『金と同じと書いて「銅」』
オリンピックのたびに耳にする言葉ではある。確かに比べるまでもなくそれぞれに同様に価値はあるはずだ。
とはいえ「金がいいです~」(©田島寧子さん@シドニー五輪)もまた真実だとも思う。
レスリング女子フリースタイル50kg級、3位決定戦。“絶対女王”と呼ばれる須﨑優衣選手は圧倒的な実力を見せつける形で銅メダルを獲得した。
最強!テクニカルスペリオリティ!
— 144factory [kaz144] (@144factory) August 7, 2024
戻ってきたメンタルがすばらしい!
須崎さん??おめでとう!!#wrestling#Paris2024
Wrestring Women Freestyle -50kg REPF
JPN SUSAKI Y 10-0 UKR LIVACH O
呆然自失の1回戦敗退からこの場に戻ってきたメンタリティ含め、すばらしい内容での見事な銅メダル。応援している身としても本当にうれしい勝利だったし、まさに「金と同じ」だと思った。思ったのだが。
敗者復活緒戦がスキップされていきなりの3位決定戦になった経緯を考えると、ふつふつと「残念だ」という怒りにも似た感情が湧いてきたりもしている。
ざっくり経緯を書いてみる。1回戦で須﨑さんに勝ったINDの選手は2回戦・準決勝も勝ち決勝進出を決めた。この時点でIND選手に負けた須﨑さんと2回戦で負けた選手が敗者復活を戦い、その勝者が準決勝でIND選手に負けた選手と3位決定戦を戦うというトーナメントが組まれた。
と・こ・ろ・が。そのIND選手が2日目に体重超過で失格になり、準決勝で負けた選手が決勝に進むことになり、3位決定戦の相手が不在になった敗者復活戦がそのまま3位決定戦にスライドした、ということだ(文章にするとよーわからんな)。
問題はこの体重超過の部分。
レスリングは2日に分けて競技が行われて、初日も2日目にも計量がある。まあギリギリの減量をしているケースも多く、初日計量後には当然食事をとって増量することになる。それはわかる。でも逆に極端な増量をすると翌日の軽量に引っかかってしまうから「常識の範囲内」に抑えるのは当然のことだ。だから2日目の軽量でNGなんて話は聞いたこともない。
はたして須﨑さんとの1回戦のときはどのぐらい増量してたんだろう。
階級がひとつ違うぐらい増量してはいなかったか。
軽量後の増量自体はルール違反ではない。だが、翌日に戻せないほどの増量を意図せずしてしまった、というのはオリンピックに出てくるようなアスリートとしては考えにくいのも確か。
このあたり話は→『フモフモコラム』に詳しい。ぜひ。
体重による階級が定められている競技は、すなわちそのわずかな差が力量に大きく影響を及ぼす。
もし、もしも仮に、恣意的な意図がそこに働いていたとするならば、それは他の選手の公平なはずの機会を「強奪」する行為だ。
今回の件がそうだとは言わない――疑ってるけども。
ルールはルール。失格は失格。
すばらしい銅メダルのシーンを見ただけに、なんだかひどく「残念」なのだ。
残念と言えば、スポーツクライミングの楢崎、110mハードルの泉谷、卓球男子団体も「あとほんのわずか」という結果になってしまい、残念だったなぁ。
この「残念」はそれ以上でもそれ以下でもなくて、ただ選手にはお疲れ様、と言いたいだけのこと。
この「残念」はそれ以上でもそれ以下でもなくて、ただ選手にはお疲れ様、と言いたいだけのこと。
でもレスリング勢の快進撃のおかげで早起き(深夜2時起きを早起きと呼ぶかどうかは議論の余地がありそうだ)してよかったと思えた、そんなパリオリンピック13日目。
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