今回の今さらながらに見てみた映画は、「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」と「毎日かあさん」の2本立て(実際にはちょっと時間空けた)。
この2本は、ひとつの実話を元にした別々の原作によるものだ。ご存じの方も多いですかね。漫画家・西原理恵子とその家族、(元)夫でアルコール依存症の鴨志田穣の闘病と死を描いている。前者は鴨ちゃんの目線、後者はサイバラの目線。
以下ちょいネタバレあり。
闘病者自身である鴨ちゃん原作はやはり恐れのようなものが見え隠れする。酔いがさめたら家に帰ろう。だが、現実には酔いはさめてくれない。心の声が言葉になる恐怖。
アルコール依存症という「誰も同情してくれない病気」である自分を、支えてくれているのが家族だという事実がまた、重い。
一方のサイバラ原作は、もともとが家族のちょっとした日常を笑いで切り取ったコメディだから、重くなりそうなところでもギリギリ明るさを失わないで話が進む。その明るさの源は子供たちなのだろうけれど。バカな男の子はファンキーでハッピーだ――ただし、傍から見てる分には(^^;
で、かあさんが「依存症を克服した」夫の末期癌を医者から告げられるシーン。
永作博美も小泉今日子も、感情が混濁したような、いや、感情そのものを失ってしまったような表情を見せる。さすがの演技。画面に吸い寄せられる。
「悲し過ぎて悲しみで心が満たされると、悲しいのかうれしいのかわかんなくなっちゃう。」
永作かあさんはそう言って笑った。見返したわけではないので、セリフ違うかもー。
見てるこちらもどういう感情で見ていいのか、ちょっとわからなくなる。
そして小泉かあさんが泣き笑いをした瞬間、僕の涙腺も軽めの決壊(^^;
ブンジ、サイコーのにーちゃんだな!!
酔いはさめなかったけれど、以前新聞で読んだ西原理恵子のコメント、「最後の半年は幸せでした」の意味が伝わってきた。
映画としてどちらがどう、と言うつもりはない。どちらも素敵な映画でした。ただ「毎日かあさん」のほうのエンドロールは見逃すわけにはいかない、とだけは書いておきたい。
ところで原作者を知ってるだけに・・・永作博美に小泉今日子というのはいくらなんでも「盛りすぎ」だろ(笑)。
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