高村薫「リヴィエラを撃て[上]」を読む。
雑に言うとスパイ小説。謎の諜報員〈リヴィエラ〉をめぐりMI5、MI6、CIAが暗躍し、その渦中にはIRAの存在が――という数十年にわたる大河ドラマである。
壮大なスケールで描く、という感じなんでしょうね。
でも、時間軸が前後に動いて、全体の流れが頭の中で追えない。
小難しい純文学のような語り口と心理描写で人物像が形づくられない。
地名の固有名詞がヘンに多くて映像が浮かばない。
何とも形容しがたい「とっつきにくさ」を感じながら読んでいった。
中盤に入って主人公のひとり、ジャックを中心にした物語が展開するようになって、ようやくリズミカルに読めるようになってきたけども、その前段がぜんぜん頭に残ってないので、ただその場面を読んでるだけの状態に。そのジャックにも感情移入できないし。
[上]を読み終えて思ったのは、「読み終えたな」という結果だけ。下巻への期待感もなく、まったく食指が伸びなかった。なので #読了 と言うわけにはいかないですね。
まあこれは僕と作品の間の相性の問題だから。
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