2017年5月19日金曜日

北鎌倉の古書店、閉店セール。

【プロローグ】
早くブログ書かなきゃ、とキーボードに向かっている。
これだけの冊数をイッキ読みしたことはあまりなくて、なかなか物語の世界から抜け出せない。文章にして整理しないと、次の本が読めない(^^;

*  *  *

2012年に読み始めた三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ、ついに完結!
最終巻「ビブリア古書堂の事件手帖7~栞子さんと果てない舞台~」を買う前に、まず僕がしたのは、既刊の[1]~[6]を読み直すこと。
5巻を読んだのが3年前6巻は2年前なので、ちょっと話がうろ覚えで・・・。
だってさ、一応はミステリーなわけですよ。伏線もあっただろうし、そこは確認をしておきたい。一度読んでるので、全速力の斜め読みで(笑)。

そしていよいよ最終巻。

もう人間関係が濃密でも驚かない!何しろ巻頭に家系図が付いてる(^^;
そして最後は母娘対決!!

太宰によって心の奥底から引きずり出された登場人物個々の「何か」が大きなうねりとなり、さらに解かれた謎によってひとつの線につながれ、そしてそれがシェイクスピアによって舞台へと導かれる。
そんな表現でどうでしょうか。それにしても妙にカッコつけた文だな、と自分ツッコミ。(笑)。

その最後の「舞台」こそがこの7巻の、そして物語全体のクライマックス。
はたして栞子さんは、最後の謎が解けるのか。そして母との対決のゆくえは。
読みながら細野不二彦のマンガ「ギャラリーフェイク」の世界観をふと思い出したり。

最終盤はミステリーというよりも、古書にまつわるヒューマンドラマと言ったほうがいいかもしれない。
古書にはそれを持った人々の想いが乗っかって受け継がれていく。念と呼んでもいいかも。
ただそれよりも大切なのは今あることで、今のここにいる人なのだ。

『・・・なにが正しいのか、これからなにが起こるのか、すべてを見通せる人間なんかいない。舞台の上にいる登場人物みたいなものだ。
・・・自分で決めたと胸を張れる覚悟をもてればそれでいい。』


そんな感じの物語に、いち読者として巻き込まれちゃった感じだったんだよなぁ。
その「舞台」を見守る観客のようであり、舞台袖に控える役者のようでもあり。
唐突に挿入されるこっぱずかしいラブロマンスなシーンで我に返ること数度(^^;

いやー、楽しんじゃった~。楽しい読者時間に感謝申し上げまする。

*  *  *

【エピローグ】
エピソードとしては大団円を迎えたわけだけど、物語は実は何も終わっちゃいないなと感じるラストシーンだった。そう思ったところで著者自らのあとがきを読む。すると前日譚や後日譚、番外編やスピンオフといった企画が進められているとのこと。これはつまり、ビブリア古書堂は終わると言って終わらない、「閉店セール」ってことですね。そちらも楽しみです。

・・・と書いてある最後の最後のページに誤字発見(笑)。本にまつわる本なのにねぇ(爆)。

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