2014年7月11日金曜日

その謎と恋にまっすぐ進め。

石持夏海「まっすぐ進めを読了。この著者の作品は初めて(だと思う)。
本屋で何気なく手にとって裏カバーを見たら 『「鵜飼と朱美のまっすぐ進まない解説」収録。』 の文字。即購入を決断(^^;
鵜飼探偵と朱実さんは、東川篤哉の「烏賊川市シリーズ」(僕の大好きなシリーズだ。コレとかコレとかコレとか)の登場人物で、その掛け合いは絶妙だ。解説を読んで買うというパターンはありがちだが、解説に期待して買うというのは自分の中ではかなり新しい(笑)。

4人の男女の周囲の日常の謎――いや、謎とすら呼べないかもしれない、日々の出来事にまつわる“ふとした疑問”から始まるミステリー。4つのストーリーが進んでいく中で、4人のうちの2人にとっての最大の謎が紐解かれていく・・・という話なのだけれど、ひとつの結び目がほどけるたびに、男女の関係にも少しずつ変化が訪れ、ステップを上っていく。

これはもう、ミステリーを下敷きにした恋愛小説だと断言してしまおう

僕は普段恋愛小説は読みません(キッパリ)。
にもかかわらず読後感はすごく良かった。この小説の中に描かれる恋愛は、何と言うか・・・そう、素敵だ。憧れるとかうらやましいとかとは違うんだけど、「この関係はいい」、そう素直に思えた。
と、書いててめっちゃ恥ずかしいんだけどな(照)。

もちろんミステリーとしても秀逸。素敵な恋愛小説として結実するために、ミステリー部分は重要な要素だからだ。伏線は実に論理的に謎の解決と恋愛の結実の両方に作用し回収される。
謎が解かれる部分は何度も繰り返し読んだ。

本人が認識していた事象には実は別の側面があって、そこには「やさしい答え」があった――。

軽い感じで読めるけれど、いやー良かったよ。別の作品も読んでみようっと。

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