朝ドラ「とと姉ちゃん」で唐沢寿明が演じた花山さんのモデルになった、『暮しの手帖』編集長、花森安治の企画展「花山安治の仕事~デザインする手、編集長の眼」を見てきた。
編集者、文筆家、デザイナー、イラストレーター、評論家・・・肩書では語れない数多の「仕事」に圧倒された。考え方やコンセプトに100%のアグリーというわけではないけど、その仕事ぶりと成果は、同じような業種のはしくれのはじっこにいた僕には圧倒的すぎた。と同時に、「つまんない仕事の仕方しちゃったな」「もう少しやればよかった」と自分の仕事を恥じた。
コンピュータを使えば直線も、正円も、滑らかな曲線も、きれいなフォントも、実に簡単だ。
仕事を覚えたときはもっと手を使っていたはずなのに、いつの間にかその便利さに流されるようにして、手を、ペンを、動かすことを忘れてたかもしれなかったな、と。
誌面の割付、あるいは広告の版下、あるいは。
多く遺された花森の「手による」仕事を見つめながら、そんなことも考えた。
今はもうヒマつぶしでしかない僕の仕事、もう少し「手」を使うようにしたいな、とも。
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