今回今さらながらに見てみた映画は「カモン カモン」です。
事情があって9歳の甥とふたり暮らしを始めることになった中年男の奮闘を描く――と書くと、わりとありがちな設定のコメディかなと思っちゃうけど、さにあらず。
ホアキン・フェニックスが「ジョーカー」の次に出た作品としても注目されてたらしい。
子育てって正直難しい。自分も多少なりとも経験してるので、そう思う。
思うのは家族だろうと圧倒的に別の人間だということ。甥っ子のジェシーは少し変わり者で、ク●生意気なガキだがある意味正直でもあって、だから伯父のジョニーとは違うのだということが際立つ。
違うからこそ、たかだか数十年先に生まれただけで、それを導けるだけのものを持っているのか、自問させられるのだ。
『大人は子供が思うほど大人じゃない』『子供は大人が思うほど子供じゃない』
WOWOWの映画紹介で小山薫堂氏が本作について書いた言葉だ。この映画はこの言葉にすべて集約されるような気がする。でもやっぱり子供は子供の部分を、大人は大人の部分を色濃く持ち、それゆえに、そうではない部分とのギャップに悩み葛藤する。
そうして子供も大人も少しずつ成長していく。それはとても愛おしいものだったのだと、今感じている。
この作品で特徴的なのは、ジョニーの仕事として描かれるアメリカ各地の子供たちへのインタビューが、要所要所に挿入されてくるところ。おそらくはドキュメンタリーなのだと思うけど、子供が子供として未来を見ているところ、あるいは子供のとても大人なところが見えてくる。
いやらしい言い方をすれば、ものすごく「効果的」だったと思ったな。
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ところで、全編をモノクロームにしたのはどういう効果をねらったものだったんだろう。
「おしゃれっぽい」以外の答えが出てきません(^^;
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