2014年6月12日木曜日

人の振り見て我が振り直さず。

横断歩道の向こうから赤い人が渡ってくる。赤い人といってももちろんレッズサポーターではない。
若者ではないが、少なくとも僕よりは下の年齢だろう。

赤いスニーカー、白地に赤が印象的なタータンチェックのパンツ、白いパーカーは胸文字が赤。肩にかけた白い鞄には赤いadidasのロゴ、手には赤いスマートフォン。

林家ぺーの赤バージョンのごとく、通り過ぎる人がすべて振り返るほど真っ赤ではない。ただ、「派手」だとは思う。

小一時間過ぎたころ、駅のホームで再びその人に出会う。雨のせいで、赤いスニーカーはエンジ色に変色してたけれど。
同じドアから電車に乗り込み、そして同じ駅で降りた。

気になる。

それはその人自身のことではなく、たぶん普段派手な格好をしている僕自身のことだ。きっと僕自身が周囲からどう見えているか、ということについてだ。

「すごーく目立つ服着てたよね。ふっ」

お気に入りの山吹色のスプリングコートを着て出かけた日のことを、坊主2号に半笑いで言われたその言葉を思い出して、僕はなんだかくらくらしている。

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