武井壮の世界マスターズ金メダルに感化されたわけではないのだけれど、陸上の4継(4×100mリレー)を題材にしたスポーツ小説を読む。いや、どちらかというと青春小説だな。
一方でこないだ陸上モノを読もうと思って「失敗」したからという理由はかなりあると思われ(^^;
物語冒頭、サッカー選手の「母」の話が出てくる。
その母は『(略)・・・語らせたら世界一だ。船越アナの実況よりも熱く、風間八宏の解説よりもしつこくしゃべる。』という一文で大笑いさせてもらった。いや、話の本筋とは一切関係がない(^^;
高校の陸上部が舞台。主人公の種目は短距離。中長距離なら競技中の心理描写もできるだろうが、100mの競技時間はわずか10数秒。「とにかくアップに時間をかける」という競技特性と、その描写の仕方がマッチしているようでちょっと興味深い。
競技描写の緻密さが気になって調べてみたら、著者の佐藤さん、後に日本代表のリレーチームを取材したノンフィクションを書いてた。なるほど。
「夢は何か」と問われた主人公が言った「速くなる」という真っ白いひと言にグッときた。
前後の脈略がわかんないとなのことやらなんだけど、なんだか本質を突かれた気分になった。
まぶしいなあ。
苛立ちやコンプレックスや憤りや不安も含めて走り続けることのできる若さ。これが「本当のリア充というやつか」とヘンに納得したりして。
この輝きこそが一瞬なのかなぁ・・・(遠い目)。
いずれにしても三部作の第一部を読んだだけ。話はこれからというところなんだけど、本屋行くたびに第二部を買うのを忘れる(^^;
勘のいい方はお気づきだろうが、第二部は「ヨウイ」、第三部は「ドン」です。
* * *
高校生たちの台詞回しがちょっと苦手。いかにもイマドキの若者言葉なのだが、それ自体が嫌だというよりも、その言葉を耳で聞くのではなく文字で読む困難さと、皆が皆おんなじような言葉でしゃべる違和感が。
苦手なのは僕が年寄りだからとは言いたくないが(笑)。
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