今回今さらながらに見てみた映画は「さらば愛しきアウトロー」です。
この邦題は、確かに映画そのもののタイトルとしても悪くないような気がしますが、それよりもむしろ、この映画を引退作としている齢80を超えたロバート・レッドフォードへの思い、というふうにとらえたほうがいいように思います。
レッドフォードとアウトローっていう言葉は実によく似合うしね。
原題は「The Old Man and The Gun」。
レッドフォードの役どころは老人の銀行強盗。といっても銃はチラりと見せつけるだけで、その犯行時のふるまいは実に紳士――という一風変わった連続強盗犯である。
なんとなく、だけどレッドフォードの中のアウトローが、こういう形で完成形を見たのかな、なんてことを思ったり。
少し古めかしく見せる映像。
車やファッションといった小道具。
アメリカンダイナーや牧場といった舞台装置。
小さな恋物語。老いらくの恋。
そういったものすべてが、この「完成形」のために配置されているように思えてならない。
フラッシュバックのように映し出された若き日のレッドフォードの姿も含めて。
ただ、レッドフォードは引退するが、主人公のタッカーは最後までアウトローであろうとしていた。いや、アウトローでいなくなることができなかった、というほうが近いか。
ジャンキーのような危うさも覚えるが、一方でおじいちゃんだから好きなことやりなよ、というような感情も出てきて、なんとも複雑(^^;
ただそれによって、ロバート・レッドフォードという俳優の存在は、これからも永く残るのだろうな。そんなことも思う。
いい雰囲気でありました。・・・まああまり盛り上がりのある映画ではないんですけどね~(笑)。
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