2020年8月18日火曜日

お江戸レンタル屋、まだまだ営業中。

『好奇心もおせっかいも貸し出すよ!』(帯のコピーより)ってなわけで、シリーズ3冊目、平谷美樹「貸し物屋お庸――娘店主、捕り物に出張る」を読了。
1作目「江戸娘、店主となる」→コチラ 2作目「娘店主、奔走する」→コチラ


今回のお客様のご要望は、行李、十両、猫、そしてお札(ふだ)。
4話とも例によっての人情話でありちょっとしたミステリーであり、相変わらず楽しいです。

「猫」「お札」については容易に想像できるでしょうが、ファンタジー要素も濃厚です。

お庸の成長(?)とまったく変わらないないところ、なんだか親戚のおじさんの気分で読んでるかもしれないですね(^^;
3冊目にして江戸の町で次第に有名になっていくお庸。その評判は「口が悪い」というのがほとんど。でもそれでもその評判の裏には「信用」も伴っている。それはつまり正直であるということなのだろうけれど、「正直でい続けることができる」ことへの羨望ってのが僕の中のどこかにあるような気もするなぁ。

さて。

4つの騒動の影で、お庸を狙う大名屋敷の手の者が暗躍する姿が、ずーっとバックグラウンドで描かれています。次作以降、何か大きな事件が起こるのかもしれません。わくわく。

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作中江戸の地名がたくさん出てくるわけですが、今回は読みながら地図も確認してみました。
現在には残っていない地名やお堀も出てきますので必ずしも正確な場所がすぐわかるわけではないのですが、日本橋○○町と残っているとこもあって、地図が頭に描けると、より小説が楽しめるということに気がつきました。こないだ日本橋界隈はだいぶ歩いたのでね(^^;
鉄道ミステリーを読むときに時刻表を傍らに置いて、みたいなもんかな?(笑)


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