2018年10月19日金曜日

さんぽニスト、旧日光街道をゆく。その伍

前回ゴールの国道4号線100キロポスト。あの日あんなに暑かったのがイメージできない、ひんやりとした朝の空気とどんよりした曇り空。今日はここ、雀宮宿からのリスタートです。もちろん雀宮神社にもお参りして。


「一里」という地名が残る江曽島一里塚跡を過ぎ、国道4号線から国道119号に分岐すると、いよいよ宇都宮の市街地に入っていく。
古い町並みだけど古臭いというような感じはまったくない。空が広く感じるのは、道路がすごく整備されているからだと気づく。特に車道はどこも幅が広くて走りやすそう。細い道にも○○通りと名前が付けられてたりする。
そういえば国道4号沿いはクルマ屋さんのオンパレードだった。国内外のディーラー、新車中古車、おまけにスバルの大きな工場まで。まさしくモータリゼーション(違)・・・なんてことを思う信号待ちの僕の前を、NISSAN GT-Rのパトカーが爆音を轟かせて過ぎていく。おそるべし栃木県警。

日光街道最大と言われた宇都宮宿。この中心にある追分を左折すると日光へ。直進すると五街道のひとつ奥州街道へ。いずれ直進することもあるのかもしれない(ないかもしれない)けれど、もちろん左折。なんだか「いよいよ日光」な感じがしてきた。わくわく。

といってもしばらくは宇都宮の市街地。
やがて「上戸祭」という地名が出てくる。「うえと・まつり」と読んでしまうのは上戸彩の影響力(笑)。本当は「かみ・とまつり」。
その上戸祭のお好み焼きやさんの看板に「栃木焼」という文字を発見。初耳。

そして国道はいよいよ日光への参道の雰囲気を漂わせてくる。

道の両側には大きな並木。杉が一番多いかな。中には桜並木も。ちなみに有名な“日光杉並木”は今市宿の先なので今回のさんぽではたどり着いてはいない。
国道は並木の「間(内側)を掘り込む」ことで整備されているようだ。並木の外側を通る歩道は土手の上って感じ。2m以上も車道より高いとこもある。クルマを見下ろすようにして歩く。
それ自体は構わないし、むしろ気持ちいいんだけども問題がひとつ。交差する路地が出てくるごとに土手がなくなるので、車道の高さまで下りてまた上がるという急激なダウン&アップをくり返し強いられる。つらい(涙)。

宇都宮動物園の脇を通り、高谷林一里塚を経て、宇都宮ICのところで東北自動車道をくぐると徳次郎宿に入る。
今回のさんぽルートには一里塚が残っているところが数多かった。さんぽニストにとっては、区切りみたいになってありがたかった。まさしくマイルストーン(^^;

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#徳次郎宿 #旧日光街道 #さんぽニスト

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現在の地名は「とくじろう」なんだけど、古くは「とくじら」だったんだってさ。絶対読めない。

徳次郎宿の先で国道は緩やかに左にカーブして西に向きを変える。
次第に上り坂を実感するようになってきた。
僕を追い抜いていく車に他県ナンバーが目立つようになる。観光客だろうか。
左に目をやれば山すそに日光宇都宮道路が見え隠れする。
土手の歩道には大きなクモの巣が目立つ(ちょっと怖い)。

「近づいてきてる」・・・そんな感覚だ。

少し汗ばんできたのでトラックジャケットを脱いでTシャツ姿になる。
空気はさすがにひんやりしてるんだけど、なんだかすごく気持ちいい。

りんごの直売所・・・めっちゃうまそうなんだけど、リンゴ抱えて歩くのはちょっとなぁ(^^;

緑がだんだん深くなってくる。周囲の風景がのどかになってくる。そしてついに「日光市」に入る(もともとの今市市ですね)。ちなみにここまでの行程はすべて「宇都宮市内」を歩いてた。

日光街道は国道119号の旧道に入る。さすが旧道、土手の歩道が未舗装でまったく整備されてない!
うっそうとした杉木立の中を、折れた枝や落ちた杉の葉をかきわけるように進む。これは本当に歩道なのか??と、ついに倒木があって先に進めず。

土手を下り、反対側の土手へ。こっちは整備されてた(^^;
ちょうどそこに「並木寄進碑」が。杉並木を植栽して東照宮に寄進しましたって書いてある、らしい。この先にもいくつかあるんだとか。「ついにそういうとこまで来たか」と思う。
【杉並木の中でのエピソード】畑仕事を終え肩に鍬をかついだおじ(い)さんが現れた。「どっから来たの?」と。微妙に鍬が怖いんですが(笑)。今日は雀宮からです。「おおスズメからかーそりゃすごい」「半袖寒くないかねー?」歩いてるからだいじょぶっすー。
反対側の歩道には倒木があったことを話すと、「そうなんだよ、こないだの台風24号で40本ぐらい倒れたんだよ」「やっと通れるようになったとこだよ」「ここに越してきて50年になるけど、あんな風は初めてだな。夜中眠れなかったよ」。そうですかー、大変だったんですねー。
「ほら、この木見てよ」おじ(い)さん、いきなり後ろ向かないで。担いだ鍬がこっち回ってくるからびっくりするじゃん。「この木も中がもう腐ってて皮だけみたいなもんなんだよね」確かにすかすかですねぇ。それはさぞ台風のときは心配だったでしょうね。よく見るとかなり太い枝も折れたやつがいっぱいありますもんね・・。
「今日はどこまで行くの?」本当は東照宮まで上がりたかったですけど帰りの時間も考えなきゃならないから、大沢で終わりにして駅に行きます。「そうね、泊まるならいいけど帰るなら大変だもんね。駅までもちょっとあるから気をつけてね」はい、お父さんもお気をつけて。さよならー・・・あ、おじ(い)さんとツーショット撮れば良かった。

そういえば今日はいろんな人に声をかけられたな。宇都宮の街中で信号待ちしてるときに「あらーきれいな靴ねー」と褒めてくれたおばあちゃん。すれ違い際に「こんにちは」と言ってくれたのは自転車の後ろに子供を乗せた若いおかあさんと、それから町の世話役みたいな(あくまでイメージ)おとうさん。なんか僕の中の栃木県の好感度が爆上がり中。【エピソードここまで】
旧道が再びバイパスの国道と合流すると、そこはもう大沢宿。交差点脇のそば屋の看板に「大澤宿」の文字があった以外は特に宿場っぽさはないかな。

一応地図を見てみたけれど、次の今市宿まで行くと帰りの電車がかなり遅くなりそうだ。
街道から離れ、日光線の下野大沢駅のほうに行きましょう。


今日はここまで。日光線に乗って宇都宮に戻って、念願の餃子にビールでお疲れ様。

次回はいよいよ終着地、世界遺産日光に到着します(「世界の車窓から」の声で読んでね)。



今回の行程:雀宮宿~宇都宮宿~徳次郎宿~大沢宿~下野大沢駅(→GoogleMapsのマイマップ)。お昼ごはんは徳次郎宿にあった中華ファミレスでチャーハン(キムチ乗せ)。思った以上に旨かった。宇都宮経由なのでおみやげはもちろん餃子。それからレモン牛乳。
ここまでの行程:[1]日本橋~越ヶ谷宿[2]~栗橋宿[3]~小山宿[4]~雀宮宿[5]~大沢宿


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