2014年6月10日火曜日

動物園にミステリーがやってきた。

動物たちはすべてを見ていたのです!

というわけで、似鳥鶏「午後からはワニ日和」「ダチョウは軽車両に該当しますのシリーズ2冊を読了。著者名からして鳥だし(^^;

舞台は動物園、主人公は草食動物を担当する飼育員。
動物園と聞くだけでなんだかわくわくしてしまうのは僕だけかしら。

その動物園からいきなりワニが盗まれたり、マラソン大会のコースをダチョウが疾走したり(^^;
キリンは人の顔を舐め、ミニブタは駆け回り、犬は腰を振る(笑)・・・文体も飄々としていることもあって、まったくもってコメディだ。

でも、そこにある「事件」は思いのほかシリアスでハード。人間の社会問題にだって絡んでくる。
そして物語は意外な結末を迎え、読者にはちょっと物悲しい余韻が残る。

だって、「事件」は「人間」だからこそ起こしてしまうことであり、そして動物たちは言葉を発することはないけれど、その人間の姿を、醜い姿をずっと見ていたのだから。
動物と人間との絆、なんてことも考えると、ちょっとね。

ミステリーとしてはもちろんのこと、飼育員や獣医といった「お仕事小説」としても楽しめたな。
7月に続編が出るらしい。今度は「アルパカ」だそうだ。楽しみ楽しみ。

0 件のコメント: