青柳碧人・さく、「赤ずきん、旅の途中でしたいと出会う」(例によって一部かな表記)を読みました。
「むかしむかしあるところに、したいがありました」の続編、っていうのでしょうか。前作が日本むかし話をモチーフにした短編集なら、こちらは海外の童話がベースで、しかも連作の短編集です。
全編を通じて登場するのが主人公の赤ずきんで、ワインとクッキーを届けるという史実どおり――いや史実じゃないだろ。原作っていうのか?――のおつかいの旅の途中でさまざまな事件に遭遇するのです。
シンデレラ、ヘンゼルとグレーテル、眠れる森の美女、マッチ売りの少女、それぞれの世界で巻き起こる事件の謎に、旅の名探偵・赤ずきんが挑みます。
『「まさか私が、オオカミと事件捜査にあたることになるなんてね」』
これもちょっとした伏線ですよ。だって赤ずきんと言えばオオカミですもんね。
アリバイ、密室、倒叙などなど典型的なミステリーの要素はてんこ盛りで、そうした謎解きの部分もさることながら、でも何よりも名探偵の名推理そのものが徹底的に楽しめるのです。
そして彼女の旅の真の目的がついに明らかになった最終章、クライマックスに向けた緊迫感・高揚感、そうした感情の高まりに、ページをめくる手を止めることができなかったのでした。
今回も細かい内容は書きませんが、これだけは書き残しておこうと思います。
前作同様にとんでもなくおもしろかった!
そしてそれだけではありません。身の毛もよだつような恐ろしさもあったのです。
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「~のです。」「~のでした。」と書くと、その言い回しがいかにもおとぎ話っぽくなります。そうしたテクニックもふんだんに使われているのが、さすが、と思ったのでした(^^;
ちなみに、本投稿のタイトルはLAZYの往年の大ヒット曲「赤頭巾ちゃん御用心」(古っ)から拝借しているのですが、原曲とは違って、赤ずきんちゃん“に”ご用心、という意味で使わせていただいたのでした。
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