気になる書名を見かけてしまいまって“タイトル買い”。朝倉宏景「野球部ひとり」。
普通の言い回しだと「ひとり野球部」になるんじゃないかと思うんだけど、それが「野球部ひとり」。それにものすごく引っかかったわけです。
もちろん時節柄(?)、高校野球そのものが気になる存在でもありますから(^^;
昨今リアルにもすごく目にするようになった、高校野球のいわゆる“合同チーム”――超有名進学校の野球部1人+悪名高きヤンキー校の野球部8人――の物語。彼らは本来かなわないはずの、公式戦出場と、そして「1勝」を目指していく。
「ひとり」が物語の軸になることは確かだけど、やっぱりチームの物語だからね、ちょっとタイトルに偽りあり、な気もしますねぇ。読み進めると、おそらくは劇団ひとりをもじったであろう『野球部ひとり』という単語は出てきますが、むしろ学校名をかけ合わせた『ひとりヶ丘』という単語のほうが多く使われているし、著者はこのタイトル付けないと思うんだよね。なんとなくなんだけど編集者が付けたんじゃないかなあ。まあいいんですけど(^^;
登場人物はなんというのか・・・そう、マンガ的。全員アクが強い。フツーの人ってのが出てこない。唯一、春一の弁当作ってるお母さんぐらいかしら。登場はしないんだが(^^;
ということもあるんかな、ものすごくさらさらと読み進んでいってしまう。それぞれに抱えてるものはあれど、わりと予定調和というんでしょうかね、ちゃんとお話は収束していきます。
そしてクライマックスは夏の大会。
彼ら合同チームの戦術は、いわゆる“機動破壊”かな。わかる人にはわかるかと。
個人的にはとっても好きな戦い方で、その部分はものすごく応援しちゃうし、手に汗握る――ほどでもなかったかな?
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もう少し、チーム全員のキャラが立ってたらもっと楽しかったのに、と思います。
だって野球はひとりじゃなくて、チームスポーツだもん。
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