シリーズ4作目、平谷美樹「貸し物屋お庸――娘店主、想いを秘める」を読了。
今回のお客様のご要望は、簪、装束、矢立(いや、従業員か)、人形、そしてお庸本人(!)。
読み始めてすぐに明らかになるのが主人公お庸の成長。
何もできななくて落ち込んでた小娘・お庸が、どこに行っても「大人になったねぇ」と言われ、言葉遣いも、そして何より人様にきちんと頭を下げられること、相手を慮ることができるようになって――読者という名の親戚のおじちゃんとしては目を細めたくなるような気分と、ついでに一抹の寂しさも覚えます。
きっと見た目も「お年頃」になってるんだろうな、などと想像しながら読み進めます。
お年頃、ということは例の初恋のゆくえ問題も浮上してきましょう。ちょっと意外な展開もありそうです。
そう、いよいよクライマックスなのです。
お庸の成長だけでなく、本店の主人の素性、そして前作あたりからちらりちらりと見え隠れする怪しい影のことも。
素敵な人情噺に加えて、その緊迫感も読者の感情を揺さぶります。
お。この4作目で完結じゃなかった。
いよいよラストに鍵を握りそうな新たな登場人物が現れたし、もう少し楽しめそうだな・・・・・・あれ??
・・(検索検索)・・
く、クライマックスだったんだよな?
でも、この白泉社招き猫文庫自体が刊行をストップしてしまったらしく、「貸し物屋お庸」シリーズそのものが頓挫してしまったみたい。少なくとも次作が書かれている形跡はない。
なんでやーーーー!(泣)
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