腹立つわー(褒めてます)。
読みながらずーっとそんなことを思ってた、青柳碧人「むかしむかしあるところに、したいがありました。」を読了。
一寸法師、花咲か爺さん、つるの恩返し、浦島太郎、そして桃太郎という日本むかしばなしをモチーフにした短編ミステリー集です。
感想を書こうと思うんですが、ネタバレにならないようにぼんやりと書くならば、「ミステリーのあらゆる要素が詰め込まれてて、ものの見事に騙されて、腹立つほどにおもしろかった!」ってとこですかね。
「一寸法師の不在証明」「花咲か"し者"伝言」「つるの倒叙がえし」「密室竜宮城」「絶海の鬼ヶ島」と、各話のタイトルを並べるだけでもそのバラエティさがうかがえます。
一寸法師はいかにして――How done itとか、誰がいったい爺さんを――Who done itとか、密室トリックとか、「そして誰もいなくなった」とか、ね。
そしてその謎には誰もが知ってるむかしばなしの「あれ」が関係してたりするわけですよ。
つるの話は衝撃的だったなぁ。事件が起こるシーンから始まる、いわゆる倒叙ミステリーとして・・・・思いきや!!
浦島太郎は竜宮城で探偵役になるわけですけど、ああなんと切ないあのラストシーン!!
犯人までたどり着いているのに!!
鬼目線の桃太郎は冒頭に鬼ヶ島の地図!それにまず騙されてたじゃん!ああ説明したい(笑)。
誰もいなくなるだけじゃなくて、まさかの結末――横溝正史かと思うほどの血の物語・・・。実にラストにふさわしい。
あーネタバレしないように書くの難しすぎるっ。
自分の中ではかなりの傑作であります。
マジで頭おかしいわ(褒めてます)。
腹立つとか頭おかしいとかネット限定の誉め言葉をリアルで使わないように気をつけないとね。
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