2015年4月24日金曜日

ロクヨン。

映像化された原作、さてどちらを読むか・・・本屋でひとしきり悩む。
宮部みゆきの「ソロモンの偽証」と天秤にかけて、買ったのは横山秀夫「64」(ロクヨン)
だって「ソロモン~」って厚い文庫が6冊ですよ。辛かったらヤじゃないっすか。

読み始めておそらくはたった10ページで情景や空気みたいなものが感じられる。なるほど映像化したい気持ちはわかる気がする。秘密の香りが漂い、それを吸い込んでしまうと物語の中に取り込まれるだけ、そんな感じ。

ところが、物語はちっとも動かない。上巻の2/3をすぎても。「やばい、失敗したか?」

ところが、そのあたりまで我慢して読んでいくと――おそらくはそこまでが登場人物の関係性を示す「助走」だったのだと思う――急激にアクセルを踏み込んだかのような加速を見せる。

刑事部の思惑と刑務部の思惑。上司の思惑と部下の思惑。本庁の思惑と県警の思惑。警察の思惑と報道の思惑。父の思惑と娘の思惑。夫の思惑と妻の思惑。刑事の思惑と被害者の思惑。
多くの思惑が、ひとつとして同じ向きを向いていない。眩暈がする。

だが、「昭和64年の誘拐事件」を中心に、すべてが――・・・。

ほぼ主人公のひとり語りで話は進む。なかなかにヘビーであるが、それが重厚感というものなのだろう。そして下巻なんてあっという間に読み切っちゃった。

キャッチコピーの「究極の警察小説」というのは、大げさではあるけれどもわかる気がする。あえて書くなら「究極の警察“内部”小説」かな~。

いやはや、すごい話だった。
ま、これ以上はネタバレしてしまうので書きません。ぜひ本を手にとっていただきたい!
事件に関係して引きこもりになってしまった男性の名前にちょっと驚く(謎)。小説で見かけたのは二度目だ。

そうこうしているうちにNHKドラマがスタートした。主演はピエール瀧。これは「なるほど~」と唸らされる。理由は・・・(←ちょいネタバレ(^^;)。

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