2018年10月18日木曜日

神様のお戯れ。

本屋で絶賛オススメされてたのであまり深く考えずに手に取った麻耶雄嵩「神様ゲーム」を読む。手に取ったのは古本屋だけどな。

主人公は静かな町に暮らす小学生。
が、彼の周辺で不穏な事件が連続して発生する。その真相を探るべく少年探偵団が動き出す。

とそんな主人公の前に現れたのが、「神様」を自称する目立たない転校生。暇つぶしに来ているのだという。
神様は全知全能。だから過去も未来も知っているし、事件のことだって全部知ってる。彼の言うことは本当のことなのか。

・・・「答えを知る」人物――人物じゃないけど――がいるミステリーって不思議な感じだ。だけど人間は神様の知るすべてを知っているわけじゃないから、そこには謎も残るし疑心暗鬼にもなるし。ちゃんと成立してるんだよな。

神様に言わせれば人間は不完全なものだしね。
神様は全知全能であるがゆえ、相当に論理的。人間から見ればめんどくさくて、クドいタイプ(笑)。

神様の言葉と能力をふまえ、やがて事件の謎はすべて解ける。たとえそれが登場人物にとって「望ましくない答え」だとしても。せつないねぇ。

・・
・・・なのに。なのに。

エンディングは唐突だ。あまりに不条理。なんやねんそれ。

でも考えてみれば、それが不条理だろうとなんだろうとあくまでそれは人間の目線。
神様はすべてを知っていて、間違えることはない。真実は真実。

なんとも心が落ち着かない、ざらついたいやな感触の残る読後感。

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