込まれたまま(略)どこか見知らぬ世界へと走って行ってしまったのではないか…』
一応ミステリーと銘打たれているので、そういう体裁だが、多くのページが割かれているのは列車での旅の風景。それも日常の風景。
単純な「乗り鉄」ではなく、列車を使った「旅」――だから鉄道研究会ではなく「鉄道旅同好会」。そのこだわりについてはうまく説明できないので、本文を読んでいただくしかないのだけれど、なんとなくわかるなぁ、という感覚だ。
特にひとりで列車に乗ってると、時間というある意味最もぜいたくなものが与えられるような気分になる。考える時間、あるいは向き合う時間というか。
その時間の経過を内包して列車は目的地に向かう。
『ここに、今この景色の中に、この国のすべてがある。
山。海。緑。四季。そして、鉄道。』
列車の中に流れる時間は、すべての乗客にとって共通なのですね。
あー旅行いきてー。
ちなみに登場するのは急行能登、飯田線、こどもの国線・・・などなど。
沖縄本島のゆいレールが描かれる場面があるんだが、これは取材旅行と称して「沖縄に行ってみたかっただけ」なのではないのかと勘ぐっている(^^;
0 件のコメント:
コメントを投稿