電車を降りてホームを歩いていると、背後で「ごん」とも「ばん」ともつかない鈍い音が響く。振り返れば、降車が間に合わずにドアにはさまれた人の姿。
ぷしゅーと再び開けられた扉から少し慌てて降りてくる。
が、瞬時にまったく同じことを僕自身がやらかしてたことを思い出し、僕の耳たぶは赤くなっていく。
よくよく見れば、そのおっさんは僕と似たような年回り、ヘタすれば年下かもしれない。
なんだかそのおっさん(あるいは、おにいさん)が急激にいとおしくなり、改札口を出たところでそのおっさん(あるいは、にいちゃん)に声をかけたくなった。実際には絶対やらないけど。
「飲みにでも行きませんか」、と。
ほんの少し、社会システムからずれてしまった自分たちについて語りませんか。いや、そこに言葉はいらないか。
「熱燗、お好きですか」、と。今日は冷えます。
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