2022年7月20日水曜日

探偵さえいなければ。

東川篤哉「探偵さえいなければ」を読了。
烏賊川市シリーズの最新短編集・・・って大好きなシリーズなのに新しいの出てたの知りませんでしたよ。本屋さん行ってなかったからなぁ。
さらに続編単行本はもう出てるみたい。前作「私の嫌いな探偵」の読後ブログは→コチラ

例によって軽やかな語り口に、にやにやしながら読書スピードが加速してしまう。そこが要注意。大事なことを読み飛ばしちゃってるから。
そのことに気がついて、本作は何度も何度も戻りながら読みました。まあ繰り返し読んだところで、結局読み飛ばしてるんだけどね、キーポイントを。


鵜飼探偵って――鵜飼さんにかぎらず、大家さんの朱美さんも助手の流平くんも砂川警部も含め――探偵らしきことは特に何もしてないのに(失礼)、結果的に事件を解決に導いてしまう。ある種の天才と言っていいのだけど、もしかしたら「意図」してるんじゃないかと思ったりもして・・・・いや、たぶん気のせい(笑)。

今作でも“なんとなく”事件を解決に導いているように見える。今作には犯人が捕まらない話がひとつあるが、真相は判明している。
ところがやっぱりよーく考えてみると、見事なまでにロジカルで「うーむ、やられた」と思ってしまう。

文章を読むこと自体の楽しさと、ミステリのおもしろさが両方味わえる、僕にとってはやはり特別なシリーズ、です。

そうそう。今作には倒叙的要素の入ったやつもあって、犯人側のあたあたする心理描写がすごくおもしろかったっす。


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