2021年9月30日木曜日

ホテルローヤル。

今回今さらながらに見てみた映画は「ホテルローヤル」です。

釧路湿原に建つラブホ「ローヤル」のひとり娘として生まれた主人公の心模様、そしてそこに集う客たちの人間模様を描く。
原作は直木賞受賞作なんで読んでみようという気にならなかったわけではないけども、結局未読。


見終わって実はもう数日経ってるんだけど、余韻が増してきてる気がする。

直後は「いやーおもしろかったぜーっ」って感じでもなくて、特にラストに主人公の雅代が「区切り」をつけようとするあたりが、イマイチ伝わらんなーなどと思ってたんだけど、今はじわじわとこう入り込んできてるような感じなのよ。

考えてみると、この映画は人間模様だけでなく、とある“夢の場所”――それは訪問客だけでなく経営側にとってみても――の誕生から終焉までの時間経過、つまり歴史を描いた物語でもあることに気づく。

場所としても単語としても最高級でかっこよかったはずの「ローヤル」が、古びて朽ちてしまう時間。そしてそこからまた次の時間が始まっていく――。

せつなくも小さな希望の物語だった。目線を変えれば見えるものも違うのだから(ネタバレ?)。

主役の波瑠も表情だけで演技ができるのだなぁ、と感嘆したりも。


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