2016年10月18日火曜日

祇園宵山、それは万華鏡。

キョンキョンのオススメ第12弾、森見登美彦「宵山万華鏡」を読了。

僕がもともと森見作品に持ってたイメージは京都、そして、たぬき&妖怪なファンタジー。本屋で見かけるとどの装丁も魅惑的で読んでみたい気持ちは常に持ってはいたものの、ファンタジーというイメージが食わず嫌いを起こしてた。
そこをキョンキョンに後押ししてもらって初めて手に取った、という感じだ。坊主1号は愛読してるらしい。

本作は祇園宵山にまつわる6つの短編。というより連作と呼んだほうがいいかな。いやいや、ただ1つの物語でもあるか。

宵山ににぎわう京都の町の、ビルの隙間の狭い路地。そこに吸い込まれる赤い金魚のような浴衣を着た女の子。その先に待つのは――。

例によってひとり酒をしながらのんびりと読んでたんだけど、これが実にお酒との相性が抜群で(^^;
ふんわりと1cmぐらい地面から浮き上がるような、行間に流れ込んでしまうような。酔ってるのか素面なのか。やがて飲み屋の喧騒が聞こえなくなる・・・・と思ったら、唐突にまるで「種明かし」のような現実を見せられて驚く。ところがそれでもなお浮遊感が残ってる。

その現実は本当に現実なのか、それとも。まさしく「境目が溶ける」ような、いや、「万華鏡の中に放り込まれた」ような気分にどっぷりと浸れる。背筋の寒さとほんわかが同時にやってくるような感覚だ。

作中の言葉を借りるならば、

『恐るべし京都、恐るべし祇園祭、恐るべし宵山』

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