2019年10月21日月曜日

【Japan2019】JPN v RSA[QF]~ゴールはここじゃない~

“ゴールはここじゃない”という、あのアイルランド戦の観戦記と同じサブタイトルを付けました。意味合いは、もちろん違います。予選プール突破に向けて浮かれてはいけない、というのが前回ならば、今回は「日本ラグビーの未来」の話です。

念願の、念願のベスト8にようやくたどり着くことができました。
しかしまだその場所で世界に伍して戦うだけの力量には足りていなかった。
自国開催というアドバンテージ、あるいは年間250日にも及ぶ代表活動といった環境をもってしても。

今度はその力をつけるための日々がここからスタートするわけです。代表だけでなく、ラグビー界全体の力として。
どれだけ遠く険しい道なのか想像もつきませんが。

Rugby World Cup 2019 Japan Quarter-Final 4
●JPN 3-26 RSA

立ち上がり2分か3分ごろのファーストスクラム。一瞬、ほんの一瞬押し遅れたように見えた。プール戦でどの相手に対しても互角以上に渡り合ってきたあのスクラムが押されてしまう。
スクラムで優位に立つことは心理面でも優位に立てる。そうしてリズムをつかんできたジャパンが、この大会初めて「押された」というのは僕の中でもかなり衝撃的だった。選手の心理はいかばかりか。

FW戦では明確に劣勢。相手の突進は2人がかりでもなかなか止められず、こちらは止まるどころか押し戻される。姫野や中村で前進できなきゃどうするのよ(涙)。
そしてその強烈なFWを操るSHのデクラーク。キックは正確だし、時間の掛け方がいやらしいし、足速いし。あーもうむかつくー!!ww

それでも南アフリカのBK陣が相変わらずぽろぽろやってくれてたので、得点差は広がらず、逆に外と裏にチャンスの芽が見え隠れてしているような前半ではあった。
できれば前半のうちにエリアを取りにいくキックをもう少し使いたかったんだが。

そして後半。
前半からやられていたFW陣の消耗が激しい。モールを組まれたらまるで止められない(でもモールが「止まった」という判定が遅かったとも思うんだよ。あと1秒早めにジャッジしてくれてたら、展開は違った・・・こともないか)。

反則は増え、モールはどうしても止められない。ついに66分、長い長いドライビングモールからトライを許す。疲弊したFW陣は早めに交代させざるをえず、しかも次々傷んでいく・・・。

ゴールラインを背にしてモールを組まれたくない。ならばとタッチキックで陣地を稼ぎにいく。
ところがこの試合最大の問題、ラインアウト。おそらくサインが完全にバレてて、長めのスローがまったく自軍に届かない。せっかく取り返した陣地を一瞬にして失い、ハイパントでの背走が続く。松島のハイボールの処理が満点でなかったらどれだけやられてたか。

福岡の走るコースも読み切られ、ラックは次々にめくられ・・・手持ちの武器を次々に奪われたような状態。

そうか。南アフリカはジャパンを徹底的に研究してきたんだ。4年前はそんなことなかったもん。そもそも手持ちの武器をすべてプール戦で見せちゃってたしなぁ。

すごいな。あの南アフリカにそこまでやらないと倒せない相手、と認識されたんだ。
その上で、すべてを出し尽くしての敗戦。完敗。逆に言えば武器が少なすぎる、ということでもあるのです。課題。

これこそがすばらしい成果だったと思う。陳腐な言い回しだけど。
そしてこれはきっと未来につながる成果だと思いたい。

まずは来年のセブンスだなっ!


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