昭和、じゃなくて20世紀アメリカで実際にあった「ゾディアック事件」を追う人たちの物語。事件についてはWikipediaでも見ておくれ。
ちょうどグリコ森永事件をモチーフにした小説「罪の声」を読んだ後だっただけに、すごく興味深く見た。
こちらはフィクションではなく、実在の人物が著した「取材をまとめた本」があって、それを映画化した、という形。
だから焦点は犯人側にはほとんど当たらない。
新聞社を使った犯行声明、挑戦状はいかにも劇場型で、警察だけでなく、その新聞社の記者、そして本来は事件記者ではなかったその新聞社の「漫画家」が事件を追う。
事件が迷宮に入るのは、今ではおそらく考えられない科学捜査の不備が大きい。指紋と筆跡鑑定ぐらいしかきっかけにならないという問題。
さらにFAXすらないという警察署同士の連携の不具合も。
それでも小さな小さな可能性を突き詰めて容疑者が徐々に浮かび上がってくるのだが・・・。
まあ未解決事件なので、犯人は捕まりません。それはわかってるんですが、真相に近づいていく緊迫感はかなりだと思います。
その一翼を担うのが主役の「漫画家」を演じるジェイク・ギレンホール。事件に徐々に憑りつかれていく様がまあすごい。普通の人が狂気に飲み込まれそうになりながら、それでも正気を保とうとし続ける感じが。
この映画を見ようと思ったのはギレンホール主演だからです。彼の出てる映画はハズレがない(俺調べ)。
そしてある意味淡々と描くことで得も言われぬ雰囲気を映画全体にまとわせたデヴィッド・フィンチャー監督の手腕もあるのかな。
160分という長さをまったく感じない一本でありました。ごくり。
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