書店でふと目に留まった五条紀夫「クローズドサスペンスヘブン」を買ってみた。たぶん帯に書かれた「~氏絶賛」みたいなコピーに惹かれたんだと思う。
タイトルからも想像できるようにいわゆるクローズドサークル、絶海の孤島とか嵐の屋敷とかそういうシチュエーションのサスペンスミステリー。ただこの作品の特異なところは、その屋敷があるのがヘブン、つまり天国だという設定。
その設定の説明が難しい(笑)。
天国屋敷(もちろん「てんごく屋敷」なんだけど、作中で別の意味も明らかになる)に集められた6人は、いずれも記憶をなくしているが、おそらくは下界?現世?生前?は一緒に事件に巻き込まれたと思われ、その後このクローズドサークルに留まり、少しずつ判明してくる情報を手掛かりに、生前何があったかを解き明かし、そして成仏を目指す(?)という・・・なんだろ、流行りっぽく言うと「集団異世界転生もの」?
語り部となるのは最後に天国にやってきた通称ヒゲオ。
彼がミステリーとしての状況や疑問点をいちいち口に出してくれる。これは読者としてものすごくありがたい(笑)。でも彼も案外とんちんかんなキャラなんで、ミスリードには気をつけて(^^;
(o´(エ)` o).oO(...と「語り部=犯人説」はあるのかな?)
ほかの5人はヤクザさん、ポーチさん、オジョウさん、メイドさん、コックさん。
(o´(エ)` o).oO(...たぶん、この名前にミスリードさせる何かがあるのかな?)
・・
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『クローズドサスペンスヘブン』・・・・そのタイトルが文中に出てきた瞬間、本当にありえないけどもドキュメンタリーを見てたかのような。
(o´(エ)` o).oO(...読者である僕もある意味ヘブンの住人になってた?)
そして何と言うか、真実にはたどり着いてほしくないというような気持ちも。それはすなわち、本当に「ラスト」になっちゃうということでもあるから。
・・・ミステリーでここまで儚くも美しいラストシーンって、稀な体験だった。
読後感をじんわりと楽しみながら、いろいろと思い出す。明らかになったことに、何ひとつの矛盾も感じなかった。つまり、ミステリーとしてもファンタジーとしても本当におもしろかったのだ。
(2023.5.25追記)
五条さんがこのブログを拾ってくれて、感想の感想を寄せてくれました(大感謝)。
五条さんがこのブログを拾ってくれて、感想の感想を寄せてくれました(大感謝)。
ご丁寧にリプをお送りいただき恐れ入ります。僭越ながら感想に対する感想を書いちゃいました↓
— gojo@軟式 ⓥ (@gojo_n0) May 23, 2023
この度は拙作をご覧くださりありがとうございました。 https://t.co/vxMNi6Odhf
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