2024年7月30日火曜日

【Paris2024】ヒーローは最後にやってくる。

パリオリンピック4日目。

開幕およそ1ヶ月前、パリ五輪に向けた選手たちの話をこのブログに書いた。そのとき最後の最後に出場権を勝ち得た選手のことを指して僕はこう書いた。『ヒーローは遅れてやってくる。』と。

堀米雄斗。

東京五輪から3年、連覇のかかるパリへは出場すら見込めないほどのところから、最終予選の最後の最後、優勝しか可能性がないラストのトリックを決めて、コンコルド広場にやってきた。

3年前はラン×2+トリック×5の計7本のうちの上位4本の得点の合計で争ったストリート種目、今回はランが1/2、トリックが2/5の3本の合計点での戦い。正直、トリックの採用数が少ないぶん厳しいかもな、という気はしていた。

が、そんな心配をよそにランでも高得点をたたき出す堀米だったが、これが相乗効果を生んでしまったかのように他の選手にも次々に高得点が出る。
「なんか流れ良くないなぁ」なんて少し思ってた。

トリックも1本目に『やべぇ』やつを繰り出したものの、他の選手もどんどん高得点を積み重ねていく。逆に堀米は2本目以降点数を積み上げることができない。
4本目が乗れなかった時点で「もうダメかも」と、期待はしているけどもどこかで信じきれないという心持ちだった。だって96点以上だよ。

でも、ヒーローはちゃんとやってきた!!


勝負のアヤになったのが2本目のトリック。今回から採用された採点拒否のルールを使って一応は成功していたトリックを自ら無効にしていた。トリック2本の得点をまとめることよりも、このトリックならもっと高い完成度が狙えるはずだという強い信念を選んだのだと思う。

そして5本目に決めてみせてくれたのが、そのトリックだった。
素人目にもはっきりわかるノーリーの高さ、空中のバランス、スライドの安定感と長さ、そしてドンピシャの着地。


叫んだね。飛び跳ねたね。深夜にごめんなさいね>ご近所の皆様

そしてこのトリック(細かい名前とかようわからんが)、あの最終予選で出場を決めたトリックと同じ。
こんなストーリー、ある?

間違いなく、ヒーローの物語だった。カッコよかったぜ!!

Skateboarding Men Street Final
[1] JPN HORIGOME Yuto

(追記)ノーリーバックサイド270テールブラントスライド


体操男子団体の橋本大輝にも同じようなことが言えるのかもしれない。苦しんで苦しんで、それでも最後の鉄棒で決めてくるのだから。
寝ちゃって見てなかったんだけど。ごめんね。


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