新潟に本拠を置く長距離バスの運転手と彼の周辺模様を描く、伊吹有喜「ミッドナイト・バス」を読む。
個人的にはあんまり積極的に長距離バスや深夜バスって使わないんだけど、それでも昔はスキーバスなんてのは何度も使ってた(おっといかん歳がバレる)。深夜の休憩でバスから降りて伸びをしたとき。
夜明けにふとカーテンの向こうから外を見たとき。
その瞬間瞬間で場所と時間を“越えていく”、そんな乗り物だったように覚えている。
運転手本人とその家族。
息子、娘。別れた妻。今の恋人。
誰がいいとか悪いとか、そんなことではないけれど、人と人のかかわりは簡単ではないし単純ではない。
それでも、バスに乗り合わせる人、あるいは家族とかかわる人たちは、そこで何かを思い、何かを感じ、何かを見つけていく。そして次の場所へと越えていく――各章ごとにそういうサイドストーリーが描かれる。
そういう「発見」の物語なのかな。そんなふうに思う。このサイドストーリーは、はっきり言って“すごくいい”!
ただなぁ。
メインストーリーのほうだよ。
主人公と元妻のじくじくとした感じのところとか、ちょっとなぁって思ったり。
『最近よく思う。みんな、自分の年とどう向き合ってるのかって』
「知らんわっ」と思いつつ、いっしょになってメンタル落ちたわ(^^;
でもまあ深夜バスですからね。最後は朝がやってくるわけです。はい。
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