2019年11月21日木曜日

お江戸レンタル屋、開店。

『時は元禄。』

この書き出しで僕の中の「時間」と「世界」は一気に江戸へ動いた。

あまり時代物を読まない僕にとってはすごく新鮮な体験だった。そういえば昔の人気時代劇って決まり文句の口上が冒頭にあったな、なんて思い出したりもした。やはり『死して屍拾う者なし』かしら(^^;

時代小説っていうより、エンタメ時代劇のノベライズみたいな感じかもしれないなぁ、なんて思いながら読んだのが、平谷美樹「貸し物屋お庸――江戸娘、店主となる」
ひらや・よしき、か。難しい。

簡単に言うと「おもしろいおもしろいおもしろい」だった。
ちょっとしたファンタジーも含めながらミステリー風味も持った、昔テレビで見てた楽しい時代劇そのままじゃないか、とね。

大工の棟梁の十五になる娘。箱入りだけど男勝りな「お庸」が主人公。
自宅に「押し入り」があったことから、意を決して暖簾をくぐったのが“ないものはない”と言われる「貸し物屋」――つまりレンタルショップ。
んで、いろいろあってその支店を任されることになるわけだ(サブタイトルにあるからネタバレではないよね)。

不思議な客が訪ねてきたり、不思議な注文があったり・・・そうして巻き起こる事件にお庸が向き合っていく、という話。

時代小説なんだけど、かぎりなく現代語に近い形で書かれているので読みやすいし、逆に当時の単語なんかが素直に頭に入ったりする楽しみもあった。別宅を表す「寮(りょう)」とか、支店のことを「出店(でだな)」っていうとか、それからそれから・・。

キャラクターもなかなか魅力的で、本店(ほんだな)の主人――味方なのに素性がしれない感じだ――とか、その部下の半蔵(いかにもな名前だ)とか、たまらんね。

一話完結。そんなところもテレビドラマ風かも。
後味もすんごくいい。勧善懲悪もあれば人情噺もあって。てやんでい。
江戸の庶民の死生観みたいなのもちょっと感じたりする。

続編も出てるみたいだ。ぜひ読み続けたいと思う。軽くぐんぐん読めちゃうし(^^;

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