文庫を見つけると必ず手に取る東川篤哉作品を2冊。
まずは鯉ヶ窪学園探偵部シリーズの「探偵部への挑戦状 ~放課後はミステリーとともに~」。この探偵部シリーズは2系統(?)あって、3年生の多摩川部長と八ツ橋コンビが活躍?する長編と、2年の副部長・霧ヶ峰が活躍?する短編集。で、本作は後者。
ちなみに同じ探偵部なのに部長と副部長はこれまで作中で一緒に登場することはなかった。同じ探偵部なのに(笑)。それが今回なんと初顔合わせが実現。というネタを作者自ら投下してくれるところが好き。
ミステリなので細かいことは書かないけど、学校の庭の池に生徒が落っこちたり、学園祭でお好み焼き売ってたり、そういう普通?の学園生活の中にふと起こる小さな?事件。いつものようにクスクス笑わされながら、密室トリック、凶器消失といった案外本格的な謎に出くわしていく。文体に騙されちゃうんだけど、だからこそよけいに謎が解明されると超クヤシイのです(^^;
ミステリに「クヤシイ」という感想は褒め言葉だと思う。作風が軽くてイヤという人もいるだろうけど、やっぱり好み。
今回、霧ヶ峰のライバル?に「うるる」が登場!ますますエアコン感が(笑)。
そして最終話の舞台は3月。そう、別れの季節。
多摩川部長と八橋先輩がなんと卒業・・・これはすなわち探偵部シリーズが終わるということか。うう、淋しい・・・。
・・・と思ってたら、巻末の解説に『・・・すでに〈鯉ヶ窪学園文芸部〉シリーズが進められている』、と。おおおっ(喜)。
* * *
烏賊川市とか、鯉ヶ窪とか(国分寺には恋ヶ窪という地名はあるが)、架空の街を舞台にすることが多い東川作品において、リアル地名を使った新シリーズが「ライオンの棲む街 ~平塚おんな探偵の事件簿1~」。
相撲川の向こう(意図的な誤字)の、あの平塚ですよ。「ライオンの棲む」なんていう字面は新宿あたりが似合いそうなのにそうじゃなくて、湘南ギリギリなあの平塚ですからね。そのあたりのちょっとしたズレ感も真骨頂でしょうかね。
ユーモア・ミステリと括られることの多い東川作品だけど、少しテイストが違うかな。タッチの軽さはそのままだけど。
どちらかというと謎解きメインではなく――正直なところ、トリックそのものは「それ知ってる」感が・・(上から目線失礼)――動機の部分のほうがメインかもしれない。
そのあたりがアウトロー探偵モノのドラマっぽいんだよなー。うん、珍しく「映像化しやすそうな」雰囲気の作品だ。テレ朝あたりがやりそうな気がしてしかたない。
ライオンのたてがみのような茶色い髪(あれか、amazonのCMのやつか?)に茶色い瞳。長い足に細いデニム、赤いタンクトップ。敬語の使い方を知らず、木刀を振り回すアラサー女性。愛車はシトロエンとスーパーカブ――。
さて誰を主役にしましょうかね?
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