今回今さらながらに見てみた映画は、いずれも原作小説既読の「64-ロクヨン-」と「武曲-MUKOKU-」の2本立てです。あ、「64」は前編と後編だから、合計で3本立てですね。
物語の内容はリンク先の読書感想文を読んでいただくとして(手抜き)。「64」は、昭和64年に起こった未解決事件の時効1年前という舞台でさまざまなプレイヤーのそれぞれの思惑が交錯する――いや交錯すらしてないかも――というのが見せ場になる。で、そのひとりひとりにいわゆる主役級の役者を配したものだから、相当にカオスだ。
カオスになること自体は、もともとそういう話なのでいいのだけれど、映画という時間的な制約のある中で、「で、お前は結局何だったの?」という人物が多すぎたかな、と。
前後編合計240分でも足りない(原作も上下巻だった)。でもどこかを端折ると成立しない。制作者は悩んだことと思います。
その努力に敬意は払いたいと思いますが、それでもやっぱり1つのストーリーを前後編に分けるのって、あんまり好きじゃない。
一方「武曲」のほうでは2人の剣士の対決部分にフォーカスをし、ある意味切り捨てた(剣道だけに「斬り捨てた」かな)エピソードもあるように思う。
こちらも大作なので、そういう判断も映画としてはそれで正解なのかもしれない。
だけど、小説を読んだ側からすると、描き足りてない、そんなことも思う。
特に「酒を断っていたはずなのに、ふと飲んでしまう」という部分。R指定を喰らいそうな病的な狂気。もう少し描いてこその主人公の「弱さ」なのではないかなぁ。
役者のパワーで押し切りましたな(^^;
・・
・・・やはり原作ありきは難しいです。
ちなみに「64」はNHKでやった連続ドラマのほうが好みでした。
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