2015年11月20日金曜日

あのチームが再び走り出す。

やはり機種依存文字であるローマ数字を使うことには抵抗があるので、ツーの標記はII(あいあい)にしております。最近はそんなこと考えなくてもいいのかなぁ。

というわけで予告どおり、堂場瞬一「チームII」を読了。
箱根駅伝の「学連選抜」を描いた「チーム」、その駅伝を共に戦った“仲間”たちの7年後の物語。

走り続けている者、後進の指導にあたる者、走ることをやめた者。
そこに、かつて戦った相手(「ヒート」・・本編でグレーにしてた結末をあっさり書いちゃうんだもんなーw)、かつて日本最高記録をマークした者(「標なき道」「キング」)が絡んで物語は進んでいく――さしずめ堂場オールスターですな。

でも、周囲に誰がいようと、結局走るときはひとりきり。そう、走ることは孤独な作業だ。

そのことを誰よりも理解し実践し、そして結果も残してきた男。
だがしかしひとつの故障をきっかけとして揺れていく。
レースではタイムのみを求めた男が、「相手」の存在を考え始めるその瞬間。揺れる自分を支えてくれる仲間の存在を思う瞬間。不要だと言い続けてきた声援が、自らに届いてきた瞬間。

そうした瞬間瞬間を見逃すな!ってとこかな。
天上天下唯我独尊な流川が花道にパス出したときの気分だと思ってくださいな。

これまでの作品よりも競技シーンは長いかも。堪能できますねぇ。「20kmで2分半差だと~!」という設定とか、リアルと物語の境目あたりの感覚が絶妙。

ゴール前、文字どおりの「息も絶え絶え」。走っているのか歩いてしまっているのか、進んでいるのか、本当にゴールに近づいているのか――。
思い出したのは学生時代の夏合宿でのランニング。それも目の前がブラックアウトしそうなあの瞬間。思い出しただけで気持ち悪い(笑)。

僕自身、今はそんなふうに走ることは“決して”ないけれど、自然に汗が流れ出すような感覚になるのは堂場作品の醍醐味だろうな。

あとね、鶴見中継所の描写とか・・・泣く。うん。
ちなみに、7年前の箱根駅伝では中央大学が強かった。そしてこの作品中では青学。うんうん。

・・・なんだかんだで強い選手は魅力的だなってことも思う。どういう「人」かなんてわからんもん。

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